また来るから後でいいよ。
いいえ用意してあります。
こちらに越して来て40年も続いているガス屋さん。
「二か月分になっているけれどいいの。」
ちょうどお年玉の予定で用意してあった分で払う。
「随分歩けるようになってよかったね。
生きていて羨ましいよ。」
「かみさんはもう亡くなって2年だよ。寂しいもんだ。」
覚えていますか?
息子が小さいときガス屋さんの後を付いて歩いていたのを。
「私の車に乗り込んでしばらく走ったこともあったなあ。」
ネジの好きな子で道具を見ると目の色を変えるくらい。
「三つぐらいだったなあ。そんなに大きくなったの。」
その子に二人目の子供が春には生まれます。
「新年から嬉しいニュースを聞いて私のほうが嬉しいよ。」
人懐こい子供で誰でもすぐに遊んでもらえる子供だった。
出会った人と思い出を作って生きていこう。
度あるごとに思い出して貰えるなんて幸せだろうな。
人間は思い出して貰える間は本当の死ではないと聞いた。
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