物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

べき関数の微積分

2009-04-27 10:56:13 | 数学

世の中には数学と聞くととても難しいものとはじめから思いこんでいる人もいる。数学でも難しいものあれば、その考えは誰でも直観的にわかることもある。べき関数の微積分も直観的にわかることの一つではなかろうか。

いま一定の関数y=cをグラフに描いてそれを0からxまでの面積を求めれば、その面積はcxとなる。これはy=cを0からxまで積分したことである。そのcxという面積をy=cxという関数だとみて、xで微分すれば、その導関数としてy'=cが得られる。要するに元の直線の式が得られた。

もう一つの例をみてみよう。y=xという比例関数とx軸との間の面積を求めてみる。x=0からxまでの面積は底辺xで高さxの三角形の面積であるから(1/2)x^{2}となる。これはy=xを0からxまで積分したことである。また、この面積をxの関数としてy=(1/2)x^{2}とおいてxで微分すれば、y'=xが得られる。

上の二つの例は積分と微分とが逆演算となっていることを具体的に示している。

こういうことを文系の大学への進学を目指す高校生も知っておいてほしい。どうも微分積分という言葉を聞いただけでそれだけで腰が引けてほしくはないのだ。いや、高校生でなくても中学生でもこのくらいのことは知っておいてほしい。これは誰にでも直観的にわかることなのだから。

さらにいうとy=x^{n}の0からxまでの積分はx^{n+1}/(n+1)であり、それを微分すると元のy'=x^{n}にもどる。そういうことを知るとやっと微積分のすごさが、ご利益がわかるようになる。そういうことが市民のほとんどの常識となるような社会の実現は難しいのだろうか。

Newtonは1642の生まれで私よりも約300年前に生まれているが、私たち現代人の大多数はまだ300年前の彼を理解していない。残念なことである。