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Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

Dynamite!勇気のチカラ2009

2010年01月01日 | 格闘技・武道

大晦日、奥さんの実家に行った際、となりで皆が紅白を見てるのをよそに、自分はこちらを見ていてテレビの前を動けなかった。

 

現在、2連敗中の山本KID徳郁の復帰をかけた1戦と、吉田秀彦石井慧の柔道の新旧金メダリスト対決・・と、注目のカードがならぶ。

しかし、結果は判定でKIDの3連敗、総合デビュー戦の石井は不甲斐ない戦いで、先輩の吉田に手痛い1敗を喫し、プロの洗礼を浴びた。

石井はもうちょっと期待してたんだけどなあ・・。

あれだけの体をつくってきたワリには、打撃はかなり課題ありだな・・。

 

―とはいえ、なんといっても1番の注目は魔娑斗の引退試合!!

60回目を迎える紅白に、サプライズゲストで矢沢永吉が出ていて「見たい~!」と思ったが、ちょうどその時、魔娑斗が宿敵・アンディ・サワーと引退試合を戦っている最中で、まさしく「時間よ、止まれ」状態だった。

 

2008年にMAXの王者に返り咲き、去年の4月に年内の引退を表明していた魔娑斗。

最後の引退試合を大晦日、このDynamite!の舞台で2009年の王者と戦い、最強のまま引退する・・というのが魔娑斗の構想で、過去2戦して2敗しているアンディ・サワーが王者になり、リベンジして引退・・という筋書きまで既に彼の頭の中にはあったが、王者は決勝でサワーを下したジョルジオ・ペトロシアンに。

ペトロシアンとリング上で握手を交わし、当然、魔娑斗の引退試合の相手はペトロシアンになるはずだった。(カテゴリー/格闘技:「K-1 WORLD MAX 2009 決勝戦+武田幸三引退試合」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/7cb8b6bf0dbecf5e7da579cd3baa8a07

 

筋書きとは違うが、最強の王者、相手にとって不足はない。

しかし、試合後、ペトロシアンが右拳を骨折していたコトが判明。

全治3ヶ月と診断され、大晦日の試合には間にあわないため、急遽、準優勝のサワーが対戦相手として浮上。

因縁の相手を自ら指名し、結局、当初から魔娑斗が思い描いていた通りの展開となった。 

あとはリベンジして最後の花道を飾りたい。

 

入場の時から気合いののったいい表情をしており、万全の仕上がりをうかがわせた。

しかし、プロであれば当然であるが、「空気が読めてない・・」と谷川貞治代表から言われるほど、サワーもまったく手心を加えるコトなく、これが手向けとばかりに全力で倒しに行く!

魔娑斗もサワーの強烈なローに、何度も脚をもっていかれながらも、判定勝ちなどまったく頭になく、最後までKO狙いで真っ向から打ち合いに行く!

 

まさしく、意地と意地のぶつかり合い!

戦前の予告通り、バチバチに殴りあう両者。 

 

 

4ラウンドに魔娑斗のカウンターが炸裂!

 

豪快な右がサワーの顔面をとらえ・・

 

ダウンを奪う!

そして、どうだ!と言わんばかりのこのガッツポーズ!

 

この試合のために、魔娑斗は倒すためのパワー重視のトレーニングをして来たという。

 

KO勝ちこそ逃したものの、一進一退の勝負の中、これが決め手となり、文句なし!3-0、ストレートの判定勝ちで宿敵を下し、サワーから肩車の祝福を受けて、自らの格闘技人生を締めくくった。

 

ビッグマウスとでかい態度で生意気な奴!

・・と、魔娑斗を嫌う人も結構いる。

 

確かにちょっと・・と思うような発言もあるが、そうした言動で注目を集め、自分を追い込むプロ意識と、言ったコトをやり遂げてしまうトコロは素直にスゴイし、カッコいい!

派手な見た目とは違って、単なる口先だけではない、有言実行のストイックな漢である。

 

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がある。

 

世界一になるためには、世界一の練習、陰の努力が必要であろうが、そうした努力は”運”をも 呼び込むものなのだなあ・・と感じさせられた魔娑斗の引退ロードであった。

 

リングを降りた後の人生も、幸多からんコトを・・。


長谷川穂積、V10防衛達成!

