聖書のはなし ある長老派系キリスト教会礼拝の説教原稿

「聖書って、おもしろい!」「ナルホド!」と思ってもらえたら、「しめた!」

2021/2/21 創世記一章20-23節「空の鳥たち」こども聖書⑤

2021-02-17 17:37:14 | こども聖書
2021/2/21 創世記一章20-23節「空の鳥たち」こども聖書⑤

 神はこの世界に、植物、そして動物を造られました。聖書では、まず海の巨獣と、水に群がり蠢くすべての生き物、それから翼のあるすべての鳥を創造されたとあります。
「鳥よ、空いっぱいになれ。」神様の力強いおことばとともに、そのようになりました。明るい色の鳥、小さいものから大きいものまで、空を飛び回ります。上品な首を持つ白鳥や小さな羽のハチドリ、空高くまでものすごいスピードで飛べる鷲も神様の造られたものです。まもなく、鳥たちの幸せそうな囀りが、世界に響き始めました。毎日、鳥たちは声を上げて、賛美をしているのです。
 そうですね、一口で鳥といっても、鳥の種類は様々です。世界には一万種類もの鳥がいると言われます。色も様々、いや、鳥だけに、「色とりどり」です!
 最も大きなダチョウは200キロ、最も小さなマメハチドリは一円玉二枚よりも軽い。

 スピードは最も早いハヤブサは時速390km、最も遅いのはアメリカヤマシギで時速8km、人間の歩く速さより遅い。
ハヤブサ
アメリカヤマシギ

 鳥の囀りも、本当に美しく歌うものから、しゃがれた声まであります。
 ここで神は
「鳥は地の上、天の大空を飛べ」
と仰いました。そして
「翼のあるすべての鳥を種類ごとに創造された」
とあります。ところが鳥の中には、ダチョウやペンギンなど、空を飛べない鳥もいます。そうした鳥たちも神がお造りになりました。また、私たちの時代までに、恐竜の化石もたくさん発見されています。聖書には、恐竜のことは書かれていないように見えます。

 きっと、聖書が言いたいのは、世界がどのように出来たのか、という説明よりも、私たちが周りに見ることの出来るものすべてが、神がお造りになったものだよ、ということでしょう。そして、その翼のある鳥に目を向けて、行くときに、私たちの心にも翼が生えるような思いをするのです。イエスは言われました。
マタイ6:26 空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。それでも、あなたがたの天の父は養っていてくださいます。あなたがたはその鳥よりも、ずっと価値があるではありませんか。
 これは「よく観察し、注目しなさい」と言う言葉です。この言葉を聞いただけなら、なんだか鳥は仕事もせずに、のんきに歌ったり飛んで遊んだりして気楽でいいなぁと思うでしょう。実際は、鳥は一日中、空を飛びながら餌を探しています。歌っているのは、雄が雌にアピールするためだったりします。鳥は呑気に歌ってなどおらず、その日その日を精一杯働いて生きています。

 また鳥が飛ぶのは大変な運動です。人間が鳥のように飛ぶためには、もっとどれほどの筋肉をつけなければならないか、驚きます。

 でも、そんな飛ぶ鳥たちを見上げさせて、神は私たちの想像力に翼を与えてくださいます。聖書には、ペンギンや恐竜のことは出て来ない理由は分かりませんが、翼のある鳥たちを見上げて、よく観察することを通して、神は私たちに沢山のことを教えてくださいます。

 その一つは、自由とか希望でしょう。翼のある鳥の空を舞う姿に憧れましょう。
イザヤ書四〇31しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように、翼を広げて上ることができる。走っても力衰えず、歩いても疲れない。

 また、翼は、柔らかく大きく、ヒナを守る覆いでもあります。そして、神である主ご自身が、ご自分を翼がある母鳥のように描かれて、神の民への守り、愛を描かれます。
詩篇63:8まことにあなたは私の助けでした。御翼の陰で私は喜び歌います。
91:4主は ご自分の羽であなたをおおい あなたは その翼の下に身を避ける。
イザヤ書31:5 万軍の主は、舞い飛ぶ鳥のようにエルサレムを守る。これを守って救い出し、これを助けて解放する。

 鳥の翼の羽は、軽くて温かいです。羽毛の布団は、高級で心地よい寝具です。それもまた、人間には簡単に真似できない、神の素晴らしい手の業です。そして、その神が私たちをも翼を伸べ広げるようにして覆い、守っていてくださるのです。今日の招詞も、
詩篇124:7 鳥のように 私たちのたましいは 仕掛けられた罠から助け出された。罠は破られ 私たちは助け出された。

 また、鳥は「帰巣本能」があり、家に帰ります。その姿も驚くべきことです。
エレミヤ書8:7 空のこうのとりも、自分の季節を知っている。山鳩も燕も鶴も、自分の帰る時を守る。しかし、わが民は主の定めを知らない。

 コウノトリは南アフリカから北欧まで、12,000kmもの旅をします。エベレストを超えて旅をする渡り鳥もいます。鳩の帰巣本能を利用した伝書鳩は、ごく最近まで大切な通信手段として使われていました。手紙を足に付けて、200km、鳴門から琵琶湖か松山までぐらいの距離を飛ぶのが伝書鳩ですが、鳩の帰巣本能は1000km、鳴門から青森でも帰って行けるのだそうです。

 その姿に準えて、主は主の民にも言われるのです。帰って来なさい。わたしの元に帰ってきなさい、と。どんなに神様から遠く離れたようでも遅いとか遠すぎることはありません。神が私たちのそばに飛んで来て下さるからです。
 鳥の帰巣本能は不思議で、未だに何故鳥がそんなに遠くの巣が分かるのか、どうして不思議な生活をしているのか、私たちには分かりません。不思議な鳥の生態は、私たちに、自分の知識の限界を思い知らせてくれます。そこで、こんな言葉も出て来ます。
ヨブ39:26あなたの考えによってか。鷹が舞い上がり、南にその翼を広げるのは。あなたの命令によってか。鷲が高く上がり、その巣を高いところに作るのは。

箴言30:18-19私にとって不思議なことが三つある。…天にある鷲の道、岩の上にある蛇の道、海の真ん中にある船の道、…



 神は鳥をお造りになりました。その生態も、本当に不思議でユニークで、まだまだ知られていません。そんな鳥たちを私たちの上に飛ばせて、神は沢山のことを気づかせてくれます。そして、その鳥をさえ養っている神は、まして私たちのことも気にかけていないはずがないでしょう?と言われるのです。神は、私たちを守り、御翼の陰に入れて、守って下さる。なんと生き生きとしたイメージでしょう。鳥も神からのプレゼントです。

「造り主なる神様。あなたは、空を飛ぶ、翼を持つ鳥たちを作られて、驚くばかりの個性を与えておられます。あなたの不思議で、惜しみない御業が、空を飛び回っています。どうぞ、私たちが自分の小さな狭い世界の中に閉じ籠もらないよう、私たちの心にも、歩みにも、翼を与えてください。禍からは逃れさせて御翼の下に匿ってください。自由に大空に羽ばたいていく勇気も与えてください。あなたの栄光を歌わせてください」
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