平川門(渡櫓門)をくぐるとすぐに天神堀です。三の丸と二の丸を隔てる堀ですが、南半分は埋め立てられています。名前は背後にある本丸への上り坂付近に、文明10年(1478年)、太田道灌によって創建された平河天神にちなんでいます。なお、平河天神は、慶長年間(1596~1615年)の江戸城拡張に際し、半蔵門外の現平河町に遷座しました。現在は→ 平河天満宮と名乗っています。このような歴史的経過のため、平川(平河)の名前が、江戸城をはさんで反対側に移り、ややこしいことになってしまいました。
- ・ 平川門(高麗門) 橋の正面右手にある高麗門です。かの春日局が門限に遅れ、門前で一夜を明かしたとのエピソードもありますが。
- ・ 平川門(渡櫓門) 高麗門をくぐって左手にあるのが渡櫓門です。右手奥には帯曲輪(おびくるわ)門があり、これが不浄門とされます。
- ・ 下梅林門 平川門をくぐると三の丸で、その先に右手平川堀、左手天神堀を隔てる下梅林門があります。石垣のみ残る門をくぐると二の丸です。
- ・ 梅林坂 平河天神があったといわれる梅林坂で、坂上の上梅林門の先は本丸です。
なお、→ 「別本慶長江戸図」にも「梅ノ林」の書き込みがあります。