2009年12月19日 | 格闘技・武道

昨日、長谷川穂積アルバロ・ペレスWBC世界バンタム級タイトルマッチが行われた。

勝てば長谷川は具志堅用高以来、日本人では2人目の2ケタ防衛となる。

 

相手は強打のサウスポーで、長谷川とはサウスポー同士の戦い。

リ-チで5cm上回る挑戦者は射程距離が長く、試合中、何度も長谷川の頭上スレスレをパンチがかすめる場面があったが、長谷川の4ラウンドKO勝ち!

5試合連続のKO防衛は具志堅以来、実に30年ぶりのコトだという。

 

フィニッシュは左→

 

右→

 

左ストレートと得意の高速回転の連打が炸裂!

実質、左の2発で決めた。

 

相手も打たれながらも打ち返してくるタフネスを見せつけ、最後まで試合は分からなかった。

2ラウンド目には足を踏まれてバランスを崩し、一瞬ヒヤッとさせる場面もあったが、結果的にはあごを打ち抜かれ、うつ伏せにダウンした挑戦者を見て、レフェリーはカウントを止めた。

実際、長谷川が3ウンド目以降を戦ったのは実に4試合、1年半ぶりで、久々に強敵との好試合となった。

 

それでも無傷のKO勝利に2人の子どもをリングにあげ、抱きかかえるお決まりのシーン。

 

具志堅がもつ日本人タイトル防衛記録まで、あと3試合。

記録も見たい気もするが、現在29歳の長谷川が、どこまで11kg、4階級も体重を落としてベスト・コンディションで試合に臨み続けるコトが出来るのか?

 

恐妻家で知られる長谷川だが、今回の試合は、奥さんも一緒に6kg減量して臨んだという。

12月16日の誕生日には、「お父さん頑張って」という手紙を子どもたちからもらい、病気を克服する勇気になればと、ガンを患う母に捧げた勝利。

 

家族の愛が、偉大なチャンピオンを支えているのを感じさせられた試合であった。

 


K-1GP 2009 決勝ラウンド

2009年12月07日 | 格闘技・武道

今年で17回目を数えるK-1グランプリ決勝ラウンドがやってきた。

武蔵が引退し、16年間K-1の決勝ラウンドに進出し続けてきた”ミスターK-1”こと、ピーター・アーツも今年はリザーブ・マッチでの参加という、新旧の世代交代激しい中、今年は準々決勝4試合中、実に3試合が1ラウンドKO決着という「これぞK-1!」とゆー試合が続出した。

しかし、その割りにいまひとつ盛り上がりに欠けるとゆーか、一抹の寂しさを感じたのは自分だけだろうか・・? 

 

優勝はバダ・ハリを下したセーム・シュルト

K-1史上初の3連覇を成し遂げたシュルトが”ミスター・パーフェクト”アーネスト・ホーストにならぶ4タイムス・チャンピオンに輝いた。

KO続出でも地味な印象が否めない、今のK-1を象徴するかのような地味なチャンピオンだ。

 

そんな中、若い勢いを感じさせるのはシュルトと決勝を戦った”ゴールデン・ボーイ”、バダ・ハリ!

準々決勝では”ロシアの速射砲”ルスラン・カラエフにまったく引けをとらない速い回転の連打でバチバチに殴り合い、2度のダウンを奪い、準決勝にコマを進めた。

 

準決勝の相手は、同じく準々決勝で極真世界王者エヴェルトン・テイシェイラをたった2発の膝蹴りで秒殺したMMAからの刺客、”ダッチ・サイクロン”アリスター・オーフレイム

 

去年、大晦日のDynamaite!でバダ・ハリはオーフレイムから手痛いKO負けを喫している。

総合格闘技の選手とはいえ、ピーター・アーツを終始圧倒してこの決勝ラウンドに勝ち上がってきたストライカーとしての実力とパワーは、まさしく”最強の外敵”と呼ぶにふさわしい。

バダ・ハリにとってもリベンジを果たしたい因縁の相手だ。

 

総合格闘技が好きな自分にとっても力の入る1戦、今大会最注目のカードとなった。

 

結果は1回戦と変わらずパンチを振り回し、オーフレイムから2度のダウンを奪ったバダ・ハリの1ラウンドKO勝ち!

バダ・ハリは去年より10kg増量したというそのパワーを見せつけた。

個人的には今大会のベストバウト!

