かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

頑張れ!安藤選手

2007-10-30 14:25:20 | スポーツ

フィギュアスケートのグランプリシリーズが始まった。1昨日は、男子で高橋選手が見事優勝。本人は演技に不満が残ったようだけれど、おめでとう!そして、昨夜は女子のフリー演技が行われた。残念ながら、安藤美姫選手はマイズナー選手に小差で敗れ2位だったが、昨年あたりに比べると随分と演技が安定していたように感じた。また、高得点ジャンプをしなくても、得点が伸びるようになってきたような気がする。それだけ彼女の演技が評価されてきたということだろうか。そして何より、彼女はスリムになったと思った。太股辺りの肉付きが、昨年と明らかに異なり、スピード感も戻ってきたように思う。そして、きれいになったような気がする。 

奥さんは以前から、「なんで貴方が安藤ファンなの?」と言うけれど、自分でもいつから彼女に思いいれ始めたのかわからない。多分、浅田真央は完璧すぎるので、それよりもはらはら、どきどきさせる安藤選手が気になったのではないだろうかと思っている。早く痛めた右肩を治療して、万全の体調でのびのびと演技することを祈っています。 これからも応援してますよ。 


Wシリーズ

2007-10-29 13:40:53 | スポーツ

レッドソックスが圧倒的な強さを見せて、2004年につづき優勝した。ア・リーグ優勝決定戦では、4戦終了時1勝3敗とインディアンズ有利の局面から逆転し、その後7連勝でワールド・シリーズを制した。今年のレッドソックスは、シーズン当初からア・リーグ東部地区で突っ走り、終盤ヤンキースに追い上げられたものの、地力で勝ち抜いた。一方のロッキーズも終盤の強さは目を見張るものがあったが、ナ・リーグ優勝決定戦で4連勝したのがあだになったのではないだろうか。4連勝したために、その後Wシリーズまでに日程が空いてしまった。そのことが影響しているのではないかと思ってしまう。先日、日本のプロ野球でも同じようなことを感じた。

松坂・岡島両選手 おめでとうございます。 これで、日本人選手の在籍チームが3年連続ワールドチャンピオンということになった。

二人とも入団1年目でラッキーですね。あの、どでかいリングをいただけるのですね。とりわけ岡島選手は、昨年日本一、今年はワールドチャンピオン、すごいですね。岡島選手が巨人にいた頃、あの独特の投球フォームを見た奥さんは、「岡島は大リーグに行ったら、大リーグの打者がびっくりして打てないのじゃないの」などと冗談まじりに言っていたが、それが現実になった。岡島選手は、昨日・今日とホームランを打たれはしたものの、今年の活躍はすばらしかった。特に、チェンジ・アップが素晴らしいようだけど、彼自身がチェンジ&アップした感じだ。

とはいえ、レッドソックスの投手の中では、J・ベケット投手がすごいと思う。松坂選手と同じ27歳。ヤンキースの松井選手が入団一年目で、Wシリーズに出場した2003年、対戦相手はマーリンズだったが、この時若きベケット投手がマーリンズに在籍していた。そして、ヤンキースはこのベケット投手を打ち崩すことができずに、2勝4敗と敗退した。それ以来、私はこのベケット投手が、大リーグで一番すごい投手じゃないだろうかと思ってきた。今シーズンは、両リーグを通じて唯一の20勝投手だという。やはり、この投手の球は当分打てそうにない。そして、レッドソックスの打線がこれまたすごい。こんな戦力だったら、来年も簡単に優勝してしまうのではないだろうかと思ってしまう。

今日でMLBの公式戦はすべて終了した。来年春からまた楽しませてください。


猫嫌い

2007-10-28 15:03:54 | 田舎の生活

最近家の近くでしばしば野良猫の姿を見かける。そこで、用心のため常に家の門の戸を閉めているのだが、やつらはそんな事は関係なく、コンクリートの塀を乗越えて我が家の庭にもちょくちょく入ってくる。だから、たまたま私が玄関のドアを開けて外に出ようとすると、こそこそと庭から外へ逃げ出す姿を見かけることがある。我が家の庭にはやつらの食べ物になるようなものは何もないはずなのだが、何を目的にやつらは入ってくるのだろう。

