かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

サザエのツノ

2010-08-01 15:55:34 | 


我が地区ではツノと呼んでいるが、サザエの殻ののことだ。
サザエにはツノのあるものとないものとがあるが、我が地区界隈の宇和海のものはほとんどツノがない。
それでも時々ツノのあるサザエが採れることがある。 
なぜ、ツノのあるものとないものが混在しているのだろうか?
と子供の頃不思議だったが、大人から教わったのは、
「かんじゃま(=梶谷鼻)を1往復するとツノが1個増える」というものだった。
そんな冗談のような話に、子供心に「ふーん」と半信半疑でいた。

それが本当ならば、梶谷鼻近辺に生息しているサザエのほうが、近くて1往復しやすいからツノが多いはずだろう。

年齢を重ねるにつれ、波の荒い海に生息しているサザエは、流されるのを防ぐために棘ができ、棘のないサザエは比較的静穏な海に生息している、という説に「もっともだ」と思うようになり、長い間そう思っていた。
確かに、棘の発達した外海のサザエを水流のない水槽などに移して飼育すると、その後は多くのものが棘を形成しなくなり、
逆に棘のないサザエを外海に放流すると、棘を形成するそうだ。
そのため、上記のような環境要因説が一般に信じられるようになったようだ。

ところがどっこい、私が採ってくるサザエを含めこの宇和海では、同じ磯に生息しているのに、一部に棘のあるものが混じっている。
では、棘のあるサザエは、やはり梶谷鼻を何往復もしたのだろうか? 

どうも、飼育実験でもサザエの個体によっては、棘の有無と水流との関係が合致しない例もあるとのことで、棘の有無には環境要因遺伝的要因の両方が関与しているのではないか、と考えられるようになったようである。

では、棘がひとつ出来るのにはどのくらいの日数を要するのだろうか?
サザエの生長速度や寿命はどのくらいなのだろうか?
一説には、海の干満の小潮のときにのみ棘ができる。
つまり、棘が新しくできるのには15日ほどの日数を要するらしい。
えっ・・! そんなに成長が速いの?  と思う。
また、サザエの寿命は10~12年ほどらしい。
ふーん。



余談ではあるが、我が地区ではサザエのことを“ニゴダ”と呼ぶ。
語源は分からない。
もし、同じ呼び方をする地方の方、あるいはニゴダの語源をご存知の方がおられましたら、
ぜひご一報をお願いします。


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海の幸に感謝(その12)

2010-07-27 11:54:10 | 
今年は、大潮のころに天候が悪い日が多かったように思う。
そんなわけで、ここ3ヶ月ほどは磯に行っていなかったが、
このところは好天がつづき(猛暑でもありますが)、昨日久々に磯に行った。
サザエ、ナガレコ(トコブシ)を期待して。
ところが、さあ海に入ろうか、と水中メガネを装着しようとしたところ、
ゴムがブチッと切れた。
不吉な予感! 

とはいえ、愛用の水中メガネは、買ってから30年以上は経つだろう。
だから、もう疲労してゴムが切れてもおかしくはない、とも思う。
そんな古い品だから、「ブチッ」というより「ポロッ」という感じだろうか。
片方の端が切れても、セットしなおしてもう片方の端を長めにすればいいやと思い、
もう片方の端を外そうとしたら、こっちも同じように頼りなく切れた。
「あちゃー・・・」
これでは潜れないではないか。

それでも、切れたゴムの両端は捨て、短くなったゴムを恐る恐るセットしなおした。
短くなった分 ゴムがきつくなり、ちと頭が痛く締め付けられるが、なんとか頭に入った。

さあ入水。
海水は生ぬるい。
それに、水面付近に小さなプランクトンが多いのだろうか、肌がちくちくする。
それでもめげずに獲物を探す。
水中メガネのアクシデントがあったので、いやな感じだったが、
サザエはそこそこ採れた。
が、ナガレコが例年より少ない。