 

セーム・シュルトは”無冠の帝王”ジェロム・レ・バンナを1ラウンドKOで下し、エロール・ジマーマンを判定で下したレミー・ボンヤスキーと戦った準決勝も1ラウンドKOで決勝に勝ち上がった。

 

決勝戦はもうちょっといい試合になるかと思ったけど、地味~にシュルトがKO勝ち。

それでも決勝ラウンドでの3試合連続1ラウンドKO勝ちは、1998年に優勝した”20世紀最強の暴君”と呼ばれた全盛期の頃のピーター・アーツ以来という。

 

バダ・ハリの強さには、チャンピオンになれる勢いを感じたけど、あんだけあっさりシュルトに負けたトコを見ると、ホントに策もなく、ただパワーアップしたパンチをぶん回してただけなんだろーか・・?

シュルトには1回勝ってるのに・・。

 

まあ、その辺の危うさも含めてバダ・ハリっぽいといやあ、そーだけど・・。

 

あれで引退だとしたら、バンナも浮かばれないなあ・・。 

 

 

 

 

 


因縁の対決・内藤大助VS亀田興毅

2009年11月30日 | 格闘技・武道

昨日、WBC世界フライ級タイトルマッチが行われた。

”国民的ヒーロー”、チャンピオンの内藤大助と”国民的ヒール(?)”、亀田3兄弟の長男、亀田興毅との因縁の日本人頂上対決だ。 

 

そもそも無名のボクサーだった内藤は、派手なパフォーマンスとビッグマウスで既にマスコミの注目を集めていた亀田家の次男、大毅との2年前の試合に勝利するコトで、テレビでも見ない日がないほど、お茶の間の顔ともいえる国民的な人気者になった。

一方、亀田家は内藤戦での反則行為で大バッシングを浴び、大毅は1年間のボクサーライセンス停止、セコンドについていた父・史郎は無期限のセコンドライセンス停止に加え、トレーナーライセンスの剥奪、兄の興毅も厳重戒告の処分を受けた。 

 

まさに両者の人生が交錯し、明暗を分けた試合で、今回の興毅との試合は、まさしく”因縁の対決”と呼ぶにふさわしい一戦となった。

 

どんなスポーツでも、思い入れのある選手やチームの試合ほど面白い。

思い入れがある、すなわち、関心、興味がある・・というイミでは、この試合は間違いなく国民的な注目を集めたカードだろう。

 

2人の意地がぶつかり合い、見事に噛み合った試合で、12ラウンドが非常に短く感じた。

 

フルに打ち合い、それでも疲れを見せない両者のタフネスとスタミナはさすが!

 

常にプレッシャーをかけ、アグレッシブに攻める内藤に対し、ガードを高く上げ、的確にカウンターでショートのパンチを合わせ、セオリー通りのアウトボクシングで終始”距離”を支配した亀田が3-0の判定でチャンピオンを下し、見事2階級制覇を成し遂げた。

 

亀田の「強さ」というより、「うまさ」が光った試合だった。 

KO必至のパンチが飛び交う中、対内藤用の作戦をクールに、確実に遂行し続けた亀田の、若いチャレンジャーとは思えない老獪さと実力を垣間見た思いがした。

メンタルの強さもハンパじゃない!

 

むしろ、亀田よりも明らかに気負って見えた内藤は、ノーモーションの亀田のパンチで2ラウンドから鼻血を出し、最後には確実に折れてるのでは?・・と思われるほど、鼻を腫らして変形させていた。 

「負けたら引退する」と、試合前から妻に告げていたという内藤は35歳、6度目の防衛に失敗し、これが最後の試合になるのか?

 

”因縁の対決”といわれ、国民的な注目を集めた試合だけに、リングに上がるまで、どちらもさまざまと言われてきたコトは想像に難くない。

 

しかし、そうした周囲の思惑とは別に、リング上ではボクサーとして、いい試合を見せてくれた2人に拍手を送りたい。

 

 

 

 

 


武道論

2009年11月28日 | 格闘技・武道

昔、「格闘技通信」とゆー雑誌に「武道論」みたいな対談があった。

当時、アメリカでUltimate Fighting Championship(以下UFCという金網の中で”何でもあり”の戦いをする格闘技イベントがはじまり、日本の格闘技界にかなりの衝撃を与えた頃で、UFCの第1回大会が開催されたのが1993年だから、今からもう16年前になる。

 

今でこそ総合格闘技の技術も進歩したため、レベルの高い攻防が多くなったが、初期のUFCは総合の技術体系や戦い方のセオリーがほとんど知られていなかったため、試合はさながら街のケンカ屋の殴り合いに近く、倒れている相手に攻撃を加えるなど、かなり凄惨な試合が続出し、その映像自体、相当なインパクトがあった。

