事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ちょっとこれは・・・

2018-01-10 14:33:04 | 本と雑誌
ミラー「耳をすます壁
これも既読だが全く読めず、記憶にあったのはある女性が広場でハトを見て(全然似てないのに)義理の妹を連想する1カットだけ、何でこんなとこが印象に残ったのかねー

メキシコシティのホテルで女がバルコニーから転落死する、自殺で処理されたが(また?)それまでの描写を見るととても自殺などしそうもないタマ(だと思う、言ってもせんないことながら彼女のキャラはいまいちはっきりしない)、もし殺人であれば犯人は同じ部屋に泊まってた友人しかいないんだが彼女は失踪し、その夫は「当分別居することにした」と心配するそぶりを見せない、これは絶対に怪しいと彼女の兄貴が探偵に妹の捜索を依頼する、さて彼女はいったいどこに?

途中(怪しい夫が死体を残し大金と若い女を伴って逃亡)まではスリリングですごくいい、だが場面一転してみんながメキシコシティのホテルへ戻ってからはいくら何でもそんなことがあってたまるかよ、彼らのうち2人は殺人とその事後従犯なのだ、探偵が真相を知ってて警察に情報を知らせちゃった以上逃げ切れる可能性はゼロ、捕まれば放免されるわけはない、メキシコまで行って事件を再現する芝居などできるハズもないのだ、全てはラストの一行(ある意味もっとも意外な結末)で読者をあっと言わせるためのテクなのだが、どうもあんまし説得力ありとは思えない、いや、よく読み直すとそのための設定はキッチリ作ってあるしこれがデビュー作だったら(クリスティほどじゃなくても)立派なもんなんだが(クドい)

おっとこれネタバレだね、だけどこれは珍しくネタ知ってても楽しめるタイプのミステリだと思う、その意味では恐るべしミラー

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