体調がイマイチ、久しぶりの磯遊びということもあってか、2時間もしないうちに疲れたので引き上げた。


     【夕食のおかず】

久しぶりにサザエ、ナガレコを食べ、ビールも旨かった。
海の幸に感謝です。
でも、プランクトンにいっぱい刺されたのでしょう。
今は首筋やお腹に、湿疹のようなぶつぶつがいっぱいできている。
(まあ海に行けばよくあることではある)


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懲りずに磯へ

2010-04-15 14:37:07 | 
昨日は旧暦3月1日 大潮。
当地域では、ヒジキ・フノリ漁の解禁でした。
やや寒かったものの、天気がまあまあで、いつもの磯に出かけました。 
これまでの経験、前日の下見が効果的だったでしょうか、
フノリは過去3年の中では、より質のよさそうなのが採れたと自負しております。

フノリに専念したので、ヒジキはお預けです。
あいにく 昨日の夕方から今朝にかけて、曇り一時雨という天気で、外で乾燥できませんでした。
そのため、部屋の中は磯の香りぷんぷんです。
今日は午後になり雨も上がり、時折陽射しも出ているので、外で乾燥できます。



この調子で、明日から2~3日いい天気が続いてくれるとありがたいです。
(昨日がんばったので今日は腰がちと痛いです)


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ひとりワカメ祭り

2010-03-31 10:49:34 | 
昨日は旧暦2月15日大潮 ということで、当地域でワカメ漁の解禁日でした。
日が照ってはいましたが、ちと肌寒い天候でした。
とはいうものの、以前から楽しみにしていた解禁日。
干潮時刻は午後1時半頃。
昼前にいつもの磯へ出かけたわけです。
干潮に向かう磯では、フノリ、ヒジキ、そしてワカメが育っています。


【海中で揺らぐワカメの図】

この磯は車では来られないためか、結局私以外だーれも来ませんでした。
採り放題です。 
ワカメを採ること1時間余り。
これ以上採ると帰りの上り道がしんどいぞ、というくらいでストップ。

家に帰り早速 鍋に水を入れて火をおこし、湯通しです。


【湯通し後のワカメ】

この後、小分けして袋に入れて冷凍するするワカメと
吊るして乾燥させるワカメ という具合にしました。



夕食は早速、タマネギとトマトを加えて ワカメサラダをいただいたわけです。
天然生ワカメはコリコリして 旨い!

今後しばらくはワカメ三昧じゃぁ・・ 


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海の幸に感謝(その10)

2009-06-09 11:03:42 | 
またまた大潮です。 
昨日は暖かく、海も穏やかで、絶好の磯日和でした。
出かけないわけには行きません。
正午過ぎに、“マイビーチ”へ行きました。
日曜日の総出の道役で、マイビーチへの道もきれいに草が刈られておりました。
有難うございます。

最近は、めっきり少なくなりました ヒナタメ(本名はなんていうのかな?)。


これを味噌汁に入れると旨いんですよ。
殻を外してかき揚げてんぷらにしてもよし。
子供の頃は、海水浴の合間に、浜に転がっている平たい石の上で焼いて食べていました。
旨かったなあ! 

こちらはフジツボです。


カメノテにはやや遅れをとりますが、こちらとて酒の肴によーく合います。

そんな写真を撮っていると、なにやら海中で動くものが・・・
タコです。 

【左上の茶色いのは藻】
(こうやって水面上からタコを写真に撮れるのは貴重でしょう? 

小さいので見逃してやりました。
写真ばかり撮っていては、晩のおかずになりません。

ということで、1時間半ほど獲物探しです。

 残念ながら、今年は、“マイビーチ”もあまり豊漁ではありません。
トコブシ(当地ではナガレコ)とニナを少し採って帰りました。
そして、昨夜はトコブシを甘煮にしていただきました。

【トコブシ甘煮】

ビールがうまいっす! 