その中でもパンクラス王者にもなったウェイン・シャムロック(ケン・シャムロック)や極真空手出身のジェラルド・ゴルドーのような名の通った選手も出場したが、そうした強豪をおさえ、優勝したのはグレイシー一族ホイス・グレイシーであった。

この大会でグレイシー柔術は名を上げ、一躍、格闘技界の中心となり、注目を集めた。

 

グレイシー柔術は”黒船”と恐れられ、事実、UFCの第2回大会には大道塾の重量級3連覇の市原海樹という日本格闘技界の実力者が参戦するも、1回戦でホイスに何も出来ずに敗れている。

一族最強のヒクソン・グレイシーは”400戦無敗”ともいわれ、日本で行われた試合でも高田延彦船木誠勝といった当時のトップファイターたちが挑むも、まったく土付かずのままである。

 

K-1がはじまったのも、実はこの1993年。 

1990年に崩壊した第2次UWFの流れをくむパンクラスが旗揚げしたのもこの年である。

アントニオ猪木がストロング・スタイルを追求して旗揚げした新日本プロレスは、異種格闘技戦で団体のカラーを打ち出したが、そこから独立したUWFは、より格闘技色の強いもので、パンクラスに至り、”Uの遺伝子”はプロレスとは決別し、総合格闘技への道を歩みはじめていた。

 

このように93年頃、日本の格闘技界はボーダーレス時代に突入し、さらにUFCやグレイシー柔術といった外国からの脅威に震撼していた時で、そうした中で、日本の格闘技界は生き残れるのか?

今、待たれるものこそ、日本人の魂ともいえる「武士道」―あるいは「武道」ではないか?・・というよーな論調だったと思う。

 

何せ16年も前の話で、しかも、さらっとしか読んでないので、それほどハッキリ内容は覚えていない。

だいたい「武士道」と「武道」って、そもそも違うんじゃない?・・とかゆー細かいツッコミもまず置く。

 

要は武道や格闘技をやる理由とは何か?

 

・・そんなテーマであり、そこで武道に求められるものとして、「用」「道」「美」というキーワードがあった。

 

街のケンカみたいなル-ル無用のUFCの試合を見て、野蛮だの、暴力的だのと非難するコトは簡単である。

しかし、そうした不意の暴力に対抗する護身術という目的がまず果たされなければ、武道としてイミをなさない。

武道やってます、でもケンカには勝てません・・ではやるイミがない。

闘って勝てる、強くなる、すなわち、使える技術であるか?

―これが「用」である。

 

しかし、いくら強くても、倒れてる相手に攻撃を加えるというのはどうか?

ただ相手を制する技術を覚えるだけではなく、心身を練磨し、自己を修め、人格を磨く。

常に謙遜に精進を重ねていく姿勢、求道精神を涵養する「道」

 

「美」は、見て美しいものであるか?

今では総合の戦いにおける1つのセオリーとして認知されているが、馬乗りになって完膚なきまでに相手をボコボコにするマウントポジションからのパウンドのような技術は、単なる”弱い者いじめ”に見え、当時の日本人にとってはちょっと受け入れがたいものであったコトは間違いない。

まあ、親がそんなもん子どもに習わせたいかというと、絶対に「NO!」であろう。

戦いにおける美意識のようなもの・・とすると「道」に通じる世界になるので、より”技”という観点に重きをおいた技術体系の完成度・・とゆーコトではなかったかと思う。

つまり、当時は”馬乗りになって相手を殴る”・・なんてものは”技”ではない、技術として美しくない・・とゆー論調だったのだ。

 

相手を制する技術を教える武道家や格闘家たちがそれを言うのだから、おかしな話ではあるが、当時のUFCにはそれほどインパクトがあり、日本の武道界、格闘技界が我々がやってるコトは全く通用しないのではないか?・・とゆー危機感を感じるほどの大会であったとゆーコトだ。

 

なんにせよ、この「用」「道」「美」がなければ、「武道」とは呼べない。

まして「武の道」なのであるから

 

「道」なくして武道なし!

