お盆シーズンになると毎年、お坊さまが、8月12日に、我が家に見えます。
数年前までは、強面の住職さまがおいでになりました。
とても大柄で貫録があられ、一見、そのご風貌は弁慶のよう。
私は大きな目を向けられると、ちょっぴり緊張してしまい、少々苦手なお坊さまです。
ところが、数年前から、その住職様に代わり見えるようになったのが、跡継ぎのご長男さん。
数年前にご結婚もされました。
お若いのに、とても人間ができた立派な青年です。
お顔立ちは、私が心から敬愛して止まない住職の奥様、すなわちお母様似でいらっしゃいます。
眼差しが、とても優しくて柔らか。
私がいつも感心するのは、お若いのに、なかなかの聞き上手でいらっしゃること。
じっと耳を傾け、最後まで私達の話を聞き、適切な答えを、いつも提供してくださいます。
私は、娘や妹に、私が死んだ時は、住職様でなく、息子さんに葬儀のお務めをお願いしてほしい、と言っているほどです。
ミーハー的な言い方をするなら、私は、このお坊さまの大ファンなのです。
住職様がおっしゃるには、
「~さんのお宅の人達はみんな優しいから、息子にお願いすることにしたのですよ。
『何故住職が来ないのだ』と文句を言う人が結構多いのです」
とのことでした。
理由は何であれ、私は大ファンの息子さんのお越しを大歓迎です。(笑)
この度のお盆でお見えになられた時も、お茶のひと時に、このまだ若いお坊さまから、とても有意義なお話をうかがうことができました。
年甲斐もなく、私は頓馬なことを尋ね、恥をかいたも同然だったのですけれどね。
とは言っても、お話は、結構厳粛な内容です。
実は、私はいまだに、旦那さまの分骨を手元に置いています。
むろん、本骨は、四十九日の法要後に、郷里の菩提寺に埋葬しました。
そしてはじめは、間をおかず、分骨も当地のお墓に埋葬予定だったのですが・・・・・・。
住職の奥様が、
「急ぐ必要はありません。しばらく傍に置いておかれた方がいいんじゃあないですか」
とおっしゃって下さったのです。
私には思いがけない言葉でしたが、とても嬉しくて、素直にその通りにしました。
けれど、桜の咲く頃には、さらに夫のお誕生日の頃には、と埋葬の時期を、次第に延ばしていきました。
手放したくなくなってしまったのです。
夫の遺骨が傍にあるだけで、私は何だかとても心強くて、寂しさが和らぎます。
お食事は、私がいただく前に、必ず夫に供えています。
お腹が空いていると、忘れることも多くて、そのたびに「ごめんなさい!」って言って謝ってばかり。
この画像は、お昼食時のものです。
けれど、私には、その状態を心からよいと思えない、何か不安な気持ちがが常に付きまとっていました。
分骨を埋葬しないでいると、夫の霊が、落ち着きどころを見失って、安らかに永眠できないのではないかしら。
住職様に、この点をいつかしっかりお尋ねしようと、思っていたのです。
その前に、その不安な気持ちを、幾分か安心させてくれるような新聞記事が、目に留まりました。
ニュースコメンテーターとして長い間活躍された、田原総一朗さんのお話です。
彼は、愛妻家で知られた人でしたね。
田原氏は奥さんを失われて、もう何年になられるのでしょうか。
未だに埋葬はしないで、奥様のお遺骨を自宅に置いておられるとのこと。
彼ほど高い学識のある方が、そのようにされているのであれば、人の道を外れた行為ではないのでしょう。
私は、そのように思い、少し安心しました。
そして、お盆におけるお坊さまのお話をさらに伺い、不安な気持ちがすっかり無くなった私です
「ずっとそばに置きたいのであれば、そうしても一向にかまいませんよ」
とのお言葉だったからです。
但し、もう一つ、とても不安に感じていることがありました。
私は、よくその骨壺の入った桐の箱を、夫の書斎に運びます。
何故なら、旦那さまは元気な頃、何よりもその書斎の居住空間を愛した人だったからです。
でもそのお遺骨は、分骨にしてはとても重いのです。
もし万一、大地震に見舞われたなら、私はそれをもって避難することは不可能に思え、とても不安でした。
ですから、どうすればいいのか、その点も、お坊さまに尋ねました。
すると優しい笑顔で、
「その時は御位牌をもって避難してください。遺骨は置いたままでいいですよ。
大切なのは御位牌です。
御位牌には、亡くなった人の魂が込められているからです。
お寺では、火災などに遭った時、すぐ避難させるべきものは過去帳なんですよ」
とおっしゃいました。
私は時々、夫の遺骨を書斎に運んでいるといったところ、笑いながら、おっしゃいました。
「転んだらどうしますか。遺骨ではなく、御位牌を置くようにしてください」
「本当にそうですね~。転ぶと、夫の遺骨が散乱しかねませんものね~」
同席していた、次女家族や妹も、納得した顔で、笑っていました。
恥ずかしくて仕方ありませんでしたが、お坊さまのお話を伺い、心から安心した私です。
いつまでこのようなことを続けられるか、自分でも分らないけれど、今の私は、旦那さまの分骨をいつまでも身近に置いておきたい、といった気持ちでいます。
私が亡くなった時、一緒に埋めてもらうのが理想だけれど・・・・・・。
昨日の私のお料理ブログの記事は、レシピ付き献立です。
個々に紹介させていただいたお料理を献立としてまとめたものです。
私なりに、彩、味付け、お料理の形状など、似過ぎないように、メリハリをつけることを心がけているつもりですが・・・・・。
数日に一回程度、まともなお料理を作り、後は残り物だったりと、実に適当です。
ブックマークに私の料理ブログを載せています。
丁寧なな暮らしのカテゴリーに新規に参加させて頂くことになりましたかれん桜と申します。
一月ほど前あたりまで長年、シニアーブログランキングに参加していたものです。
突然の登場で申し訳ありません。
一週間ほどの連続投稿を、短編集(?)を出すような心持で、ひと月に一回程度行っています。
内容はライフスタイルの記事にふさわしくなくて心苦しいのですが・・・・・・。
いつも丁寧な暮らしを心がけたいとの気持ちだけはございますので、このカテゴリーを選ばせていただきました。
何とぞ宜しくお願い申し上げます。
花のように泉のように