一方、ニナはすぐ食べることはせずに、湯がいて、タマネギ・ネギも入れて、ニナ味噌にしました。


私ができる数少ない料理?のうちのひとつです。 
これをなめ味噌として、ご飯にのっけて食べると旨いんです。
おむすびの具としてもグー! 
お茶漬けにするもよし、お湯をかけるだけで味噌汁にもなります。
海の幸に感謝です。 


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海の幸に感謝(その9)

2009-05-24 10:16:36 | 
 全国的に大潮です。
天候も良く、海も穏やかということで、昨日は磯に出かけました。
ところが、水中眼鏡を持っていくのを忘れてしまいました。 
でも、まだ海水温は低いため、泳ぐわけにはいかないので、「まっ いいか」と言うことで、
膝くらいまで海水につかる程度のところで、岩を起こし起こしして、獲物を探しました。


【ウヒョー 状態です】

磯にはけったいな生き物がいろいろといます。 
こちらはご存知ナマコです。
まだまだ小さくてかわいいです。


クモヒトデというのでしょうか。岩をひっくり返すとたいていの場所にいます。


そして、こいつもおります。


変な形をしており、ブニュブニュしています。
なんという名前の生き物なのでしょう? 
写真右のほうに5ミリほどの穴が開いています。
そこから、泡を吹いたり、白い液体を出したりします。 
口なのか肛門なのかわかりません。 
岩の上にあげたので、苦しそうに後ずさりしながら水の中に入ろうとします。
ウミウシの一種なのでしょうか?

肝心の獲物ですが、昨日行った場所は、もう既にかなり岩がひっくり返されていたこともあり、ほんのわずかしか獲れませんでした。 
1時間ほどの磯遊びで、トコブシ(当地区では“ナガレコ”)と赤ウニをちょっぴり持って帰りました。



ウニは、丁寧に海水で洗いながら、身に付いている汚れ(内臓など)をこまめに落とすのが本来のやり方なのでしょうが、自分が食べるのでテキトーです。
ということで、寿司屋やスーパーで売っているようなきれいな形にはなりません。
いよいよ今年も磯シーズン到来です。
これからは、大潮になるたびに落ち着かなくなります。 


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恋しくて

2009-03-30 10:50:25 | 
あなたに会える日をどんなに待ちわびたことでしょう。 
天気の良い日はなおのこと、天気が悪ければそれなりに心配をし・・・。
待つこと2週間と4日。
一昨日(28日)やっと、めぐり会える日がやってきました。 

その日、いつものようにスパイク地下足袋を履き、かりかごを背負い、いそいそとでかけました。
やってきたところは、“マイビーチ”と勝手に決め込んでいる磯です。 


そして、はやる気持ちのまま、おもむろに磯をみると、
ワーイ 

おります、おります、あなたがたくさん。
ワカメさーん! 

【これが岩にへばりついたワカメです】

それに、ヒジキにフノリもたくさんあります。 

ワーオ! 大潮春祭り状態です。


【フノリです】


【ヒジキふさふさ大量繁茂です】


【でかいメカブです】

実は海中に生えているワカメを採るために、こんな安易グッズを用意します。
棒の先に鎌を布テープでくくりつけたものです。
でも、大潮真っ盛り、引き引き状態では、長い棒は必要なく単に鎌だけでも十分でした。 

【採取道具】

そんなわけで、採り放題状態でしたが、持ち帰っての後処理が大変だからと思い、ほどほどにして1時間足らずで久しぶりの磯遊びを堪能して、家路に着きました。
こんな感じです。 

【左:ワカメ 右:ヒジキ】

この後のお話はあらためて。

昨夜のフィギュア、安藤美姫選手の演技は素晴らしかったです。 
安定した、スピードのあるジャンプに加え、表現力も増した。
でも、それ以上にキム・ヨナ選手とジョアニー・ロシェット選手が素晴らしかったようです。
浅田選手は、残念ながらメダルならず。 

豊真将11勝4敗
やっと来場所は横綱・大関と対戦できる番付に上がりそうですな。 

※ビギンの楽曲と同じタイトルで恐縮です。

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海の幸に感謝(その7)

2008-08-14 15:45:23 | 
今年もお盆がやって来ました。そして、帰省した親戚の方たちに少しでも海の幸を味わっていただこうと、午前10時半浜へ出かけました。今日の干潮時間は正午過ぎです。
やや波があったので、少し泳ぎにくかったのですが、干潮時間帯に何とか少しのサザエとトコブシを獲ることが出来ました。
そして、今日の特筆すべき獲物は、カメノテのコロニー(群生地)を見つけたことです。海面から3~4m出ている岩のあちこちに30~100個程群生していました。しかも、一個一個が今まで見てきたものよりかなり大きいです。浜にはカメラを持って行っていないので、その光景をお見せすることは出来ませんが、獲って帰ったものを石に載せて再現してみました。


