かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

白い野菊

2007-11-25 11:23:27 | 草花・樹木

名取地区では、今集落のあちこちで野菊が咲いている。その中で最も多いのが白い野菊で、そのほとんどは、道脇の石垣の隙間から生えており、道行く人の目を楽しませてくれている。そして、近づくと甘い香りがする。子供の頃から良く見かけていたのだが、野菊という以外にこの花の本当の名前を知らなかった。インターネットで検索してみたのだが、似た花はいくつかあったけれど、どれも花びらや葉の形が少し違っており、わからないままになっていた。ところが、昨日「愛媛新聞」の一面に愛南町で咲いているこの花が掲載されていた。「ノジギク」と言うらしい。
名前がわかったところで、少し調べてみると、この花は、日本固有の種で、あの牧野富太郎博士が兵庫県で発見されたそうで、発見されたのが山道だったことからこの名前があるとのことだ(野路菊)。また、兵庫県の県花に指定されているようで、兵庫県以西の本州・四国・九州地方に自生しているらしい。白い花といっても、白いのは花弁(舌状花)で、中央部(筒状花)は黄色だ。このコントラストが、この花のかわいらしいところかもしれない。その他、花弁が黄色やピンクのノジギクもあるらしい。我が家の菜園の石垣に生えているノジギクの中にも、よく見るといくつかピンクがかった花があった。
このノジギク、なぜ平坦な場所に生えようとしないのだろうか?我が地区では、石垣の隙間から横に伸びて生えている。石垣に生えたほうが、日当たりが良いからだろうか。その証拠に、それぞれの花はしっかりと冬場の低い太陽の方を向いている。でもなぜ、こんなへんてこな箇所に根付くことができたのだろう?最初の種子は、何かの偶然で風に飛ばされて、石垣の隙間に入り込んだのだろうか?そして、そこに生えてみるととても居心地が良いことがわかり、それ以来ずっと石垣に生え続けることになったのだろうか。しかし、どこもここもそういう偶然が重なるはずはないように思えるので、きっと何か特有の事情があるのだろうと思う。石垣に生えている場合は、ほとんどが石垣の上の方に生えているので、このことが何かヒントになるのかも知れない。
とはいえ、ノジギクはもうしばらく私達の眼を和ませてくれそうだ。