Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

ハロウィン

2008年10月30日 | 歴史・民俗

この時期になると、かぼちゃのちょうちんが店先を飾り、仮装パーティーが催されたり、ハロウィンというものがわりと日本人にも親しみのあるものとして定着してきつつあるように思う。

しかし、それもここ何年?か十数年くらいのコトで、自分が子どもの頃はまったくと言っていいほど、その単語すら聞いたコトがないくらいだったように思う。

 

調べてみると、ハロウィンとは、万聖節(11月1日)の前夜祭にあたる行事のことで、万聖節=“All Saints' Day(Hallowmas)”のイヴの日なので“All Hallow Eve”から“Halloween”になったと言われている。 

万聖節は、日本で言うならお盆のようなもので、過去に亡くなった人が、この日にはよみがえると考えられているそうだ。


もともとは2000年以上昔のケルト人の宗教的行事がキリスト教に取り入れられたものらしく、古代ケルト民族の宗教ドゥルイド教の儀式に、現代のハロウィンに通じる儀式があり、日照時間が短くなるこの時期は暗闇の勢力が増し、死者の霊があの世からやってくるという。

この世に戻ってくる魂は悪い霊で、生きている人にいたずらをしたり、悪運をもたらしたりすると考えられていて、その霊を静めるために人々は供物を差し出し、差し出さなかった家には悪いことが起こると信じられていた。

 また、やってくる死者を遠ざけるために、子供達に変装させて歩かせた。

 ハロウィンと聞いて思い出す仮装は、家のまわりを徘徊する悪霊たちが、その姿を見て驚いて逃げていくようにするためだったというワケだ。

仮装した子供達が近所の人を脅かせ、お菓子をもらう時の掛け声、

「Trick or treat!」(何かくれないといたずらするぞ!)

・・も、これが由来。

 

いつの間にやら、悪霊を追い払うための仮装をしていた子供たち自身が、悪さする悪霊そのものになっていたというコトらしい・・。

 

ちなみにあのかぼちゃのちょうちん、「ジャック・オ・ランタン」といい、その由来にはいろいろな話があるらしいが、一番有名なものとして「けちんぼジャック」と呼ばれる男が悪魔を騙したという話があるそうだ。
ジャックは死んだ後、地獄の門にたどり着くが、悪魔との取引のため地獄に落ちることもできず、明かりをともしたカブを持たされて、暗い道を永遠に歩き続けることになったというコトで、“jack o’ lantern”(ちょうちんのジャック)と呼ばれるようになったそうだ。

つまり、昔のアイルランドでは、カブや他の植物でちょうちんを作っていたが、アメリカに渡ってカブよりもちょうちん作りに適したかぼちゃと出会って今に至る・・というコトらしい。「所かわれば品かわる」いい例である。

 

日本人は昔から、仏教や儒教といった外来思想を取り入れながら、うまく自分たちののものにしてきた。今やクリスマスに加え、ハロウィンまでもその宗教的な意味もわからないまま、生活に取り入れつつある。山にも海にも、かまどや便所にまで神様がいる八百万の神々とともに暮らす日本人だからこそ可能な、フレキシブルな得意技といえよう。

 

一方、キリスト教のような唯一絶対の神様を信じる文化に住む人々は、逆に言うと自分たちの信じる神様以外は信じない・・という排他性をもつ。

それがまた、この度の戦争のような悲劇をおこしたりもする。

 

しかし、このハロウィンのように、その土地に元からあるものをうまく取り入れながら、自分たちのものにしてきたような例もあるのだ。

 

もともと、いかなる宗教が説く「愛」にも「慈悲」にも「仁」にも、等しく他者を認め合う宥和的な包容力を持ち合わせているはずなのだから・・。

宗教や思想の違いだけで争うような愚はおかさないようにしてもらいたいものだ・・。