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ローマ亡き後の地中海世界 下 価格:¥ 3,150(税込) 発売日:2009-01 |
平和主義者に任せておけない
と言ったのは誰だったか忘れたけど、これは平和と安全を守るためにひたすら戦い続けなくちゃいけなかった男たちのお話、おもしろいけどかなり辛い
そもヨーロッパは森を開いたから荒廃が始まった-と言われるしそれは一面の真実なんだろうけど、だったら砂漠の宗教にやられっぱなしの「暗黒の中世」でいつまでもいればよかったのかと言えば、そうだと言うヒトはいないと思う、強盗を追っ払うには戦うしかないんだし「ハラが減っては戦はできない」のだ
でもこれは即「食料があればモメゴトがなくなるわけではない」という意味でもあるのよね、15-16世紀、イスラム世界ではサラセン帝国がオスマントルコに変わったけど、地中海で一般人を襲う海賊の脅威は諸般の事情でそのままだった、でもってヨーロッパ世界はイタリア、スペイン、フランス、ドイツそれぞれの利害が対立してケンカばかり、庶民の安全を守るどころではなかった、この時期海賊と戦ったのは騎士とか傭兵隊長とか、しばしば悲惨な戦いだったが、海賊とて商売、死ぬ気で戦ったりはしないから始末がいいのか悪いのか・・・
ともあれ最終的に海賊がいなくなったのは、オスマン帝国が衰退したのとヨーロッパの関心が大西洋→新大陸に向いて地中海の重要性が落ちたからだったらしい、そうなるのに千年かかったのだった、全く何と言ったらよいのやら
考えてみれば(いやみなくても)イスラム世界とキリスト教世界のモメゴト自体は場所を変えただけで全然解決してないどころか、ヒトの数が増えた分ややこしさを増す一方なのかも、今はそれどころじゃないと思うんだがなあ・・・・・