子供の頃は、家のドアは今のようなサッシではなく、木製のスライド式のドア(戸)だったので、軽くてすべりの良いドアなどは、猫が爪を引っ掛けて開けることがあった。だから、家族で食事をしている時など、時々「あれ、ドアが開いたけれど、誰の姿も見えないぞ」と思って、開いたドアの下の方に目線をやると、猫が家の中をこっそり伺っているというようなこともあった。 こんな場合はこれで終わりだから良いのだが、時には、母が食事の仕度をしつつ、家の外で他の用事をしている時など、うっかり勝手口のドアが開いたままになっていたりすると、野良猫がその隙を狙ってひちりん(七輪)で焼かれている魚を持って行ったりすることがあった。こんな時は、食事のおかずが1品減るか、代用品となる。タイミング良く口に魚をくわえた猫を見つけても、やつらの逃げ足は速く、サザエさんの世界のようなドラ猫の後ろ姿に、ただ悔し紛れの罵声を浴びせかけるしかない。

また、かまどで食事を作っていた時代、冬場などかまどの火が消え、まだ灰にぬくもりがあると、そのかまどの中に猫が入って寝ていることもしばしばあった。夕方、母が食事を作ろうと、かまどに釜を置いたり、薪を入れたりすると、気づいた猫がかまどから飛び出し、大きな声で猫を叱る母の声が聞こえてくるのだ。こういう場合は、びっくりして猫を叱りつければすむが、運悪く猫がかまどの奥の方に寝ていて、薪に火をつけてやっと気づいたような場合には、猫の毛に火が燃え移り、そのまま外に逃げられたら大変なことになるところである。 

猫好きの方々には申し訳ないが、こういう悔しいことが重なり、私は今でも猫が嫌いなのだ。


ホニャララ21

2007-10-27 15:42:37 | 田舎の生活

先日営業に来た○○牛乳の宅配センターの方が、午後空き瓶の回収にやってきた。それで、現在私が毎日飲んでいるホニャララ21を注文することにした。1週に1度の宅配なので、毎週7本配達してもらうことにした。 

この乳酸菌飲料は、スーパーなど店頭で売られているものは120cc入っているが、宅配専用は100ccなので20cc少ない。値段はほとんど変わらないようなので、宅配のほうがやや高いということになる。宅配する分、単価がやや高めに設定されているということだろうか。それでも、店頭販売のものは容器がペットボトルなので、資源ごみに出さねばならないが、宅配専用の容器はビンなので、回収してもらえるのでゴミに出さなくて良いから少し助かることにはなる。

これで、これからは空白の2日間がなくなるというわけである。  


懲りない人々(その3)

2007-10-26 11:12:52 | 政治・社会

ある程度ブログ記事が溜まったら、カテゴリー分類をしようと思ってはいたのだが、昨日奥さんから「カテゴリーに分けなさい」と言われたので、未熟ながらなんとかカテゴリーを編集して、分類した。これからは、こちらもご参照下さるようお願いします。 

 

最近、集落の入り口の道路沿いに気になる旗がたなびいている。初めてこの旗に気づいた時は、「何だろう?住宅展示場の案内だろうか?いや、この地区にそんな所あっただろうか?」と思ったが、少しして、「あっ、これは農協の標語だろう」と思うに至った。その旗には、大きく『小玉追放』と書かれている。おそらく、「適切な時期に柑橘類の摘果を行って、果実を大きく育てよう」と各農家に呼びかけているのだろうと思う。

そして、そう思った後、この旗があのロッキード事件の頃あったら面白かっただろうなあと想像してしまった。でも、あのお方は「児玉」さんだったですね。 

最近お騒がせの守屋武昌前防衛事務次官の商社との癒着問題は、なんだかそのロッキード事件の様相を呈してきたのではないだろうか。接待ゴルフだけにとどまらず、なにやら裏金作りだとか、特定商社との随意契約の指示(?)など、これからもっともっとホコリが出てきそうだし、政治家も関与していそうなにおいがする。 

