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いっぽう、みかんとともに半島の木々も日増しに色づいてきているようだ。山一面が、赤や黄色に染まるというほどではないが、そこかしこに色づいた木々が目立ってきた。紅葉のピークはまだ先なのだろうか。
一昨日25日は、我が地区で「亥の子」行事があった。本来なら、13日の亥の日に行うのだろうが、今年は25日の亥の日が日曜にあたるので、この日にしたのだと、世話人の一人である友人が話していた。この亥の子行事、旧三崎町内では、もうここ名取地区にしか残っていないとのことである。
「亥の子」は、子供達が秋の収穫に感謝して、五穀豊穣や家内安全などを祈る行事で、旧暦10月の亥の日に行われる。子供達が一軒一軒を巡って、家の前で歌を唄いながら漬物石のような石に繋いだ縄を引っ張りながら上下させて地面を搗(つ)く、というのが一般的なようだ。そして、子供たちに家の人が祝儀を振舞う。ただ県内には、稲藁を4~5センチに束ねてきつく縛り、棒状のもので地面を叩く、という地域もあるようだ。
私が子供の頃には、亥の子の日の夕方から夜にかけて、子供達が気の合った仲間数人で、各家を回って亥の子歌を唄いながら地面を搗き、小遣いをもらっていた。だから、気前の良いお金持ちの家に、先を競って行っていたのではないだろうか。当時は、ほとんどの家は、地面むき出しの内玄関(土間)があったので、そこで亥の子をやることもあったと思う。なお、我が地区では縄に縛るのは石ではなく、木槌だった。
その頃私は、まだ小学校低学年で、高学年になったらやろうと思っていたのか、あるいは他人の家に亥の子に行く度胸がなかったのか、はっきりした記憶はないが、高学年になる頃にはこの亥の子行事が廃れたように思う。だから、私は亥の子をやったことがない。しかし、祝儀(小遣い)が貰えるということが羨ましくて、小さな旅館をやっていた近くの祖母の家に行って、弟か従兄弟と亥の子もどきをやって、祖母から小遣いをもらったことがある。畳の上でやるので、木槌の代わりに枕を縛ってやった。そのうち、糸がほつれて中の籾殻が出てくるというようなはめになった。
我が地区で亥の子が廃れた理由はわからないが、『ウィキペディア』によると、「昭和40年代に、この時期になると準備や亥の子歌の練習に夢中になり、宿題や勉強がおろそかになることなどから、学校が亥の子行事を禁止し廃れてしまった地域もある。」とある。もしこれが本当なら、残念なことだ。学校が、地区の伝統行事を勝手に廃れさせていいものだろうか。
その亥の子が近年、世話をする方たちのおかげで復活したようだ。
さて、今回の亥の子だが、午後4時半から始めますと、有線放送でお知らせがあったので、我が家には何時頃来るのだろうかと待ちわびていると、6時前にやってきてくれた。
我が地区の「亥の子歌」
どんと恵比寿 祝いましょう おお大黒のお庭には
一で 俵ふりまいて 二で にっこり笑うて
三で 酒つくって 四つ 世の中よいように
五つ いつもの如くなり 六つ 無病息災に
七つ 何事ないように 八つ 屋敷をひきそろえ
九つ 小倉を建て並べ 十で とうとう納めた
インノコエー インノコエー
ここ名取地区では、「亥の子」のことを訛って「インノコ」というので、「インノコエー」となる。他に、最後に ♪ヤンサラエー ヤンサラエー ♪ というのもあり、全部で4~5曲唄った。
と、ところが、何だか変なのだ。 亥の子歌をきちんと唄ってはいるのだが、歌のテンポがとても速く、まるで「せっせっせ」のようで、力強さもなかった。そして、子供たちの縄を引く動作も元気がなく、ただ突っ立って上下に動かしているだけだった。
なぜもっと広がってぴんと縄を張らないのか?うちの庭が狭いからか?
なぜもっとゆったりとしたテンポで唄わないのか?腹が減ってあせっているのか?
なぜもっと元気よくやらないのか?楽しくないからか?