 

―これは絶対に譲れないものだと思うのである。

いくら強くても、相手に対するリスペクトがない選手が勝った試合後の態度などは、ちょっと目に余るモノがあるなあ・・なんて思う時も、よくあるんよねぇ・・。

 

 

 


K-1 WORLD MAX 2009 決勝戦+武田幸三引退試合

2009年10月27日 | 格闘技・武道

昨日、K-1 WORLD MAX 2009 決勝戦がやっていた。

まず準決勝は、前回ベスト4に残った山本優弥ジョルジオ・ペトロシアンブアカーオ・ポー・プラムックアンディ・サワーという組み合わせ。

山本優弥は広島出身、ベスト4に残った唯一の日本人で、ベスト8に残ったメンバー中最弱との下馬評を覆し、ドラゴを判定で下して準決勝進出。

一方、対戦相手のペトロシアンは去年の世界王者、魔裟斗をして「やりたくない」と言わしめる強豪。

 

ペトロシアンは山本をものともせず、1ラウンドKO勝利!

無傷で決勝戦にコマを進める。

 

どちらも2度王者についているブアカーオとサワーの戦いはまったくの潰し合い。

延長まで戦い、判定で勝利をおさめたサワーがペトロシアンと決勝を戦うコトに。

 

しかし、今までペトロシアンと2戦して2敗しているサワーはまったくいいトコロがなく、サウスポーのペトロシアンとの距離感がつかめないまま、本戦の3ラウンドで判定負け。

ブアカーオとの激戦でカットした目の下の出血も止まらず、2度、3度とドクターチェックを受けたコトも、あせりに拍車をかけたようだ。

今年の世界王者は、やはり、ダークホースのペトロシアン! 

 

結局、最も「やりたくない」男と大晦日、最後の試合を戦うコトになった魔裟斗。

サワーが王者になり、引退試合でリベンジを果たすという目論見も崩れた

1Dayトーナメントでダメージがあったとはいえ、自分が2度負けているサワーに3勝した相手に、どんな戦いを見せてくれるのか?

引退試合は、まさしく最強を決めるにふさわしいカードになった。

 

引退試合といえば、今回の試合で引退するコトを決めた武田幸三

対戦相手は「より強い相手を」と、武田がわがままを通して決めたというK-1 WORLD MAX 初代王者、アルバート・クラウス

 

現在36歳という武田の体は既にボロボロで、「遺書」を書いてこの試合に臨んだという。

かつて”超合筋”と呼ばれた強靭な肉体とは思えないほど、簡単にダウンを重ねていく。

 

 

しかし、その度に立ち上がる!

 

立ち上がる!!

 

何度でも立ち上がる!!!

 

相手の足を折るというローキックも鳴りをひそめ、むしろパンチが得意なクラウスのローに足を刈られ、倒されてしまう。

 

途中、自ら額をおさえ、リング上に崩れるシーンもあった。

白目をむいて、あきらかに「やばい」と思わせるような状態だ。

 

 

最後はドクターチェックが入り、ドクターストップによるTKO負け。

目も見えていないような状態だったという。

まさしく死闘!!

本当に「死」を感じさせるような壮絶な試合であった。

 

勝ったクラウスは武田の体を抱きあげ、リングをまわる。

セコンド陣に腕を掲げられるほど、満身創痍の状態。

 

その胸に去来する思いは何だったのか・・?

 

―試合時間、2ラウンド2分19秒。

6分足らずの時間でダウンを含め、実に7回も倒れ、その度に立ち上がってきた。

まさしく、七死復活!!

 

れ以上、一滴たりとも戦う気力もないような、本当に、そんな”絞り尽くした”という表現がふさわしい最後の姿をリング上で見せ、15年間の格闘技人生をしめくくった。

 

「長い間、本当に応援ありがとうございました。生きて、家族のもとに帰るコトが出来ます。ありがとうございました」

・・と声を詰まらせながら、涙ながらに語った。

 

格闘技に限らず、「戦い」というのは人生においても常にある。

仕事や職場、時に家庭や夫婦間もあるイミ、戦いの連続であろう。

しかし、決死の覚悟で、本当に「今日、死ぬかもしれない。今日が最後の1日だ」という緊張感の中で、四六時中戦っている自分だろうか?

