知人と雑談をしていたら、「恩人を5人挙げるなら誰か、その中に信者さんはいるか」と問われた。あまり普段考えたことのない問いで一瞬驚いた。本当はいつも胸に秘めて感謝していなければならない人々のはずだが、きちんとまとめて考えたことはなかった。
考えてみると、これは難しい問いだ。そもそも恩人とは誰のことか。領域ごとに異なるかもしれない。進学や職業選択でお世話になった人、思想や信仰面で影響を受けた人、金銭面でたすけてもらったことのある人、日常生活でお世話になっている人、趣味とかお稽古ごとの指導者などなど。小中高の先生を挙げる人もいるかもしれない。または職場の上司を挙げる人もいるかもしれない。
5人、というのも難しい。まず、両親を挙げる人は多いだろう。だが5人の中に両親を含めてしまうと、数が足りなくなるかもしれない。または、5人も挙げるのは無理だ、恩人は一人だ、という場合もあるだろう。
その中に信者さんはいるか、も難しい問いだ。代父や代母を挙げるにしても、恩人のカテゴリーに入るのだろうか。結婚式のお仲人さんと同じで、実質的な場合と形式的な場合があるだろうから、一概に代父や代母を含めるわけにもいかないだろう。
などとあれこれ考えているうちに、答えに詰まってしまった。というより、改めて考えてみようと思った。私の場合は5人の名前は一応すうっと出てきたが、もう亡くなった方とご存命中の方を混ぜてもよいのかどうかは、判断がつかなかった。これはわれわれがもう、終活とは言わないが、高齢者の段階に入っているから出てくる疑問なのであって、現役の人たちが考える恩人とは意味が異なるのかもしれない。
ということで、結構楽しい話題になった。よい機会なので自分ではまとめてみてブログに残してみたが、忘れないためのメモ代わりだ。こういうことはエンディング・ノートにでも書いておくことで、人様に公開するものでもあるまい。連れ合いに話したら、「頭がおかしくなったのではないか」と一笑に付された。ごもっともです。