積読と書いて「つんどく」と読む。
最近、朝、目を覚めましてから自分の書棚をちらっと見まわして、あまり読んだことがない本をとりだしては10分か20分眺めている。
ときどき、こんな本を買っていたのかと思うような書に出会う。昨日だったか一昨日だったかに見つけた本は『数学研究法』(日本評論社)という本であった。
こういう本は私の関心を引くだろうと思われるのだが、それにしても買ってから中を覗いたことはなかった。いつか見てみようと思っているうちにその本の存在も忘れるという具合である。
四元数の単位1, i, j, kと2行2列の単位行列とPauli行列との対応を考えたときにもあまり読んだことがない、エリー・カルタンの "Theory of Spinor" (Dover) を引っ張り出して来て参照した。妻などに言わせるとこんな書は私がほとんど読まないたぐいの書であるが、それでも大学の図書館に行かずに自分の蔵書の中にその書を持っていたので、すぐに見ることができた。
カルタンは i, j, k をPauli行列 -i\sigma _{1}, -i\sigma _{2}, -i\sigma _{3}と対応させていることを知った。ところが岩波『理化学辞典』最新版には別の対応のさせ方をしていた。また、志村五郎さんの『数学をいかに使うか』(ちくま学芸文庫)では、またそれらとは別の対応をさせていることも知った。
このいろいろな対応のさせ方についてはその理由というかその由来を見極めて、小著『四元数の発見』(海鳴社)に書いておいた。そういうことは何でもないことであるが、普通には数学者などが記録にとどめることはない。そういう細かな注意をこの書には初学者のために書き込んである。
最近、朝、目を覚めましてから自分の書棚をちらっと見まわして、あまり読んだことがない本をとりだしては10分か20分眺めている。
ときどき、こんな本を買っていたのかと思うような書に出会う。昨日だったか一昨日だったかに見つけた本は『数学研究法』(日本評論社)という本であった。
こういう本は私の関心を引くだろうと思われるのだが、それにしても買ってから中を覗いたことはなかった。いつか見てみようと思っているうちにその本の存在も忘れるという具合である。
四元数の単位1, i, j, kと2行2列の単位行列とPauli行列との対応を考えたときにもあまり読んだことがない、エリー・カルタンの "Theory of Spinor" (Dover) を引っ張り出して来て参照した。妻などに言わせるとこんな書は私がほとんど読まないたぐいの書であるが、それでも大学の図書館に行かずに自分の蔵書の中にその書を持っていたので、すぐに見ることができた。
カルタンは i, j, k をPauli行列 -i\sigma _{1}, -i\sigma _{2}, -i\sigma _{3}と対応させていることを知った。ところが岩波『理化学辞典』最新版には別の対応のさせ方をしていた。また、志村五郎さんの『数学をいかに使うか』(ちくま学芸文庫)では、またそれらとは別の対応をさせていることも知った。
このいろいろな対応のさせ方についてはその理由というかその由来を見極めて、小著『四元数の発見』(海鳴社)に書いておいた。そういうことは何でもないことであるが、普通には数学者などが記録にとどめることはない。そういう細かな注意をこの書には初学者のために書き込んである。