 

格闘技は「戦い」における気概というものを、象徴的に、凝縮したかたちで、リング上の限られた時空の中で見せてくれる。 

何度倒されても、その度に立ち上がる武田の姿は胸を熱くさせた。

 

最後、花道を引き揚げる時、武田の引退試合のために新たに入場曲を吹き込んでくれた長渕剛と抱き合っていた。

 

武田が最後の試合の入場曲に選んだのは、長渕の「STAY DREAM」であった。


DREAM11

2009年10月07日 | 格闘技・武道

もう11回もやってるんか~・・と、妙に感慨深い思いにさせられる格闘技イベント、DREAM

消滅したPRIDEに比べると、11回と回数を重ねながら、やや華がないというか、地味な印象は否めない。

PRIDEのようなヒョードルヴァンダレイ・シウバといったインパクトのある絶対的な王者がいないコトや、連戦連勝していた初期の桜庭和志五味隆典のような日本人のスター選手がいないコトがその理由かと思われる。

 

だが、逆に勝ったり負けたりをくり返すとゆーのは、それだけ実力が伯仲しているからともいえるし、総合格闘技の技術自体が進化しているというのもその理由であろう。

青木真也川尻達也など、実に通好みのシブい選手が多く在籍し、派手さはなくても、なかなかいい試合をしている。

今回、ライト級GPで、ノルウェーの強豪、ヨアキム・ハンセンを、またもや複雑怪奇な入り方からの腕ひしぎで一本勝ちをおさめた”跳び関十段”、”バカサバイバー”青木と、これまた危なげないパウンドでKO勝ちした”クラッシャー”川尻の日本人頂上対決は今から楽しみである。

 

さて、今回の注目選手は”伝説の喧嘩師”高谷裕之!

 

―まあ、はやい話が元ヤンキーだ・・。

 

前田日明THE OUTOSIDERという格闘技イベントを立ち上げていて、要はヤンキーや暴走族といった不良同士のケンカが原点という大会(普通のサラリーマンが出ていたりもする)であるが、男性は「勝負脳」といって、会話でも勝ち負けを前提に話したりするという。

経済力や知力といった自分の能力、もっとも根本的には腕力、要するにケンカが強いかどうか・・という観点で、「自分はこいつより上か?下か?」・・という値踏みをし、常に格付けをしているのが男という生き物の性らしい。

 

格闘技の原点も、「1対1のケンカをしたら、どっちが強いか?」・・という子どものケンカ、意地の張り合いと変わらない・・と思うと、ちょっと微笑ましく思えてこないだろーか・・?

 

そーゆーコトなら、”伝説の喧嘩師”と言われた男が弱いワケがない。

なんといっても面構えがコワイ! 

 

 

まさしく抜き身の刃物のよーな鋭さ、戦う男の顔だ。

こんなにーちゃんに街中でからまれたら、誰でもビビるってもんだ・・。

 

フェザー級GPの王座は惜しくも判定で逃したが、最後勝ってただろ?・・てくらい、王者になったビビアーノ・フェルナンデスをボコボコに殴りまくっていた。

 

準決勝でも所英男とバチバチに殴り合い、意識を失ってしまうも、そのまま打撃で仕留めず、得意の寝技に持ち込んだ所の詰めの甘さのおかげで意識を取り戻し、結局、殴り勝ってしまうのだから、恐れ入る。

 

 

ファイト・スタイルは言うまでもなく、ガンガン前に出て、とにかく殴り合うという、まさしくケンカ・ファイト!

総合格闘家でありながらスタンドにこだわり、絶対に拳で倒す!とゆー気迫に満ちている。

しかし、寝技に持ち込ませない足腰の強さは見上げたもの。

単なるケンカ屋ではない。

 

同じ日に亀田大毅VSデンカオセーン・カオウィチットWBA世界フライ級タイトルマッチがあったが、結局12ラウンド、フルに打ち合うも判定負け。

ビッグマウスのリスクとゆーか、いい試合をしても結果が出せなかった時は、「でかい口たたいたくせに・・」と、著しく試合の評価は下がってしまう。

だが、それで逆に結果が出せれば魔裟斗や、古くはモハメッド・アリのように、一躍ヒーロー、大スターだ。

 

プロである以上、試合を盛り上げるために、多少のリップサービスは必要であろう。

しかし、ビッグマウスで自分を追い込んだ以上、それに打ち勝つメンタルの強さが求められる。

 

亀田大毅はテクニックやパワー、スタミナ、スピ-ドといったフィジカル面は、決して王者に引けをとっていなかったと思う。

もちろん、王者の老獪さ、うまさもあったが、しかし、勝利への執念、「絶対に勝つ!」という気持ち、メンタル面で王者を上回れなかった。

 

ボクシングも格闘技も所詮、その原点はケンカ。

 

実力が拮抗した時、勝敗を左右するのは「絶対に勝つ!」とゆー強い気持ち、すなわち、「気合い」「根性」以外の何ものでもないと思うのである。 

 

 


K-1 WORLD GP 2009 開幕戦

2009年09月27日 | 格闘技・武道

昨日、K-1GPの開幕戦がやっていた。

年末の決勝ラウンドにコマをすすめるベスト8を選ぶ全8試合中、実に7試合が判定決着・・という、かなりしょっぱい内容であった。

今日、秋場所千秋楽白鵬を下した朝青龍の優勝決定戦の方が、よっぽど盛り上がったのでは・・?