そして、給油量訂正に絡む海上自衛隊の隠蔽問題も加わり、防衛省の不祥事は相次いでいる。その守屋氏はそれらの『JFK疑惑』のキーマンと目されているようだ。なんだか、どこかのプロ野球球団のようだが、J=隠蔽の情報操作、F=不正な給油転用問題、K=金銭疑惑なのだそうだ。ともあれ、29日午後に守屋氏の証人喚問が行われることになったので、どこまで真相が明かされるか見届けたい。 

対テロ新法案は、海上自衛隊の活動を給油・給水に限定する趣旨のようだけれど、自衛隊員が勝手に情報隠しをやるようでは、文民統制など機能するはずがなく、国民の信頼など得られないだろう。そして、薬害肝炎資料の放置・隠蔽、ぼろぼろ出る社保庁の横領・いんちき。この国の役人はどうしてこうも国民にそっぽ向いた輩が多くなったのだろうか。いやそれとも「だいこく屋、お主も悪よのお~」の昔から、体質はちっとも変わっていないのだろうか。これでは、ミートホープ、白い恋人、赤福、比内地鶏から「何をおっしゃいます お代官様こそ」と言い返されても、「ウォッホッホッ」と言うしかない。


胃潰瘍予防

2007-10-24 13:59:43 | 田舎の生活

昨日の夕方、菜園で水遣りをしていたところ、見知らぬ男性に声をかけられた。聞けば、○○牛乳の宅配センターの営業マンで、牛乳やヨーグルトなどのサンプルを持って各家庭を回っているとのことだった。毎週1回宅配に来るので、気に入ったら注文して下さい、とサンプルの飲み物を5個置いていった。私は、この手の営業を相手にするのが苦手で、おそるおそるサンプルを受け取って、奥さんに渡した。

すると、奥さんが「貴方が飲んでいるホニャララ21を注文したらいいんじゃない」という。そうだ、○○牛乳ならホニャララ21がある、と思ったら、頂いたサンプルにもそれがしっかり入っていた。 

ホニャララ21は、胃・十二指腸潰瘍の原因の一つであるヘリコバクターピロリ菌を減らす効果があるという乳酸菌飲料だ。なんでも、日本人の40歳以上の70~80%の人がこのピロリ菌に感染しているといわれているらしい。

私は、5~6年前に胃潰瘍になり、その頃評判になったホニャララ21をそれ以来毎日飲んでいる。朝起きると、すぐに1本飲む。味も結構気に入っている。現在は、週に1回宅配してくれるCOOPさんに、他の食材などとともに奥さんがホニャララ21も注文してくれている。しかし、このCOOPさんには、ホニャララ21は2週間に1回しか注文できない。1箱12本入りなので、これでは2日分が足りなくなる。その2日は、朝起きてもなんだか寂しく感じる。2箱注文すればいいようなものだが、賞味期限との兼ね合いがあり、そうもいかないのだ。

私は、これまでに3度内視鏡検査を受けたことがあるが、そのたびに胃から何かが突き上げてくるような刺激に、眼から涙を出しながらゲホゲホする。あんな苦しい検査はもう御免だと思っている。最近は、鼻から入れる内視鏡が開発され、従来に較べて随分苦痛が緩和されたという事だが、それだってできればやりたくない。だから、毎日ホニャララ21を飲んでいる。でも、私の場合には、5~6年前に胃壁からサンプリングして、ピロリ菌の検査をしてもらったが、ピロリ菌はいないと言われた。それでも、今後ピロリ菌に感染されないとも限らないので、やっぱりホニャララ21を飲んでいる。  