本当は、岩の割れ目に密集しているので、こんな風に平らな部分に固着しているわけではありません。ですから、獲るのが結構厄介です。

 カメノテは味付けしなくても、中に十分塩分が含まれていますので、鍋に水を入れて沸騰させるだけでOKです。ただ、形がややグロなので、それだけで引いてしまう人がいるかもしれません。でも、そのような方はお気の毒だと思います。


爪のような部分の中の身は、硬いので食べても美味しくありませんが、柄の部分(写真で黒っぽい部分)にプリッとした身が詰まっていて、とても美味しいです。
 ビールのつまみに最高です。私は、カニに負けないくらい美味しいと思っています。
ちなみに、カメノテは我が地方で“シイ”と呼んでいますが、同じような呼び方をしているところは各地にあるようです。

 ★カメノテの話は、ここにもありまーす。大碆と庄司太郎碆」(2007年11月10日)

海の幸に感謝(その5)

2008-07-18 11:57:59 | 
 昨日、今日と天気はあまり良くありませんが、大潮ということで昨日磯に行きました。
奥さんが早々におむすびを作ってくれていたのですが、朝から天気が不安定で、陽が射してきて天気が良くなるかと思うと、厚い雲が出てきたり、雨が落ちてきたりという状況で、随分とやきもきしておりました。でも、出かける10時半頃には雨も止み、その後も何とか天気は持ちこたえてくれました。
今までは、磯に出かけるのはいつも一人でしたが、昨日は同級生夫妻と誘い合わせて行ったものですから、期待も高まりました。行った場所は、5月にテングサ獲りに行った海岸です。「ここは小学生の頃何度か遠足で来たね」などと同級生と話しながら、磯場に向かいました。
 昨年は7月下旬では、まだ海水がやや冷たく感じたので、どうだろうかと思ったのですが、やはり泳ぐにはやや肌寒く感じました。とはいえ、少しでもたくさん獲りたいと思い、泳ぎ・潜りながらサザエを探しました。しかし、結局サザエは5個しか獲れませんでした。もう既に他の方々が獲り尽くしたのかもしれません。
それでも、トコブシとアワビが少し獲れました。そのうち一個のアワビは、生涯で一番大きなものを獲ったと思います。潜って岩の割れ目の奥のほうに彼(彼女かもしれない)を見つけた時は、「うん 石かな? いや違う、火山の噴火口のように盛り上がった突起部があるではないか。絶対石ではないアワビだ!こりゃでかいぞ!」と感動しました。



そして、太い針金を加工した道具(名前が分からない。一種の銛だろうか?)で彼を獲ろうとするのですが、岩にしっかりくっついてびくとも動きません。何度も引き剥がそうと挑戦したのですが、奮闘10分余り、残念ながらいったんギブアップです。

しばらく、別の場所で獲物を探すことにしました。一度獲り損ねると、彼らはますます強く岩にくっつくため、しばらく放っておいて、気を緩めさせておいたほうが良いだろうと考えたわけです。
そして、しばらく時間を置いてから再度挑戦することにしました。幸い彼はまだ同じ場所におりました。今度こそと思い、道具を突き出して取ろうとしたのですが、やはりダメでした。そんな困っている私に、同級生のご主人が道具を貸してくれました。この道具は私のものと形状は同じでしたが、少し長いのです。「それではお借りします」と再度潜って、アワビと岩の間に差し込むと・・・・、
なんということでしょう、一発でアワビが岩から剥がれました。
 「やったー!」
安堵したのと身体が冷えてきたこととで、いったん海から上がって休憩です。同級生が注いでくれた温かい紅茶が、冷えた身体にとても心地良かったです。 私は凍らせた水と冷たい麦茶しか持ってきておりませんでした。そして、いつもは休憩も一人ぼっちでしたが、昨日は同級生夫妻と会話しながらの休憩です。
その後、もう少し磯遊びをしてから、午後3時過ぎに浜を後にしました。
  