 

その中では、やはり、1ラウンドにボディ1発で、強豪ひしめく欧州トーナメントを制したザビット・サメドフを沈めたバダ・ハリの強さが光っていた。

 

前回、トーナメントを制しK-1ヘビー級王者に輝いた前田慶次郎あらため京太郎も、善戦するも”ロシアの速射砲”、ルスラン・カラエフに判定負け。

毎年、K-1を盛り上げてきた常連の”ミスター・K-1”、ピーター・アーツも、今年、17年連続決勝ラウンド進出をかけて戦うも、総合格闘技出身の”ダッチ・サイクロン”、アリスター・オーフレイム序盤でダウンを喫し、判定負け。

1つの時代がおわったコトを感じさせられた。

 

 

おわりといえば、武蔵が引退をかけて今回の開幕戦に参戦。

”無冠の帝王”ジェロム・レ・バンナと真っ向から打ち合うも、最後、3ラウンドにダウンを奪われ、判定負け。

1人、日本代表として14年間、世界を相手にヘビー級の舞台で戦ってきた男は、静かにリングを去った。

 

花道を引き揚げる途中、はじめて海外に応援に来てくれた両親の前で、地に伏して敬拝をささげた。

 

母親が涙ぐみながら、我が子に応えていた姿が印象深かった。

 

今年、同じく引退を表明している魔裟斗は、K-1MAXの王者にもなり、”華”を感じさせるスター選手。

今風にいえば”オーラ”といおうか・・?

間違いなく、それがある選手だ。

 

それに比べると、武蔵はK-1での戦績は準優勝が最高。

カウンター狙いの戦法も”武蔵流”と揶揄され、負ける度にマスコミから「限界」、「引退」と叩かれるコトもしばしば。

消極的な戦い方とあいまって、地味な印象を与える選手かもしれない。

 

しかし、派手な実績や、”華”や”オーラ”がない選手であったとしても、戦ってきた内容はウソをつかない。

 

武蔵がリングを去る時に感じた胸に迫る思いは、今までの彼の歩んできた道に対する純粋な賞賛から来るものだったのだろう。

 

今は、ただ「お疲れ様」・・と言いたい。

 

しかし、武蔵もバンナも、ともに36歳。

ピーター・アーツは自分と同い年の38歳。 

 

K-1草創期から戦ってきた重鎮たちが、ファイナルの舞台からいなくなるのは、何ともいえず、さびしいものだ・・。

 

 

 

 


長谷川穂積、V9防衛達成!

2009年07月15日 | 格闘技・武道

昨日、長谷川穂積VSネストール・ロチャWBC世界バンタム級タイトルマッチが行われ、長谷川は1R2分28秒という秒殺のTKO勝利で見事防衛を果たした。

 

試合を決めたのは、この左ストレートからの・・

 

スローで見ても速いスピードの強烈な右フック!!

ロチャ自身、左をヒットされ、次の右は感じることができなかった・・と語っていたという。

 

これで最初のダウンを奪うと、立ち上がってきたチャレンジャーに猛然とラッシュし、再びダウンを奪う。

ロチャも再度立ち上がるも、完全に足に来ており、レフェリーが試合を止めた。

 

試合後も息も切らさず、涼しげな顔でTシャツを着て子どもを抱く姿は、なんだか「親子でリングに記念撮影しにきました~」・・という感じで、ホントに何事もなかったかのようだ・・。

あまりにも圧倒的に強すぎて、「対戦相手、ホントに世界ランカー?弱すぎるんじゃないの・・?」・・と思ってしまうほど・・。

 


9連続防衛は、日本の世界王者として勇利アルバチャコフと並ぶ歴代2位のタイ記録となる。

また4連続KO防衛は、具志堅用高の「6」以来、日本人2人目の記録で、実に30年ぶりだという。

 

ちなみに長谷川は、ここ最近の4試合で2R、2R、1R、1Rと、計6Rしか戦っていない・・。

同じく具志堅がもつ13連続防衛の日本記録も、長谷川なら塗り替えてくれる・・と思わせてくれる驚異的な強さだ。

 

しかし、減量がキツく、階級をあげて戦いたいとの気持ちもあるようだが、ここまで来たら2ケタ防衛したい!・・という欲も見せており、いずれにせよ、今後もまだまだ期待大だ。

 

ちなみに同じ日に行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチ粟生隆寛エリオ・ロハスに判定で破れ、初防衛に失敗。

3月に奪取した悲願の王座も、わずか4ヶ月の短期政権となった。(カテゴリー/格闘技:「粟生隆寛、WBC世界フェザー級新王者に!」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/09e99ad1ef18b446167bbbde245e9ba1

 

再起に期待したい!

