7月17日(土)15時から愛媛日独協会総会が愛媛大学法文学部の会議室であった。
総会の後で講演会があったが、一人は学生の小林つかささんで、フライブルクの一年の滞在についてスライドを交えて話された。もっともどうしたものかこの写真が暗くくて、よく分からないのが残念だった。講演は小林さんが書いてきた文を読み上げる形式だったが、要領はいいものであった。
続いて、松山大学の田口武史准教授の「書物と農民の機能転換」という題のやや固めの題ではあったが、内容はなかなかおもしろいものであった。
ベッカーという人の編纂した「農民のための救難便覧」という名の書籍が累積で50万部も売れたという。これを計画したベッカー氏の販売戦略が詳しく語られた。
実際にはほとんどの農民は18世紀当時字を読めなかったらしいが、それでも啓蒙市民といわれる市民階級や都市自治体が購入して農家に配布したらしい。その当時のベストセラーである、聖書と比べてもそれを上回る売れ行きだったという。
この本の中の絵についた文を一つだけ紹介する。
Lustig gelebt und selig gestorben: heisst dem Teufel die Rechnung verdorben !
愉快な生活楽しんで、ほろ酔い気分でおだぶつすれば、悪魔のもくろみ、おじゃんてことよ!(訳は田口氏による)
どうも最近のPPK(ぴんぴんころり)みたいな言い方であるが、これは実は「ブランデーの功罪について」というブランデーを飲み過ぎないようにとのアドバイスを与える章の絵についた文章であるが、教訓というか生活指針を述べた本文よりもこちらを読んでみる方が面白そうである。
それで、思ったのだが、私のe-Learningコンテンツの配布のヒントになるのではないかと。
私は自分のつくったコンテンツを無料で配布してもいいと考えていたが、その後の懇親会でタダで配布したものは大切にしないということがあるらしいので、読んでほしいものは有料で配布した方がかえって読まれるのだということをドイツ人のR氏に教えられた。おかしなものである。