怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

「その税金は払うな!」大村大次郎

2015-02-03 20:40:16 | 
そろそろ確定申告の季節になりました。
昨年は退職の際に社会福祉協議会に寄付をしているし、医療費も母が歯医者に行ったら9万円の義歯を入れる羽目になり(母はもう老い先短いのにそんな高い義歯を入れることはないのにとこぼしていましたが、歯医者に言わずに私に愚痴っても如何ともし難いのですが)、10万円は超えそうです。
確定申告をする前にちょっと読んでみようともって手に取ったのがこの本。

題名はいかにもという感じですが、実務として初めて知ったとかいうことはほとんどない。限度額とかを考え各種控除をうまく使えということは常識でしょう。
サラリーマンの源泉徴収という制度は非常に徴税コストの安いナチスに学んだいわば戦時体制のもたらした制度というのはなるほどと思いました。所得税の8割以上は源泉徴収で納められているのですが、税務署の源泉徴収担当者は所得税担当者の1割程度とか。企業の給与事務担当者を無料で使っているわけです。
源泉徴収されると丸裸で控除も限られているので、社内起業して個人事業者として会社の仕事を請け負えば経費をバンバン落とせます。確か野口悠紀雄も同じことをどこかで書いていましたね。
ちなみに外資企業がよくやっているみたいですが、給与として支給しないで住居とか福利厚生で現物貸与すれば非課税給付になるので節税になるとか。
確定申告する際にグレーゾーンで判断に迷う部分はあるのですが、税務署に聞けば必ず厳しいほうに回答します。でも税務署の判断は絶対ではないし、さっさと自分で有利な方に判断して申告すればそれを覆すだけの手間と自信はない。日本は申告納税制度の国なので、基本的に納税者の申告を認めるのが建前。納税者の申告に明らかな誤りがあった場合だけに修正指導が行われるので、グレーゾーンではよほどのことがない限り税務署が修正指導したりしないとか。出したもん勝ちなのかと少し気が楽になりました。
ところでこの本では有名人の節税術も紹介しています。
住民税について言えば竹中平蔵の節税術はまねはできないですが究極の方法です。何となく竹中という人間の品性のいやしさを感じてしまいます。住民税は前年の所得が1月1日現在住所のある人にかかります。1月1日の海外へ住所を移していればかかりません。当時慶応大学の教授でしたがアメリカで研究しているということで1月1日の住所はアメリカに移しています。しかし慶応大学教授として働いているので所得税は日本で申告しています。アメリカでは所得が発生していないのでアメリカでの住民税は払っていないのでしょう。まさに制度の狭間をついたのですが、こういう人が大臣までなって経済云々というのはどうなんでしょう。
この他にも政治家の政治資金を活用した節税、投資事業組合を活用して急成長した村上ファンドなどの仕組み、沖縄構造改革特区を利用したライブドアの節税術、海外へ資産を移しての節税術、芸能人などが会社をつくっての節税、ペーパーカンパニーを利用した節税と、いろいろな節税方法が出て来ますが、残念ながら個人でうまく活用できそうなものはありません。今なら「ふるさと納税」を目いっぱい活用しましょうというのが一番です。
強いて言うならば、そんなお金もないのですが、「危ない金は現金で持て」ということですか。
あの田中角栄は税についても裏の裏を知り尽くしていたので、脱税では起訴されていません。更に相続税対策もちゃんと怠りなくて、資産400億円以上あったと言われますが遺族の納めた相続税は65億円。うまくファミリー企業などを使って土地建物株などを分散していたみたいです。
一方、金丸信は裏献金を割引債で持っていたので脱税で逮捕されました。橋本派は日本歯科医師会の裏献金を小切手で受け取っているので政治資金規正法に問われたのです。現金でなくて金融機関をかましていると金の出入りの記録が当局に把握されてしまうのです。
相続する時でもそうですが、金融機関に記録が残っているお金は調べられれば絶対にごまかしようがありません。タンス預金で家に現金がある場合はどこからのお金がわからないので税務調査で家探しされて見つからない限り税務当局には分からないのです。でももう危ないという時から始めたのではバレバレです。相続する財産があるのなら何年か前から準備を怠らないようにしないと税金は免れないみたいです。毎年100万円づつ贈与するとするといいのですが10年で1千万円なので退職したらすぐに取り組めということですか。まだまだ自分で使えるうちは使いたいですね。預金を下ろして家で現金を保管するのも盗難にあうとか火事になったらどうしようとか心労が重なり大変なので無理ですね。財産があればちゃんと申告して正しく税金は納めましょう。
著者は元国税調査官で現在はフリーライターとか。もっと実務的にここまでは税務署もやらないだろうというような抜け道もありそうですが、書けるのはこれくらいなのでしょうか。確定申告するのならもっと実務的な本を読んだ方がいいのかな。
コメント
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