路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

タマネギのとなりの帝都薄曇

2010年07月02日 | Weblog
 朝も早くから上京。
 なんだかわからんが、なんだかわからん会議があるのだ。
 曇りで、雨降りそうな降らなそうな。

                

 同行するのは、オジサンとオバサン。親戚の、というわけではなくて、年齢的にそう呼ばれる範疇の人々ということで、オジサンはマジメな村夫子、オバサンはハナシ好きなお金持ち、といったところですか。

 やってきたところはクダンカイカン。大きなタマネギのとなり、ですね。
 そこで、研究会という名の、まあ、えらい人のおはなしを聞く会。えらい人は二日で四人。そのうち一人はラジオで時々聞く女性アナウンサーで、もう一人はテレビで時々見かける学者先生。残りの二人はワシよりも随分若いが、ワシよりも随分エライ。多分トーダイとかでていて、そのうち選挙に出てセンセイになるか、ジムジカンとかになって政治家を嗤ってすごすか、悪くしても何度か天下ってお金持ちになれるひとたち。

                   

 それにしても、クダンカイカン、椅子がせまくてさらに前の椅子との間隔がせまい。全体に斜めに座らないと体が入らない。これは疲れるな、と思ってホントに疲れた。

 で、昼前にえらい人のお話。聞く気もないし聞いてもわからないから、なんだかやっぱりわからない。
 昼食にそれなりのお弁当が配られて、体曲げながら食べていると、同行のオバサンが周辺地図を調達してきて、どこへ行きます?と聞く。3時には本日の部が終わるからその後夕飯までどこで過ごすか、ということで、あれやこれやと話し合いの末、近代美術館に行くことになる。

                  

 で、午後の部で、ベテラン女性アナウンサーの活舌のいいハナシを聞いて眠くなってから、クダンカイカンを出て三人で歩いて近代美術館まで。
 
 暑い、とても。蒸し暑い。

 近代美術館では、特別展で建築のナントカというのをやっていて、ワシはそれ見たかったけど二人とも見る気はなくて常設展へ。
 最初の部屋でいきなり荻原守衛「女」とか高村光太郎「手」とかあって、おお近代、ということになる。並んで中村ツネ「エロシェンコの像」があって重要文化財の表示があるから、「油絵で重文なのはこれだけなんですよ。」と説明して感心されるが、次のブースに入ったら、岸田劉生や梅原龍三郎なんかが出てきて、それぞれ次々と重要文化財の表示があって、以後沈黙する。

 ナントカという知らない画家の絵を見ていたら、並んでみていた70歳くらいの白髪の老人が、見張り(?)して立っているオネエサンを呼んできて、説明板の画家の夫人の旧姓が宗方とあるが宗像であるから直しておくように、と言う。ナルホド、このくらいでなければ知ったかぶりしてはいけないのであるな、と以後ますます沈黙する。
 (それにしても呼ばれたオネエサンが美人でかつ対応が丁寧でさわやかでありました。)

 ワシが沈黙したのに対し、同行のオバサンが饒舌になり、人物のブロンズを見ては、「バリ島でこれに似たのを買った。」とか、パリのオルセーでこの人の展覧会をやってたとか、京都の景色の日本画で、ああここはきっとあのお店の近くだ、とか、掛け軸を見ては、「先日我が家の掛け軸を直してもらったときに、ナントカ(という織物)を使ってどうしたコーシタ、」とか金持ちオーラを全開にする。
 で、究極オバサンがワシにほほえみかけて、
「〇〇さんは、絵はよくお買いになります?」と。
 ウム、絵を買う、という発想はワシには全然アリマセン、とその金持ちオーラに内心轟沈する。

 まあ、そんなであるが、その後ホテルでチェックインした時もそのオバサン一人だけ、ナンかホテルの会員証みたいなの見せてカード払いでしたな。

 で、その後夕食へ、ということになる。
 ワシは夕食というなら近くのラーメン屋とかせいぜい廻る寿司とか思っていましたら、タクシー呼んで新宿へ出る、という。
 新宿へ出て、なんだかしらんが京料理の店みたいなのに入る。
 ワシはもう全く二人にオマカセであるが、そうすると、料理が一個ずつ運ばれてくる夕食になる。ラーメンが出て、まあちょっとおくれてギョーザが、みたいのはダメなんですかねえ、と思いながら食す。スンマセン、ラーメンとギョーザの方がウマインすけど、と思いながら食す。

 二人の会話を聞いていると、去年まではワシの前任者のなじみの店があって、そこで前任者がおごってくれていたらしい。
 前任者は坊さんで、ワシの檀那寺である。
 檀家の金で、東京になじみの店もって大盤ブルイしてやがったか、と思いながら食す。
 金持ちのオバサンは、家族中がうまいもの好きで、おいしいと聞くと、京都でも九州でも出掛けていくのだという。あ、ソウスカ、そうでしょうね、と思いながら食す。

 その後、ホテルに戻る。
 けっこうでかいテレビ(モチロン地デジ)があって、つけると、あら懐かしい放送大学が映る。
 久しぶりにみた「大学の窓」では、初めて見るきれいなオネエサンが司会をしておりました。

 で、なにやらテレビ、見るともなく見て、10時頃には眠くなって、そのまま就寝。

 エアコンきいてるから、涼しいな。