ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は12日、「不屈の日本」と題する社説を掲載し、日本の技術力と備えをたたえ、「日本は経済が低迷し、政治家の失態に国民の大部分は当惑しているが間違ってはいけない。日本の産業力は依然として偉大だ」と述べた。
今回の地震で高いビルは持ちこたえたコトに、”地震大国”である日本が、100年以上にわたって建物の耐震化をしてきた成果である・・と、たたえている。
’93年完成の横浜ランドマークタワーの高さ971フィート(約296メートル)は、地震大国では驚異的で、「最先端の建築工学を駆使できる技術と富があって初めて可能」とし、’07年導入の緊急地震速報を「世界最先端の技術」と紹介、11日の地震発生時にも有効に機能したコトを評価した。
またニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、ニコラス・クリストフ氏が「日本へのお悔やみ、そして称賛」と題するコラムを掲載し、その中で、阪神大震災時の取材で、崩壊した商店街で略奪がほとんどなかったコトや、支援物資の奪い合いが生じなかった事例を紹介。
「我慢」という日本語を引き合いに「日本人の忍耐力や冷静さ、秩序は実に高潔だった」と、日本人の精神力の強さをたたえ、今後、それらが示されるだろうと、復興に向けてエールを送った。
おとなりの中国でも、日本人の冷静さを絶賛し、「マナー世界一」(!)の声もあがっているという。
非常事態にもかかわらず、「日本人は冷静で礼儀正しい」と絶賛する声が、インターネットの書き込みなどに相次いでいるそうだ。
「ツイッター」の中国版「微博」では、ビルの中で足止めされた通勤客が階段で、通行の妨げにならないよう両脇に座って通路を確保している写真が11日夜に投稿され、「(こうしたマナーの良さは)教育の結果。(日中の順位が逆転した)国内総生産(GDP)の規模だけで得られるものではない」とのコメントが・・。
我々、日本人の感覚からすれば、ごく当り前に感じるこの光景であるが、この”つぶやき”は、実に7万回以上(!)も転載され、「中国は50年後でも実現できない」「とても感動的」「われわれも学ぶべきだ」・・との反響の声が殺到したという。
普段は日本に厳しい論調が多いという中国の国際情報紙、環球時報も、12日付の大震災を1面で取り上げた記事の見出しで「日本人の冷静さに世界が感心」と報じ、「(東京では)数百人が広場に避難したが、男性は女性を助け、ゴミ一つ落ちていなかった」と紹介した。
他にも「日本の民衆の『落ち着き』が強い印象を与えている」(第一財経日報)、「日本人はなぜこんなに冷静なのか」(新京報)・・と、東日本大震災について、中国メディアが相次いでこうした記事を報じている。
2008年の四川大地震では、一部で大きな混乱も伝えられていたため、驚きをもって、日本の震災の報道に注目しているようだ。 
中国中央テレビのアナウンサーは、被災地に中国語の案内があるコトに驚き、「外国人にも配慮をする日本に、とても感動します」とレポート、報道を見た北京市の女性は「すごい!日本人の中には『道徳』という血が流れているのだと思う」と朝日新聞に語ったそうだ。
―こうした報道を見る時、我々、日本人が”当り前”と思っている感覚は、外国人から見れば、”当り前”のコトではなく、日本人の教育、あるいは長い歴史の中で育まれた非常に高い道徳性・精神性を示すものであるコトがわかる。
自分が、自分が・・という、自己主張の激しい民族性をもった国々では、とても信じられない光景に映るのであろう。
そーゆーイミでも、日本人は、もっと”日本人であるコト”を誇るべきだ・・と思うのである。
「誇る」といっても、天狗になって威張り散らすような浅はかなものでなく、ただ、しずかに”日本人であるコト”の矜持を胸に秘めていれば、それでいい。
そうした表立たない”謙譲の美徳”も、日本人の尊いこころなのだから・・。