どちらも一長一短だが、バカ高かった化学合成油は最近価格が常識的になり、両者比較しやすい状態になった。いずれのオイルも添加物の塊であるので旧車なんかにはパッキンに対して攻撃性が高い。
とくに化学合成油。今は対策をしてあるので何の問題もないが。ただ、化学合成油の分子は構造式を見ると分かるように切れやすいところがある。つまり粘度変化をおこしやすいと言える。若干。
そこでまたその対策として添加剤とか、と考えるやつはバカだな。飛び降り自殺を途中でやめようとして手足をバタバタして飛ぼうとするようなもんだ。あるいは振られた彼女にラブレターを送るようなもんだ。現状を緩和することは万が一できても原状回復は原理的に不可能だ。覆水盆に返らず。
劣化オイルが添加剤でよみがえることはない。そういう僕は何も鉱物油絶賛ではない。ただ、儲かるものには宣伝費もかけられるしそれに浮かれた者がわざわざカネをどぶに捨てるのもどうかなと思うだけだ。
高速ではZephyr では200K/h出す。オイルは1万キロで換える。ホームセンターの一番安いやつだ。分かりもしないお姉ちゃんがテレビでチョロチョロ色目を使うからと大枚をはたく必要はない。
出足を競ったり峠で狂ったようにターンしたい人は私と関係ない。私は人殺しにはならない。
で、ここからが本題。世の中は何でも自然に採れたものが礼賛され、人工的に合成されたものはなぜか危険視される。鉱物油と化学油をそのまま比較することはできない。ひと先ず鉱物油と化学油の話しは横においておこう。
例えばろうそくがある。日本ろうそくはハゼの実からつくる。僕が小さい時は紅葉を過ぎ実だけになった木に登ってハゼのみ採りをする人がいた。ひどくかぶれるのでその人は完全武装で実をとっていた。
今も一軒だけハゼの実採りを行っている家がある。そこはなんとあのレブロンと契約をしている。化粧品と蝋(ロウ)とくればもう分かったはずだ。化学合成のろうそくではいい口紅ができないのだ。右の唇の端から左まで軽い力でスーッと伸びるレブロンは、世界のセレブしか手に入らない特注の超高級品をつくっている。
ただ、日本ろうそくは溶けた蝋の中に手を突っ込み、蝋の熱湯で手を腫れあがらせてつくられている。こういう非人道的な作業を自然のものを使っているとか、職人とか、伝統とかいう気はない。ただ石油だの石炭だのからできた口紅が今何をおこしているか。化学油も鉱物油も地面の底から掘り出したものに変わりない。その点では同罪だ。
ところがレブロンは世界中を探し回りアレルギーのない口紅の材料を発見した。上述した日本ろうそくだ。
化学合成がどうの、鉱物だとどうの、ホントはどっちでもいいものを、どこかの雑誌を読みかじり、なんとかウンチクたれて役に立たんことをするのはよせ。
双子の子供に違う名前をつけただけだ。