怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

椎名誠「ソーメンと世界遺産」

2015-02-27 07:25:28 | 
やることもなく手持ちぶたさの時に全くの暇つぶしに椎名誠のコラムというかエッセイとかをよく読む。そういっても椎名誠もこういう類の本は文学作品とも思っていないようなので多分怪しからんと怒りもしないだろう。サンデー毎日連載の「ナマコのからえばり」シリーズも順番に読んでいてこれは第8巻。

このシリーズはどちらかというと日記風に日々の出来事を書いている。
海へ行って魚を釣りたき火を囲んで騒ぐのは「雑魚釣り隊」シリーズです。

地方へ行って三角ベースボールなどをやるのは「新宿赤マント」シリーズなのです。

たまに内容が被っていることがあるとは言え連載を何本も抱え、よく書くことができるものだと感心します。
ちなみにいきなり某月某日というように本当に日記風に書かれているところは作者がコラムの話題に窮している時だそうです。
今回笑ってしまったのは、「選挙戦『自ら』問題」。選挙戦の時はとかく宣伝カーがでかい声で「よろしくお願いします」と騒がしいのですが、ここで取り上げているのは自転車に乗って回ってきた人。
「○○○○でございます。わたくし今宣伝カーの後ろから自転車をこいでおります。水から自転車をこいで走っております。」と連呼していた。ずっと自転車をこいでいることだけを連呼している。政策を語るわけでもなく、ただ自転車に乗って走っている、ということを叫び続けている。わが街にもそれで有名な人がいます。ご丁寧に背中に「本人」と書いた旗指し物をつけています。よほど自信があるのか全国各地でこうやるんだと教えていました。元祖ではないでしょうが、教祖ぐらいにはなっています。でも最近では神通力にも陰りが見えてきたのか、あまりお呼びがかからないので呼ばれていないのに勝手に応援していくなどとしていますが本人としては御不満なのではないでしょうか。
あれは何が言いたいのだろうか???自分が自転車に乗れることを自慢しているのだろうか。椎名家の嫁なんか自転車の前と後ろに子供載せて幼稚園に行っているけど、自慢せずに黙って行っている。
ポイントはやっぱり「自ら」だというのが椎名家の結論。「わしはこんなにえらい議員なのに、自ら自転車に乗って選挙区を走っているんだから、そこんとこよーく見ろよ」ということか。その日、椎名家では大変だったとか。
「お茶もう一杯熱いのを頼む」
「わたくし、ただいま自ら急須にお湯を注いでいます。」
「ありがとうございます。わたくし自ら右手と左手でお茶碗を掴み、自らの口でお茶を飲もうとしています」
漫画ですね。でも選挙戦ではその漫画を有難がってみんな投票するのでやめられないのです。ここから選挙戦の可笑しさを縷々述べているのですが詳しくは本を読んでください。
民主的選挙の下では選挙民のレベルに等しいレベルの人が選ばれる…わが街もそうなんでしょう。
ところでここでは椎名誠の受診した健康診断の話もあり個人情報を大公開しています。おおむね正常みたいで、一時高かった血圧も薬を飲むことなくスライスした玉ねぎを毎朝食べて改善したそうです。γGTPは160以上だったのですが、後の肝機能値は正常値なのでこれくらいは大目に見て問題なしとか。まあこれについては私もほぼ同じ数字なので「激しく同意」としておきます。もっとも私は椎名誠のようには飲めないので、体質が酒に弱いということでしょう。
ところで問題になるところもあり尿酸値は9.5とか。過去最高値だそうですが、この値はいつ痛風の発作が出てもおかしくないですね。早速プリン体ゼロのビールに変えたと書いてありましたが、あれはあまり美味しくないんですよね。体に悪いからこそプリン体というのは旨さの元なのです。
ところで過日ロンブーを見ていたら芸人の健康診断をやっていて有吉が尿酸値9.5。昨年より3キロほど太ったとかですが、仕事柄どうしても飲んで食べてしまうことが避けられないのでこれも職業病?
全部紹介するわけには行けませんが他にも思わずふふんと笑ってしまうところが満載です。
まあ、このナマコシリーズだけでなく赤マントシリーズでも雑魚釣り隊シリーズでも無理して寝っころがって読むことはしなくてもいいけど、暇な時にソファーでだらーっとしつつリラックスして読むには最適ですね。
コメント
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