室生犀星の別荘だった旧居
今日も、また旅行記です。
又恐ろしいほどの長文。(笑)
退屈な文章でお読みぐるしいと思います。
どうぞ、スル―なさって下さいね。
今回の軽井沢の旅行で、非常に興味深く感じたことがありました。
軽井沢が、避暑地として認められるようになった初期の頃から、文豪達を惹きつけてやまない土地柄であったこと。
森鴎外、正岡子規、尾崎紅葉、田山花袋等々、多くの文学者がこの地にかかわる執筆をしています。
同じく室生犀星、堀辰雄、有島武雄、川端靖成、その他多くの作家たちが、別荘を構え、この地を愛して止みませんでした。
その旧居や跡地、文学碑などが、いたるところに点在するのも、軽井沢の特徴です。
作家に限らず、政財界の多くの著名人が、この地に別荘を構えたことは言うまでもありません。
それほどの魅力が、どこにあるのだろうと・・・・・
観光のみならず、それを知りたい、と私の錆びた感性が多少研ぎ澄まされたようにも。(笑)
そして、素直に、それを認める結果となりました。
私の感動が、極まりないものだったからです。
過去の一番良き時代に比べると、開発が進み、俗化著しく、変容はすさまじいものだったに違いありません。
そして、この歳になり初めて、この有名な避暑地を訪れた私です。
しかし、今更ながらですが、その奥深い魅力が、幾分なりとも理解できたような、気持ちにも。
昨日は、私なりの感動を、拙い文章で精一杯綴りもしました。
旅行二日目に私達は、万平ホテルからほど近い、室生犀星の別荘だった、旧居を訪ねました。
前の林の小径は、「犀星の径」と名付けられています。
葉影がゆれる、密やかな雰囲気漂う小径を歩くうちに、犀星の旧居に到着しました。
純和風の端正な趣の建物で、障子の白さが、緑の林の中、ひときわ清々しく目に映ります。
その凛とし風雅な佇まいに、作家、詩人、室生犀星の人柄と感性を身近に感じる思いがしました。
犀星の書物を手にしたことは、恐らくない私ですが、日本文学史上では大家のお一人ですね~
芥川龍之介との親交も深く、堀辰雄など、若い文筆家の面倒をよく見た方のようです。
この別荘には、その他、川端靖成、円地文子、志賀直哉、正宗白鳥、大仏次郎、吉川英治等、著名な作家が集い、温かな交流があったとの事。
犀星の小径を、このような思いで踏みしめ、その旧居を訪ねると、過去の情景が彷彿されるようで、いっそう感慨深いものがありました。
軽井沢の詩情豊かな自然は、作家、詩人達の心を憩わせ、創作意欲を駆り立てるに十分な環境だったのでしょう。
軽井沢が舞台となった堀辰雄の小説、「風立ちぬ」と「美しい村」。
透明感漂う美しい題名のみで、私は若い時、この書物に、とても心惹かれました。
物語のロマンへの想像が、膨らんだものです。
風立ちぬは読みましたが、美しい村は、記憶が全くありませんね~
小説に描かれた結核療養所、サナトリウムの建物は、今はもうなく、その前を通る小径は、サナトリウムレーン(ささやきの小径)と名称が付けられています。
軽井沢で、よく見かけたのの花。ダイコンソウ
芥川龍之介も「軽井沢日記」を、格調ある名文で綴っているようです。
是非読んでみたいもの、と思いました。
昨日は、私達が宿泊した万平ホテルをご紹介しましたが、過去の作家達が一番利用した宿は、中山道の入口に立つ鶴屋旅館です。
今もなお健在で、日本旅館としての格調と趣にあふれた外観を呈しています。
私はその前に佇み入口に目をやると、、この旅館を出入りする文豪達のの姿が、思い浮かぶようでした。
その奥座敷を、芥川龍之介などが、文学的サロンの場として利用したようです。
このように、軽井沢は、著名な文筆家たちの憩い、交流、活躍の場だったのですね~
しかし、一方では、この場所を死に場所として選んだ有名な小説家もいます。
最近でも、音楽家の加藤和彦さんが、この地で自死し、報道されましたね~
軽井沢を死に場所として選ぶところがいかにも彼らしい、という記事が目に留まりました。
彼らしいとは、どういう事なのかしら、と軽井沢への私の関心が、深まったものでしたが・・・・・・
過去で有名なのは、有島武郎の情死です。
有島武郎の書物で忘れられないのは、「ある女」でしょうか。
奔放な女性、葉子の生き方に、私は若いころ、鮮烈な印象を受けました。
鳩山由紀夫氏初め政財界の別荘が多い、三笠通りを少し外れた林の中に、有島武郎終焉の地碑の小さな道標と別荘の跡地があるようです。
三笠通りと言えば、忘れてならない軽井沢の観光スポットがあります。
有島家ともゆかりの深い、旧三笠ホテルです。
期待通りの、品格漂う麗しい西洋建築でした。
このホテルの創業者の実業家、山本直良は、有島武郎の妹と結婚しています。
一風変わった強い個性で、私達を楽しませてくれた音楽家、故山本直純氏は、この人の孫に当たるそうです。。
この旧ホテルは、明治39年に開業されたました。
木造洋風建築に、ゴシック風の重厚さを加えれれた建物で、建てられた当時は、軽井沢の鹿鳴館と言われたとのこと。
上流階級の人々が集うパーティーが、度々催されたました。
その空間に身を置くと、往時の華やぎが、さざめきとなって聞こえてくるようです。
このホテルを、有島武郎等、白樺派の作家たちが、文学的サロンとしても、利用していました。
軽井沢の観光スポットとして、一見の価値十分ありです。
まだお訪ねになっていない方は、ぜひ訪れ、その周りの散策道も、散歩されては如何でしょう。
私達は、野鳥観測後、帰途に就く前の、タクシーに寄る慌ただしい観光でしたので、のんびりすることができなくて、少々残念でした。
ざっと、作家と軽井沢にまつわる題材に焦点を絞り、私が心惹かれたことを、かいつまんで綴ってみました。
もちろん、これまで語ってきたことは、私の知識ではありません。
ホテルに到着した日に、館内の売店で目に留まり、買い求めた書物が、私の軽井沢の旅を一層有意義なものにしてくれました。
下の写真が、その本です。
私は、ガイドブックは余り好きではありませんから、いつも斜め読みばかり。
但し、観光する際に、その土地の印象を綴ったエッセー等の良書に出合えると、それは大変幸運なことに思います。
今回は奇しくも、その幸いに巡り合うことができた私です。
とてつもなく長い文章に、またなってしまいました。
最後までお読み下さった皆様には、大切なお時間を割いてまで目を通して頂き、誠に恐縮です。
本当に有難うございました。
あともう1~2回で、旅行記は終わりたいものと・・・・・・・。
少々飽きてしまいました。(笑)
長女は、昨日から家族で五泊六日の九州旅行に出かけています。
台風の影響でお天気が心配でしたから、電話をかけたところ、よいお天気に恵まれているとのこと。
まずは一安心です。
普段共稼ぎでは、子供達とも密度の濃い触れ合いができませんものね~
良いかかわりを意識的に持って、子供達が一段と成長するように心がけてね、と老婆心から助言しておきました。
お天気に恵まれ、楽しい旅行になりますように、心から祈っています。
お立ち寄り下さいまして、有難うございました。
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