毎年恒例、大晦日の格闘技イベント、Dynamite!
今年は10周年記念大会とゆーコトで、豪華なカードを集めたつもりだったかもしれないが、内容のショボさが、現在の格闘技界の盛り上がりのなさを象徴するかのようで、非常にさびしいものを感じさせられた。
話題性では、1年ぶりに大晦日のリングにあがった柔道五輪金メダリストの石井慧と、ジェロム・レ・バンナとの対戦であったろうが、打撃も寝技に持ち込んでからの関節も、脅威の練習量・・と聞くわりには、さほど成長を感じさせない石井の中途半端な攻撃で判定勝ち・・という、なんともさえない試合だった。
試合後はブーイングが飛んだほど・・。
バンナも、もう年だしね・・。
まあ、秒殺でトッド・ダフィーを倒したアリスター・オーフレイムのヘビー級タイトルマッチや、ビビアーノ・フェルナンデスを3-0の判定で降した高谷裕之のフェザー級タイトルマッチ、所英男対渡辺一久の試合など、見どころのある試合もあるにはあったが・・。
しかし、個人的にベストバウトとして推したいのは”コスプレ・ファイター”、長島☆自演乙☆雄一郎と、”バカサバイバー”、青木真也との一戦である。
記者会見からコスプレの長島に青木はキレ気味・・。
正直、この組み合わせを聞いた時、青木の1本勝ちだろうな・・というのが素直な感想だった。
長島は、K-1日本代表トーナメントを制した日本王者・・とはいえ、コスプレでの入場以上のインパクトはない”色モノ”的な存在・・。
当て勘はいいが、トリッキーな戦法で戦う、華奢で線が細い選手・・といった印象だ。
一方の青木も似たようなキャラで、ほぼ同じよーな印象であはるのだが、”跳関十段”の異名ももつ、サブミッション(関節技)に関しては世界一の呼び声高いグラップラーで、DREAMライト級世界王者という、軽量級きっての寝技師だ。
確実に自分のペースに持ち込み、ねちっこく関節技で勝つだろう・・というのが、戦前の順当な予想と思われた。
長島は相変わらず、元ネタはわからん女の子キャラのコスプレで入場。
ルールは、1ラウンド3分がK-1(キック)ルール、2ラウンド10分がDREAM(MMA:総合)ルールだったため、当然、長島はこの回、勝負を賭ける。
しかし、青木はタックル気味に組みに行ったり、ロープをつかんでの蹴り、しまいにはドロップキック連発という”かけ逃げ”状態で時間を稼ぎ、まともに打ち合わない。
解説の須藤元気にも「ここまで空気読めないと、逆に気持ちいいですね・・」と言われるほど、徹底的な逃げに徹したまま、1ラウンドは終了。
2ラウンドになれば、圧倒的に青木に有利なルール、これでつかまれたらおわりだと、誰しもが思ったゴング直後・・
フラストレーションがたまっていた長島のヒザが、タックルに来た青木の顔面を見事にとらえた!
間髪を入れずに倒れた青木の顔面に鉄槌の連打を叩き込み、たまらずレフェリーが割って入り、試合終了!
ファースト・コンタクトをイメージして練習してきたという長島が狙いどおり、まさかの大番狂わせで勝利をものにした。
解説の魔娑斗もこれを見て、いいコトを思い出した、「人生、逃げてちゃあ勝てない!」と言っていたが、まさしく・・である。
長島本人も「ありえへん・・」と言ってたそうだが、おそらく、今大会、最も盛り上がった試合だったろう。
プロの試合は、派手なKOや1本勝ちがないと、なかなかヒーローにはなれないが、今年の長島は”もってる”かもしれない・・。
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