一昨日までオイラーの公式についてエッセイを書きたいなどとは思ってもいなかった。
それが雑誌「数学教室」の最新号に出ていた導出法に誘発されて、昨日からエッセイを書き始めた。
いま4つのやり方での導出を書くつもりである。一つだけでもその導出法を知っていれば十分かもしれないが、いろいろな導出を知っているのも悪くはあるまい。
私の友人の数学者Nさんが導いた方法もあるが、それを聞いたときにはさしてどうとも思わなかったのだが、やはり導出法も数がそろうと力になる。
こういった導出法を集めてみるとどうもなんだか蝶やトンボを収集しているような感じだ。ついぞ蝶やトンボを収集するという趣味はもたなかったが、蝶の羽根の色が、模様が違っているとか珍しいとか言って喜んでいるのと同じようなものであろう。
(2011.4.22 付記) 愛媛県数学教育協議会(愛数協)の機関誌「研究と実践」102号(2009.10)にすでにオイラーの公式の導き方のいくつかをまとめたものを載せている。
その導き方をどれか一つを知っていれば、関係式を理解するためには十分であるので、その導き方をいくつ知ってもしょうがない。
愛数協の「研究と実践」はマイナーな機関誌で、いかに数学好きでも一般の人の目にはつかないものであるので、この「オイラーの公式の導出いろいろ」をもっと一般の目に触れるところに載せたいと思わないでもないが、発表済みであるので、遠慮をすべきであろうと考えている。
私が編集人の一人を勤める、「数学・物理通信」で掲載する内容が、もしまったくない場合には、ひょっとして掲載するかもしれないが、現在はその予定はない。これは超幾何関数についてもまったく同様である。
(2014.8.22付記) 現在の気持ちとしては「オイラーの公式の導出いろいろ」は『数学・物理通信』にいつか載せたいと考えている。
しかし、投稿が多いので、なかなか掲載することにはならないのが残念である。もし、『数学・物理通信』に掲載すれば、インターネットでアクセスできるので多くの人の利用が可能となる。
http://www.amazon.de/Zur-Theorie-komplexer-Funktionen-1768-1783/dp/3817132611/ref=wl_it_dp?ie=UTF8&coliid=I2C51DV0ZPTBVR&colid=L88D1BCTVS06
教えて頂き有難うございます。購入することも検討してみます。
オイラーの公式の4つの導き方はその内の3つがcos x+isin xという式を基本にしており,これが複素数の極形式表示に関係している導出法が2つ、後一つはcos ^{2} x+isin ^{2}x=1を複素数で因数分解することからcos x+isin xという因数が出て来て、これが指数法則に従っていることを示し、それから微分方程式をつくり、オイラーの公式を出すという方法です。
オイラー自身は調和振動の方程式の見かけの違った解が二つ(三角関数型の解と指数関数型の解)得られたことから、その二つの表現が等しいということを級数展開で分かったらしい。ああ、この導出も入れると5つになりますか。
教えて頂いた本はひょっとしてオイラーの公式の導出には役立たなくとも複素関数論の特に解析接続のやり方に方に役立つかもしれません。解析接続の概念はリーマンとワイヤストラウス以降だとは思いますが,それでもプリミティブな形でオイラーに出ているかもしれませんね。
いずれにしても近頃はある種のオイラーブームのようですね。オイラーうんぬんといった本が日本で数冊出ているようです。もちろんこのうちの少なくとも1冊は翻訳ですが。