この本は河合隼雄先生の遺作です。
雑誌に連載中に脳梗塞で倒れられ、そのまま意識が回復することなく亡くなりました。連載できなかった原稿を含めて本にしたものです。
ご自身ではあまり幼少期のことを語ることがなかったのに、幼稚園に上がる前から小学4年生ぐらいまでのほぼ自伝と思いますが、どうして最後に(ご本人は当然最後とは思っていなかったと思いますが)書く気持ちになったのでしょうか。
読んでみると多くの兄弟にもまれながら、優しい両親の下で感受性豊かに育っていく姿が分ります。そして先生が70歳を越えても少年のみずみずしい感受性を失っていないことが分ります。
小説としてはどうってこともないのでしょう(失礼)が、読んでいると自分の保育園のこととか小学校のこととか記憶のかなたにあった出来事が薄ぼんやりとですが思い出され、ああ、あの時はあんなことがあったな~、今思うと笑っちゃうけどあんなこと感じていたのだな~とか、一瞬ですが少年の心を取り戻した気持ちになります。
先生はひょっとしたら一番母親のことを書きたかったのかとも感じるのですが、こういう作品が遺作になるのも何だか、人生の起承転結を知っていたかのようで、先生の深さを感じています。
雑誌に連載中に脳梗塞で倒れられ、そのまま意識が回復することなく亡くなりました。連載できなかった原稿を含めて本にしたものです。
ご自身ではあまり幼少期のことを語ることがなかったのに、幼稚園に上がる前から小学4年生ぐらいまでのほぼ自伝と思いますが、どうして最後に(ご本人は当然最後とは思っていなかったと思いますが)書く気持ちになったのでしょうか。
読んでみると多くの兄弟にもまれながら、優しい両親の下で感受性豊かに育っていく姿が分ります。そして先生が70歳を越えても少年のみずみずしい感受性を失っていないことが分ります。
小説としてはどうってこともないのでしょう(失礼)が、読んでいると自分の保育園のこととか小学校のこととか記憶のかなたにあった出来事が薄ぼんやりとですが思い出され、ああ、あの時はあんなことがあったな~、今思うと笑っちゃうけどあんなこと感じていたのだな~とか、一瞬ですが少年の心を取り戻した気持ちになります。
先生はひょっとしたら一番母親のことを書きたかったのかとも感じるのですが、こういう作品が遺作になるのも何だか、人生の起承転結を知っていたかのようで、先生の深さを感じています。
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