ベクトル解析で重要な定理としてストークスの定理とガウスの定理がある。
ところが、この定理の証明をいくつかの本で読んだのだが、どうも私にはなっとくできない。それでしかたなく、微分形式の初歩を学んでこれによって、ストークスの定理とガウスの定理の証明をしようかと考え始めた。
実は前にきっかけとなるメモをいつのころかわからないが、書いているのを昨日だったか一昨日だったか見つけた。このメモはわかりにくいので、午前より清書をはじめたところである。
ソリトンの研究で有名だった、亡くなった広田良吾さんのように微分形式だと何でも計算できてしまうが、ベクトル解析の意味がさっぱり分からないという人もいるが、私には普通のストークスの定理とガウスの定理の証明が定着しないので仕方なく、微分形式に頼ろうというわけである。
ストークスの定理とガウスの定理の証明は『ハミルトンと四元数』(海鳴社、2007)は載っていないが、ベクトル代数とベクトル解析の公式の導出は出ている。それで四元数でベクトル代数とベクトル解析を学ぶのは一つの方法である。
もっとも、私もこれらのベクトル解析の公式を導くことを難しいと思っているわけではない。これらはLevi-Civitaの記号を使ってテンソル演算をすれば、これらの公式が導出できることは、すでに私も「数学・物理通信」に掲載のエッセイで示したことである。
それにもっと以前にこのことは小著『数学散歩』(国土社、2005)とか『物理数学散歩』(国土社、2011)で示した。
微分形式を学ぶといいのは、ガウスの定理とかストークスの定理とかが初歩の微分積分学に出てくる微分積分学の基本定理の一般化であることまでわかることである。