昨日、日本武道館で長谷川穂積のWBC世界バンタム級防衛戦が行われた。
勝てば長谷川は11回連続防衛!
しかし、相手はWBO世界バンタム級王者、フェルナンド・モンティエル。
9年間無敗、40戦40勝30KO(!)という驚異的な戦績をもつ、3階級制覇のメキシコの英雄である!
WBOは日本で認定されていないので長谷川は防衛のみ、フェルナンドは勝てばWBCのベルトを手に入れられるが、負ければ共にベルトを失う、まさしくベルトを賭けた戦い。
日本では、はじめて行われる統一王座戦となる。
現役王者であるフェルナンドは、これ以上ない強敵で、戦前から今回はヤバいのでは?・・と囁かれていた。
しかし、長谷川も今回、いつもより2週間早く減量に入り、万全の仕上がりで試合に臨み、フタを開けてみれば、互角以上の攻防を見せ、「これはいけるかも・・」とゆー期待をもたせてくれた。
しかし、幕は突然やってきた。
4ラウンド終了間際、フェルナンドの左が長谷川の顔面を捉える。
長谷川も右を返すが、ここへ追い討ちの左がクリーンヒット!
これで完全に意識を失い、たたらを踏んでロープへ。
そこへフェルナンドが猛然と襲い掛かり、長谷川のお株を奪うような高速の連打でラッシュ!
長谷川はロープに右腕をとられ、倒れるコトすら許されず、メッタ打ち。
たまらずレフェリーが割って入り、TKO負け。
―あるいは、王者のプライドがダウンを拒み、無意識にロープに腕を絡ませながらも、かろうじて立っていたのか・・?
いずれにせよ、これだけ一方的に殴られる長谷川の姿は記憶にない。
完敗である。
さすがにフェルナンド・モンティエルは強かった。
新王者がリング上で祝福を受ける中、静かに長谷川はリングを去った。
長谷川陣営が退場する際、リングに向かって全員で一礼する姿は、敗れたとはいえ、王者の誇りを感じさせる、美しい場面であった。
負けた相手が勝者を野次るなど、自らを貶める行為以外の何ものでもない。
プロのリングであれば、当然、勝ち負けが人生の明暗を分ける。
それを象徴する場面でもある。
しかし、それは人生においても同じであろう。
一瞬が人生の明暗を分けるコトもある。
出来るコトなら、散り際も美しくありたいものだ。
花道を引き上げ、ゲートに消える直前、長谷川は応援してくれた観客席に向かって、両手をあわせる仕草をした。
「期待に応えられなくて、すんません・・」
・・そんな長谷川の心の声が聞こえた気がした。
”絶対王者”、”日本のエース”と呼ばれた男が、試合後のインタビューでは悔しさに声をつまらせ、涙を見せた。
ぜひとも、またリベンジして欲しいものだ。
柔道の全日本選手権てば全然
盛り上がりませんでした。
同じ武道館でもこうも違うものですかね~?
盛り上がりに関しては、単純にプロとアマチュアの違いかもですね・・。
演出次第では、もう少し盛り上がる・・かな・・?