石川県能美市の辰口温泉まつさきで5月13日から行われた第64期本因坊決定戦七番勝負の第1局は羽根直樹本因坊(32)が挑戦者の高尾紳路九段(32)に白番2目半勝ちした。第2局は27、28の両日、大分県宇佐市の宇佐神宮で行われる。
羽根が持ち前の粘り強さと深い読みで逆転勝ちし、初防衛に向けて好発進した。
右上隅から始まった戦いは、高尾が手厚い形を作り、羽根が左下隅を固めて一段落。高尾は下辺に先着し、優勢を拡大した。
しかし、羽根は白144とこん身の勝負手を放った。そこまで冷静に対処していた高尾が黒145と反発したため、コウ争いに。黒147のコウだてがまずく、白148と打たれて一気に混戦となった。延々とコウ争いが続く中、最後は羽根が高尾を差し切った。
<羽根本因坊の話>
右下の白を攻められ、わからなくなってしまいました。でも、下辺の難しいコウがうまくいったので、よくなったと思いました。
<高尾九段の話> 黒119でチャンスが来たかと思いましたが……。黒145で普通に打っても、自信はありませんでした。
(毎日新聞より抜粋)
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毎度、一週間遅れの本因坊戦コメントです。
週刊碁のタイトルは「高尾ツメで誤算!?」「羽根魅せた終盤力」。
羽根本因坊は「忍の貴公子」というニックネームがありましたが、「らしさ」の出た一局のようでした。
一方の高尾挑戦者、1ヶ月ほど前に十段位を奪われ無冠に。そして対局の数日前には師匠:秀行師の逝去と、本局に臨む意気込みも並々ならぬものがあったでしょうが、残念な結果となりました。
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今回の対局地は石川県能美(のみ)市の辰口温泉「まつさき」。
---以下、能美市HPより抜粋---
能美市は石川県の南部、加賀平野のほぼ中央に位置し、県都金沢へは北東約20kmの距離にあり、南には日本海側の拠点「小松空港」がある小松市が隣接している。
当市の北側には標高2,702mの白山から流れ出る手取川と梯川に挟まれた扇状地と、日本海に面した美しい海岸線があり、南側には白山山系に連なる、なだらかな丘陵地である能美丘陵を擁する、海・川・山・平地に恵まれた、非常に豊かな地勢である。
2005年(平成17年)2月1日、能美郡の根上町・寺井町・辰口町が新設合併して発足。 人口は約4万9千人。
出身著名人はメジャーリーグの松井秀喜、元首相の森喜朗。九谷焼や辰口温泉でも有名だそうです。
手取川というと「手取川の戦い」が思い浮かびます。これは上杉謙信率いる「上杉軍」と柴田勝家率いる「織田軍」の戦い。
結果は七尾城落城により撤退中の織田軍を上杉軍が追撃する形となり、織田軍の大敗となりました。
手取川古戦場(白山市湊町)近くには「上杉に遭ふては織田も名取川(手取川) はねる謙信 逃ぐるとぶ長(信長)」の石碑があるそうです。
織田軍は秀吉の勝手な離陣など内部の問題もあったようですが、不利な状況をいかに少ない犠牲で収め、次のチャンスに備えるか。
これは囲碁の戦術でも同様な教訓と云えそうです。
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