国産マツタケがやって来た

2007-10-23 11:14:42 | 食材・食事

先日、長野県在住の友人から、自分んちの山に生えたマツタケの写真を添付したメールが届いたので、悔しくて「私はマツタケというものを見たことがないので、写真だけでは、どんな香りがして、どんな歯ごたえで、どんな味がするのか全く想像できません」と返信しておいた。そうしたら、功を奏したのか、昨日夕方実物の国産マツタケが届けられた。箱を開けると、大中小4本のマツタケが入っていた。奥さんは、「国産マツタケはラップの上からしか触ったことがない」と言って喜んでいた。ありがとうございまーす。しばらくは、長野県方面に足を向けて寝られなくなった。 

彼の話によると、今年の8月から9月にかけて、天竜川上流域でも猛暑で小雨傾向だったので、松茸は不作との情報だったけれど、10月の降雨により気温も下がり、山も湿り気が戻り、例年より遅かったがキノコが出始めたと言うことだった。そして、彼はこの10月に1日当たり7kgのマツタケを10日間採ったそうで、豊作だと言っていた。キロ単価が4万円だそうだ。 えっ? ということは、 4×7×10=280万円!!!  すげぇ~~~。 

彼はしばしば冗談でホラを吹くことがあるので、本当にそれだけ採れたかどうか確認のすべがないが、以前一度だけ彼の実家に遊びに行ったことがあるが、親父さんが大地主のようで、広いマツタケ山も持っていると言っていた。 そういえば、彼の親父さんは以前、マツタケ採り名人だったか、キノコ採り名人だかで、テレビに出た(録画)ことがあった。何年前だったか忘れたけれど(10年ほど前だろうか?)、確か日本テレビ系の日曜日お昼の番組で、Kinki Kidsが出演するバラエティーものだった(「それ行けKinki大放送」だったか「Gyu!と抱きしめたい!」だったか?)。その番組の後半で、毎週各地方の様々な食材採り(獲り)名人を紹介するコーナーがあって、その時紹介されていた。

というようなことを思い出したので、彼の話はきっと本当なのだろう。  


ストーブ登場

2007-10-22 13:56:21 | 田舎の生活

先月の今頃は、「もうすぐ10月になるというのに暑い、暑い」と言っていたのだが、一気に秋らしくなり、早くも一昨日灯油ストーブを出した。

我々だけならまだ大丈夫なのだが、我が家には老人二人が同居しているため、風邪を引かせては大変と、早めに出した。昨年の冬場は、1週間に1度の頻度で20ℓポリタンクを持って灯油を買いに行ったので、今年もそのペースになるのだろう。最近は原油価格の高騰で、ガソリン代・灯油代が高くなり、冬場の暖房費が馬鹿にならない。昨年は、原油価格が1バレル=70ドルを超したといって騒いでいたが、今年は既に先日90ドルを超してしまい過去最高値となった。この先さらに高騰するのだろうか? 

四国でもこの時期から暖房を出すのだから、北国の家庭はもっと大変だろうなあ。


佐田岬半島の風車

2007-10-21 14:24:52 | 風景

今朝6時過ぎに家を出て、八幡浜まで車で往復した。こんな早い時間に半島を走ったのは初めてのような気がする。ちょうど日の出の時で、赤く染まった太陽が半島や宇和海、そして小さな島々を照らして、とてもきれいな景色だった。

ところで、佐田岬半島を走っていると、風車の多さに少々驚く。既に現在42基が運転中だそうで、平成20年度末には60基に増えるそうだ。お盆に2年ぶりに九州から帰省した友人が、半島の先端付近に林立する風車群をみて驚いていた。

風力発電は、クリーンエネルギー源として、国内で千基以上が稼動しているようで、さらに今後増加する見通しのようだ。そこで、数ヶ月前に環境省が、国立・国定公園内に風車を建設する場合の景観保護指針を作る方針を決めたようだ。確かに、これだけたくさんの風車が半島の尾根沿いに並んでいると、景観的には「ん?」と思ってしまう。また最近、半島の各地区で、風車のモーター音や風を切る音などの騒音が問題となっており、「窓を閉めてもなかなか眠れない」といったような住民からの苦情が出ているようだ。我が家からも十数基の風車が見えるが、幸い遠くにあるので騒音は全く聞こえない。