 

 


 


K-1 WORLD MAX 2009 準々決勝+魔裟斗VS川尻達也

2009年07月14日 | 格闘技・武道

昨日、K-1 WORLD MAXの準々決勝がやっていた。

開幕戦で勝ち残ったベスト8のメンバーから準決勝に残る4名が決定された。

(カテゴリー/格闘技:「K-1 WORLD MAX 2009 開幕戦」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/0ccbc21a536e439e2948c4ee11dc9f05 ) 

 

1人目は唯一の日本人、山本優弥

 

日本代表決定トーナメントを制した小比類巻がケガのため、繰上げでトーナメントに参加した山本はベスト8に残ったメンバー中、自他共に最弱と認めるファイターだが、佐藤嘉洋を下した強豪ドラゴに判定で勝利をもぎとった。

ドラゴも本調子ではなかったのか、手数と気合いで山本が勝った。

山本はフルコン空手出身だけに、顔面なしの近い間合いで戦い、ガードも甘い。

 

空手はその試合形式で、フルコンタクト(直接打撃)寸止めかに大きく2分される。フルコンタクトは極真が有名で、スピードと攻撃の正確さが求められる寸止めは伝統空手となる。

フルコンタクトといっても基本的に顔面パンチはないので、キックに比べて頭をつけるくらい、かなり近い間合いで足を止めて打ち合うのがその特徴だが、山本もそのクセがあり、課題はボクシング技術の強化であろう。

しかし、「運も実力のうち」

ラッキーをモノにする強運があるのか、間違いなく今の山本には追い風が吹いている。

運を呼び込むガッツで次もやってくれるか、広島出身の若武者に期待したい。

 

そして、”事実上の決勝戦”といわれたアルトゥール・キシェンコとの戦いを延長の末、判定で下したアンディ・サワー

ジョルジオ・ペトロシアンは初代MAX王者、アルバート・クラウスを判定で下し、ブアカーオも順当に勝ち上がり、ベスト4が出揃った。

 

山本”KID”徳郁はヒザ靭帯手術後の前回の復帰戦を判定負けとスッキリ飾れず、今回、完全復帰をアピールしたいトコロであったが、韓国ムエタイ王者、チョン・ジェヒと豪快に打ち合い、1RKO負け!

 

右アッパーで顔を突きあげたトコロに・・

 

返しの左フックが見事に顔面をとらえる、完璧なコンビネーション!

 

逆に勝っても負けてもKOという方がKIDらしいか・・。

 

しかし、なんといっても今大会注目のカードはメインの魔裟斗VS川尻達也

現王者の魔裟斗はトーナメントには参加せず、年末に今年の王者とやって引退・・との発表をしており、今回は総合格闘技のDREAM代表、”クラッシャー”の異名をもつ川尻と引退ロード第2弾を戦った。

 

MMA(Mixed Martial Arts ミクスド・マーシャル・アーツ)出身の川尻だが、打撃の破壊力には定評があり、昨年末、日本人ではわずか4人というムエタイ王者にもなった”超合筋”武田幸三にK-1ルールで打撃で完勝!引退を表明している魔裟斗に対戦要求をしてきた。

 

試合前の舌戦もなかなかスゴかったが、試合はそれ以上!

 

両者、一歩も引かず、真っ向勝負で打ち合った。

魔裟斗は1R終了間際でダウンを奪い、2Rにはタオル投入によるTKO勝ち!

レフェリーが割って入ると同時に川尻は力尽き、リングに崩れ落ちた。

 

結果だけを見れば魔裟斗の圧勝であったが、K-1王者に相手の土俵で、あそこまで果敢に勝負した川尻に拍手を送りたい。

これがMMAルールだったら、明らかに結果は逆であったろう・・。

 

久々に熱い、いい試合を見させてもらった~・・て感じ。

 

間違いなく、今大会のベストバウトだね!