今年で17回目を数えるK-1グランプリの決勝ラウンドがやってきた。
武蔵が引退し、16年間K-1の決勝ラウンドに進出し続けてきた”ミスターK-1”こと、ピーター・アーツも今年はリザーブ・マッチでの参加という、新旧の世代交代激しい中、今年は準々決勝4試合中、実に3試合が1ラウンドKO決着という「これぞK-1!」とゆー試合が続出した。
しかし、その割りにいまひとつ盛り上がりに欠けるとゆーか、一抹の寂しさを感じたのは自分だけだろうか・・?
優勝はバダ・ハリを下したセーム・シュルト!
K-1史上初の3連覇を成し遂げたシュルトが”ミスター・パーフェクト”、アーネスト・ホーストにならぶ4タイムス・チャンピオンに輝いた。
KO続出でも地味な印象が否めない、今のK-1を象徴するかのような地味なチャンピオンだ。
そんな中、若い勢いを感じさせるのはシュルトと決勝を戦った”ゴールデン・ボーイ”、バダ・ハリ!
準々決勝では”ロシアの速射砲”、ルスラン・カラエフにまったく引けをとらない速い回転の連打でバチバチに殴り合い、2度のダウンを奪い、準決勝にコマを進めた。
準決勝の相手は、同じく準々決勝で極真世界王者、エヴェルトン・テイシェイラをたった2発の膝蹴りで秒殺したMMAからの刺客、”ダッチ・サイクロン”、アリスター・オーフレイム!
去年、大晦日のDynamaite!でバダ・ハリはオーフレイムから手痛いKO負けを喫している。
総合格闘技の選手とはいえ、ピーター・アーツを終始圧倒してこの決勝ラウンドに勝ち上がってきたストライカーとしての実力とパワーは、まさしく”最強の外敵”と呼ぶにふさわしい。
バダ・ハリにとってもリベンジを果たしたい因縁の相手だ。
総合格闘技が好きな自分にとっても力の入る1戦、今大会最注目のカードとなった。
結果は1回戦と変わらずパンチを振り回し、オーフレイムから2度のダウンを奪ったバダ・ハリの1ラウンドKO勝ち!
バダ・ハリは去年より10kg増量したというそのパワーを見せつけた。
個人的には今大会のベストバウト!
セーム・シュルトは”無冠の帝王”、ジェロム・レ・バンナを1ラウンドKOで下し、エロール・ジマーマンを判定で下したレミー・ボンヤスキーと戦った準決勝も1ラウンドKOで決勝に勝ち上がった。
決勝戦はもうちょっといい試合になるかと思ったけど、地味~にシュルトがKO勝ち。
それでも決勝ラウンドでの3試合連続1ラウンドKO勝ちは、1998年に優勝した”20世紀最強の暴君”と呼ばれた全盛期の頃のピーター・アーツ以来という。
バダ・ハリの強さには、チャンピオンになれる勢いを感じたけど、あんだけあっさりシュルトに負けたトコを見ると、ホントに策もなく、ただパワーアップしたパンチをぶん回してただけなんだろーか・・?
シュルトには1回勝ってるのに・・。
まあ、その辺の危うさも含めてバダ・ハリっぽいといやあ、そーだけど・・。
あれで引退だとしたら、バンナも浮かばれないなあ・・。