そういえば、サンフランシスコからヨセミテ国立公園へ向かう途中にも、非常にたくさんの風車が林立している箇所がある。そこの場合は、隙間がほとんどないほど壁のように風車が並んでいるために、鳥がその風車群を越せないなどの障害が起こっているという話を聞いたことがある。 

この半島の風車は、そこまでは列をなしていないが、人間だけでなく、鳥達への影響はないのだろうか。この風車群、運営は町、第三セクター、民間のものが混在しているようだが、半島全体の計画の元に建設がなされているのだろうか。そして、原子力発電と風力発電が共存するという半島。「うーん?」 風力発電による電気は、最終的にどこへ売られているのだろうか。  


僕のTシャツ(4:アラスカ編)

2007-10-19 13:35:09 | 旅行

子供の頃から、大人になったら、オーロラを見てみたいと思っていた。その夢をかなえたいと、1994年の年末・年始休暇を利用して、アラスカへ行った。

日付変更線を越えてアンカレッジに到着したその日に、タルキートナまで移動した。この町は小さいけれど、マッキンリー山への登山基地として知られている。あの植村直己さんも、この町からマッキンリーに挑み、そして帰らぬ人となった。その植村さんも宿泊したというのが、“LATITUDE 62°LODGE”であり、今回のTシャツは、そこで買ったものだ。この時は約10名のツアーだったので、参加者でくじ引きをして当たった人が、植村さんが宿泊した部屋に泊まれることになった。しかし、残念ながら私はハズレだった。

冬のアラスカは、昼間が短い。しかも毎日どんよりした天気だった。それでも短い昼間には、凍った湖での魚釣り、スノーモービル、そして犬ぞりなどを楽しんだ。全部初めての体験だったが、犬ぞりに乗った時は、犬のお尻がとても臭く少々閉口した。

タルキートナには2泊して、いよいよ主役に会うために北上して、フェアバンクスへ向かった。ここでは、オーロラを見るチャンスは3日あった。昼間は自由時間で、足元がむずむずするような小型飛行機に乗り、マッキンリーのすぐ近くまで行く遊覧飛行を楽しんだり、温泉地へ行ったりして過ごした。しかし、なんと言っても夜が待ち遠しかった。

主役に会うために、毎日夕食が終わってしばらく休憩してから、スキー場のロッジへ向かう3日間だった。暖かいロッジの中で休憩しながら、主役が現れるのをひたすら待つ。ところが、いくら空を見上げていても、もやっているような感じにはなるものの、私がイメージしていたあのカーテンひらひらのオーロラは、3日目になっても現れてくれなかった。ガイドは、もやっている感じのものもオーロラの一種なのだと説明してくれたが、誰が見たってあんなものでは満足しないだろうと思った。そうして、3日目もどんどん時間が過ぎ深夜になり、「もうホテルへ帰る時間だから」とバスに乗るように言われたので、後ろ髪をひかれる思いでバスに向かった。 

 

ところが、何だか空がざわざわし始めたような音が聞こえた気がした。しばし北の空を注視すると、うっすらと色づき始めた空がかすかに動き出した。「わ~~~ オーロラじゃないの?」と胸がときめき、一度も見たことがないのに、すぐにオーロラだと確信した。デイパックにしまったカメラと三脚を急いで取り出し、わき目もふらず少しでもいい場所をと思い走って行き、地面に三脚を設置し、カメラを取り付けた。そして、露出時間などあてずっぽうに、いろいろ時間を変えてシャッターをきり続けた。暗い空に現れたオーロラは、緑が主体の色調で、自分が子供のころから思い描いていたカーテンひらひらのものだった。一瞬、一瞬ごとに少しずつ色が変わり、うねるようにひらひらと舞ってくれた。もう、息をするのが惜しいくらいに見続けたように思う。  おそらく、オーロラが出現していたのはほんの数分間だっただろう。それでも、9回裏ツーアウトでやっと逆転した感じで、主役に会えたのだから、アラスカまで来た甲斐があったと思った。