小雨がしめやかに降り、幾分肌寒い昨日、旦那さまは退院し、私と共に、無事に我が家に戻ってきました。
家に帰ると、まるで入院などしていなかったかのように、もとの暮らしを淡々と始めた夫です。
一方、私は、ホッとしたのか、一気に疲れが出て、いつもは20分の仮眠を、1時間もとる始末でした。
夫に私は、「入院の間は寝た暮らしで筋力が落ちているから、通常の体調に戻るまで、気を付けてね」と言いました。
しかし、それを意に介する風もなく、帰宅後もいつもと全く変わりない様子です。
私も、過労で倒れ、数度入院したことがあります.
そして退院後は、体が平常の体力に戻るには、いつもひと月程度かかりました。
しばらくは足が浮いたような浮遊感覚に見舞われ、気分が悪くなり、かがみこんでしまったりも、よくしたものです。
その点、夫の退院後の回復力は、いつも驚異的で、驚くばかりなんですね~
去年は、退院後数日経過した早朝、突然倒れ意識を失い、救急車で病院に運ばれたことが、一度だけありましたが。
大手術の前の前段階の門脈施術を受けた後のことです。
しかし、それを除けば、退院直後から、いつも食欲は旺盛。
数日で、日課の散歩にも出かけ、いつもの暮らしに戻れる旦那さま。
その体力、精神力の逞しさには、私は日頃、感嘆するばかりです。
今回の入院も、案ずるより産むが易しといった状況で、顕著な副作用も、ほとんど見られず、予定より多少早い退院でした。
夫の体は、肝炎による肝臓がんのリスクを除けば、健康そのものなのかもしれません。
そう思える根拠も、私にはあります。
一昨年の手術で、腫瘍を摘出し、まだ手術が終わる前の段階の時のことです。
私達家族は、手術室の一角にある小さな部屋に呼ばれました。
そこにお見えになったのは、手術着を纏い、幾分高揚されたような、大病院の院長先生でした。
肝臓がんの治療では、世界的に名医と名の知れたお方です。
夫の主治医で、執刀もして下さいました。
娘が、その時の先生の印象を、自信がみなぎり生き生きした姿だった、と後で話していました。
その院長先生が、無事腫瘍を摘出したことをご報告下さり、切除した肝臓の一部を見せて下さいました。
「触って見て下さい。まだ弾力があり、色もきれいですね~」
もっと症状が進んだ人の肝臓は、こんなに弾力はありませんし、色も黒ずんでいるものですよ」と。
臆病な私は、むろん触るどころではありません。目を覆いたくなりました。
さらに、その後に続いたお言葉が、今日に至るまで、夫は、末長い健康が望める人との根拠になっています。
肝臓がんとC型肝炎さえ治せば、のことですが。
手術をした際、夫の体の内臓を見た先生の感想です。
「他の内臓は、年齢にたがわず、実にきれいでしたよ」と、感嘆のこもった声で、おっしゃられたのです。
故に、肝臓のリスクさえ除けば、健康体の夫は、さらに強靭な精神力も支えとなり、、今後も、きっと元気に暮らし、長生きできるでしょう。
長年、かなりヘビーな喫煙習慣があり、晩酌も欠かさないほどお酒も好きでした。
が、病気が分かるやいなや、自発的に、見事に止めた人です。
夫の元気になりたいとの熱い思いがひしひしと伝わってきました。
ですから、私も妻として、そのために協力できることは、十分とは言えないまでも、精一杯やってきたつもりです。
そして今ほど、全快が期待できる喜ばしい状況はありません。
常に再発を、心の片隅で、私は怯えてきましたから。
あと数カ月の辛抱ですが、今は薬漬けの夫が、きっと元気になり、私達家族を喜ばせてくれるに違いない、と信じています。
私は、無愛想な夫に、時々ストレスを感じ、愚痴を述べ、娘達は、その発散の受け皿になってくれています。
しかしあれこれ言いながら、旦那様は、私の生きがいであり、心の支えなんですね~
夫が長い間留守をすると、途端に心の張り合いがなくなってしまい、家事全般の頑張りも失せてしまいますから。(笑)
ですから、いつまでもいつまでも元気でいてほしい。
そして私が、この世を去るのをしっかり見届けてほしい、と願います。
きっと、その時には、心を込めて、ありがとう!と言えることでしょう。
最後にもう一言、夫の病について、率直にお話ししましょう。
私の旦那様は、他にも目の難病を抱えています。
一昨年、手術で入院した際、診断されたことですが。
今の医術では、手の施しようがなく、最悪の場合は、失明もあり得ます。
既に、今もある程度の不自由な暮らしを余儀なくされています。
しかし命にかかわる病ではありません。
症状が、これ以上進行しないこともあります。
まさに神様に身をゆだねて暮らすしかない状況なのですが、私は、これ以上悪くならないことを信じて、明るく乗り切っていくしかありません。
もし万一、最悪の事態になれば、私が夫の手となり足となり、暮らしていけば良いだけのこと。
ですから、このことで、心配し過ぎて、暗くなるなんて愚かなこと、と自分自身に言い聞かせています。
又いつか、もっと詳しくお伝えできる時が、訪れるかもしれません。
しかし、今はさりげない表現で、私が対応したいことですから、これ以上のことを書くのは控えます
とにかく、二人とも、淡々と穏やかな暮らしを続けていくことに、今後も変わりないでしょうから。
このことを考えると、私は、願い通りに先に死ぬわけにはまいりませんでした。
夫の最後を見届けるまでは・・・・・・
頑張ります。
昨日は、過去最高の身に余るたくさん応援を頂戴し、本当にありがとうございました。
きっと、私と同じように自尊心の高い旦那さまで苦労されている方々が大勢いらっしゃり、共感して下さったのかしら。(笑)
お互いに、これからも賢く旦那様を操縦してまいりましょうね。
そして、益々実り豊かで、幸せな余生を紡いでまいりましょう。
昨夜の夕食
お祝いの食卓にふさわしい、鯛飯の献立の予定でした。
しかし、ホッとし、気が何だか抜けてしまい、頑張りがきかなくなってしまった私です。
横着心が出て、急きょ、簡単な鍋ものに変更となりました。
そら豆ご飯で、食卓に多少春の色合いを添えたつもりです。
昨日の歩数 7092歩 1昨日の歩数 6664歩
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