「エイ」「ヤーッ」「ターッ」
「うーぬ ちょこざいな小僧め 名を 名を名乗れ」
「赤胴 鈴之助だあ!」
で始まるラジオドラマ。家にまだテレビがなかった子供のころ、夢中でラジオに聴き入った記憶がある。その漫画「赤胴鈴之助」の復刻本が最近発売されたとのことだ。
「少年画報」に連載されたこの漫画は、当時私たち子供に大人気だった。チャンバラごっこをする時に、「真空斬り」など真似をしたものだ。手を開いて「真空斬り」の所作をするけれど、そんなことで人が斬れたりするわけもなく、あの頃「真空斬り」を仕掛けられた相手は、どうなっていたのだろう。ライバル竜巻雷之進の「稲妻斬り」で返していたのだろうか。
ところでこの漫画、私は武内つなよしさんの作品だと思っていたが、最初は福井英一さんという方が発表したとのことで、その福井さんが第1回作品を発表した直後に亡くなり、その後武内さんが連載を続けたとのことである。ふーん、そうだったのか、どうりで知らなかったはずだ。
ラジオドラマでは、千葉周作の娘「さゆり」役で吉永小百合さんが出演していた。映画では、「竜巻雷之進」の役を林 成年(はやし・なるとし)さんがやっていたし、中村玉緒さんも出演していたように記憶している。林さんは、あの故長谷川一夫さんのご子息だ。でも、「赤胴鈴之助」の役をやっていた俳優の記憶がほとんどない(梅若正二さん)。映画版は夢中になれず、少しがっかりしたような気がする。おそらく、ラジオを聴いて自分なりに作った赤胴鈴之助のイメージに合わなかったからではないだろうか。
「ちょこざいな」とか「こしゃくな」なんて、もう死語なのだろうなあ・・・。私はこれらの言葉は結構好きで、今でも時々使っているが、きっとこのセリフは、悪役が使っていたのだろう。漫画本の復刻もいいけれど、個人的にはあのラジオドラマをもう一度聴いてみたいと思う。
♪剣をとっては 日本一に 夢は大きな 少年剣士
親はいないが 元気な笑顔 弱い人には 味方する
おう! がんばれ 頼むぞ 僕らの仲間 赤胴鈴之助♪
最近の歌の歌詞はちっとも覚えられないけれど、このテーマソングは今でも歌える。