世話をしている人達や子供達には申し訳ないが、そんなわけで、何十年ぶりかで見る亥の子に私は大いに落胆してしまった。せっかく伝統的な行事を復活させ、継承していくのだったら、改善して欲しい、正調に戻して欲しい、と痛感した次第だ。
我が地区には現在病院がなく、「名取出張診療所」と書かれた看板があるところで、週に一度出張診療が行われている。他の地区からお医者さんと看護師さんが来られて、診察したり、薬を出したりしている。今日水曜日午後がその診療日なので、お昼頃からにぎやかな声が聞こえていた。「診療所」は我が家から直線距離で100mくらいしか離れていないので、数人でわいわい話していると、その声が聞こえてくる。急病や突然のケガでない場合の「足が痛い、腰が痛い、手がしびれる」というような高齢者にとっては、週に一度とはいえありがたいことだと思う。以前は、この出張診療所も大賑わいだったようで、日が落ちてもまだ診察が続いているというような時期もあったらしい。しかし、一度閉鎖された時期があったそうで、その頃に他の病院にかかり始めたお客さん(?)がいたり、高齢者の人数が減ったりで、今は随分お客さんが減ったそうだ。
ところで、現在「出張診療所」になっているところは、実は私が子供の頃は(少なくとも中学生頃までは)病院だったところだ。そして、その病院には1,000人の集落住民からの信頼篤い女医さんがおられた。この女医さんはとても優しい、温厚な方で、私も何度かお世話になった。だから、お医者さんのいない近隣の集落からも、歩いて診察を受けに来る人が少なくなかった。その当時は、夜中に急に子供が熱を出したような場合でも、この女医さんの所に行けば、快く診てくれていたようだ。歩いて行ける距離に病院があるということは、とても心強く、当時の住民はそう実感していたに違いないだろう。あるいは、その当時は当たり前のことと思い、女医さんがいなくなってから、そのありがたみを身に沁みたかも知れない。
昨今、地域格差が広がっているようだけれど、病院の有無もその最たるものだろう。
昨日・今日と、ここ半島は冬の寒さになってきた。ところが、東京は暖かかったようで、そんな中行われた東京国際女子マラソンで、野口みずき選手が2:21:37の大会新記録でぶっちぎりで優勝した。怪我で2年2ヶ月のブランクがあったので心配していたが、そんな不安は関係なかった。前日の記者会見で、これは期待できそうだと思っていたが、予想以上の強さだった。野口選手は本当に強い!アテネの時より安定感が増したように感じた。
36キロ過ぎに、並走していたケニアのコスゲイ選手を引き離し、最後の上り坂をものともせず、快調なペースを持続したまま力強い走りでどんどん引き離す。 ところで、マラソンのテレビ中継では、終盤の勝負どころで、CMに切り替わるケースが多いように感じる。そしてCMが終わり、中継が再開された時には、もう既に大きく離れ勝負がつきかけている、といったようなケースだ。その度に、「また、大事なシーンを映さなかった」と腹立たしく思い、興ざめるのは私だけだろうか。 昨日の中継でも、この36キロ過ぎの競った場面でCMになった。しかし、昨日はスポンサーの好意なのか、テレビ画面の上半分はマラソンの中継を流したままのCMだった。そうそう、なぜ今までこういう気の利かせ方をしてこなかったのだろうか。ニャロメ!
それはさておき、野口選手は、競技場に入って最後のコーナーを回る時笑顔になった。勝ちを確信した瞬間なのだろう。そして、ゴール直前にサングラスを外して、笑顔でゴールテープを切った。 いい表情でしたねえ。おめでとうございます。 テレビで解説の増田明美さんが言っていたが、野口選手はあの「爆発だ!」の岡本太郎さんが好きなのだそうだ。なんだか、通じるところがあるような気がする。
それにしても、野口選手のマラソンの戦績はすごい。6戦5勝で、優勝できなかった2003年の世界選手権でも2位なのだ。これでおそらく北京五輪出場確定だろう。土佐選手とともに期待しております。残り1枠。アテネ五輪7位の坂本選手だろうか、世界選手権代表だった原選手だろうか? えっ?高橋選手? どうだろう。
昨日午後、インフルエンザワクチンの予防接種を受けるため、両親を町の病院に連れて行った。今年は、インフルエンザの流行が例年より1ヶ月早いとかで、少しあせっていたのだが、何とかそう遅くならずに接種することができ、一安心である。ところで、この予防接種はどのくらい効果があるのだろうか?インフルエンザ治療薬のタミフルは、副作用で異常行動を起こすことで有名になったけれど、この薬は予防薬としても使われているようだし。以前新聞で、インフルエンザの予防接種を受けた場合と受けなかった場合の発症率にほとんど差がみられない、というような記事を読んだことがあるように思うのだが・・・。
それはさておき、病院からの帰りに、タマネギ苗を手に入れるべく、ホームセンターへ寄った。ところが、店頭にはタマネギ苗が全くなくなっていたので、落胆しながら店員さんに尋ねると、本日入荷予定だがまだ届いていないという。しばらくして、運良く苗が届き、無事購入することができ、ほっとした。 地区の皆さんは、苗は農協に予約注文して入手するのだろうけれど、私はほとんど農協を利用しないため、入手が遅れてしまった。昨年は、初めての経験でタマネギの種蒔きから始めたのだが、紫タマネギだったため、奥さんに「どうして何の相談もなく紫タマネギにしたの。信じられない!」と叱られるやら、あきれられるやらしてしまった。
今回購入したのは、普通のタマネギだ、と思う。
そんなわけで、今日は、先日苦土石灰をまいておいた所に、堆肥や鶏糞を施して耕して、タマネギ苗の植え付けを行った。本来なら、1畝に2列が適切な植え方なのだろうが、スペースの都合上、欲張って4列にした。植えつけている時、一時小雨が降ったので、良いタイミングだったかもしれない。来年5月が楽しみだ。すくすく育ってくださいよ。