≪自己新のアワビ≫

海の幸に感謝(その4)

2008-07-04 10:35:50 | 
 昨日はバフンウニ漁解禁日だった。ところが、天気予報どおり朝からどんよりしており、今にも雨が降ってきそうだった。そのため、磯に行くのをほとんどあきらめて、菜園で害虫退治をしたり、支柱立てをしたりしていた。ところが、午前11時過ぎに、漁協の巡視船が「稚貝を放流しているので、小さいアワビは採らないで下さい」などと沿岸を巡回しながらマイク放送を流しているのを耳にして、居ても立ってもいられなくなり、あわてて大きなおむすびを1個作って、浜に出かけた。

浜は大潮ということで、「さあ、自力で好きなものを採って下さい」と言わんばかりに、かなり潮が引いていた。早速、水中眼鏡を装着して磯遊びを始める。するとすぐに、幸先良くサザエを見つけた。「よし、よし、今日はこの調子でたくさん採れてくれよ」と願いながら、岩をおこしたり、岩の隙間などを覗き込む。
 昨年もそうだったが、今年もバフンウニは小さいのしか見かけなかった。そのため、もっぱらサザエとトコブシ採りに励んだ。奮闘2時間、サザエは結構取ることが出来た。そして、小さいけれどどのくらい身が付いているだろうかと思い、ウニもほんの少しだけ採って帰った。
 午後2時過ぎ、浜から帰ろうとする時になって、夕立のような強い雨が降り始め、雷までなってきた。でも、身体はどうせ海に入ったため濡れているし、さほど気にはならず、それよりも久々の磯遊びで大いに満足していた。
 ということで、昨夜は久しぶりに海の幸を美味しく頂きました。

ところで、我が地区では、ウニのことを“ガゼ”と呼ぶ。そして、バフンウニのことは“ウマンクソガゼ”と呼ぶ。“ウマンクソ”とは、汚いネーミングのようだが、“馬のクソ”が訛ったもので、バフン⇒馬のフン⇒馬のクソ⇒ウマンクソ となるわけで、忠実に日本語を直訳したようなものである。一方、ムラサキウニは“オニガゼ”と呼んでいる。長い棘があることから、鬼を連想して「オニガゼ」となったのであろうか。それにしても、バフンウニはそんなに馬のフンに似ているだろうか?
アカウニはそのままアカウニのようである。これがやはり一番身の付きが宜しいようです。


≪ウニ3種。左からムラサキウニ、アカウニ、バフンウニ≫


≪ウニの身。上の方の色の濃いのがバフンウニの身≫

バフンウニは小さかったので、やはりあまり身がありません。ムラサキウニは予想以上に身が付いておりました。

そんなウニですが、ウニのことをガゼと呼ぶのはこの地方だけかと思っていたのだが、北海道、東北、壱岐、天草などでもバフンウニを「ガゼ」と呼ぶようだ。
そして、ウニの口に相当する石灰質の咀嚼器(5個の歯からなる)のことを「アリストテレスのランタン」と呼ぶということを初めて知った。哲学者で知られる彼が、ウニの口を見て「ランタン(ギリシャ語で何と言うか解りませんが)」と名づけたそうである。さすが天才のひらめきは違う! ということは、アリストテレスもウニを食べていたのだ、と思うと「ウフ」である。でもきっと、ウニ丼は食べたことがないであろう。


≪中央上部がウニの口(咀嚼器)≫


≪本当にランタンのようです≫

なるほど、本当にランタンのようである。アリストテレスに感服!

 またまた、ウナギの産地偽装が発覚した。今回は流通業者がつるんでやったようで、非常に悪質である。しかも、中国産ウナギからは禁止抗菌剤まで検出されたとは、全く恐ろしい。偽装の報酬として、1億円も支払うのだから、よほどぼろもうけしたのだろう。
自分で採ってくるのが一番確実で安心な食材だ。
 海の幸に感謝、感謝である。