路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

水浸し紫陽花地球に転がれり

2010年07月14日 | Weblog

 降るなあ。こんなに降っていいものだろうか。満目悉皆、森羅万象、水浸しである。

 いろいろあるけど、急にメンドくさくなってきたな。
 雨のせいかな。

 なんかミズっぽいんだよね。ナニモカモ。

                 

 新村出『ローカン記』(漢字メンドくさい。)読んでたら、「トテモ面白い」などのようにトテモを肯定的に使う言い方が最近出てきた、という文章に出会う。トテモ、というのは、「トテモ耐えられない」というように否定語に使うのが本来であるのに、近来肯定的に使う人々が出てきたという導入である。
 書かれたのは昭和二年。章題は「山言葉」
 「都会人の山岳趣味」が招来した言葉使いであるらしい。つまり、東北や信州などの山国で使われていた方言が都会人の間にも伝播してしまった、ということらしい。

 うむ、トテモ面白い。

 先日、上京の際、テレビ芸人言語学者が、「若者言葉として非難される、ら抜き言葉、は信州あたりでは昔から方言として普通に使われていた。」と言っていて、ワシの年来の主張そのままで意を強くしたが、(それほどでもないか)これもまた山言葉の一種であるか。

 しかしナンだよ、山言葉って。

                

 同じく『ローカン記』の「愛という言葉」によると、三百有余年前のキリシタン文学では、愛、という文字のかわりに、大切、という文字が使われているのだという。
 「文禄四年の天草版『拉丁(ラテン)辞書』を見ると、アモールすなわち愛というラテン語に対して、大切と思ひとの二語があてられている。」らしい。

                 

 あしたもまだ雨降るのだろうか。

 週末には梅雨明けというハナシもあるが。

 ほんとうに今頃は調子がくるう。
 すべては天気のせい、ということにしておくか。

 というわけで、御身お大切に、と思います。