水琴窟から歩いて50メートル。音響のよいホールがある。
演奏が終わり第一バイオリンと話をすることができた。お互いcopyだが、似たようなバイオリンを持っていたので親近感が沸いた。彼はガルネリ(フランス製、下注1)、僕はストラジの弟子が作ったものだ。正しくは「そうらしい」というべきだ。
彼は、お互いコピーだね、だけどストラジバリウス(注2)のほうがいいな。とほめてくれた。そして言外に今日のコンサートの出来がよくなかったことを認めた。
僕は思う。いつも心をニュートラルにしてbest conditionで弾くのは不可能だ。とくに、観客に土人の多い地方では。
以下、すべて演奏中にやってくれることだ。
パンフをパシャパシャ折ったり伸ばしたり気にも留めずにやる。携帯が鳴る。子供が騒ぐのを気にも留めない土人の親。隣の女房に何やら話しかける。間違いなくこいつらは軽トラで来ている。明らかに聞いてないそぶりでキョロキョロする。A席の前辺りに座ると舞台からよく見える。気が散るったらありゃしない。家で酒でも飲んどけよ。ここはお前と最も遠いところにある文化と言うものを鑑賞するところだ。
一番前に座っていても後ろに土人がいることが分かったので、僕は立ち上がってガンを飛ばした。演奏者には悪かったが我慢できない。
土人がマスカキ運動を止めるか、あるいは福岡県だから「表に出ろ」となると思ったが、土人はいったんはびっくりしつつ、手遊びを止めなかった。脳が器質異常を起こしている。
演奏が終わって楽屋で奏者と話したのが一番楽しかった。弾きにくかったでしょう、というとプロですからと悲しく笑った。
ストラジバリウスを手にするその日まで、彼はなんにでも耐えていく。ガンバレ。
彼とはドイツ語で話した。チェコだから当たり前だ。僕は英語ができない。ソウルの博物館の会議でわざとらしく館長が英語で話しかけた。僕は5回ぐらい、I cannnot、といったのにみんなに自慢したかったのだろう。これ見よがしに英語でたたみかけてくる。
僕が口ごもると日本人をやっつけてうれしいし、流暢に話すと自分の英語を自慢できてうれしい。悪質な韓国人の典型で、どこにでもいる。
韓国語ならFluentlyにできるから、韓国語で行きましょう、と何度も言った。ところが、英語を止めなかったので僕は帰った。英語が嫌いなのは私の勝手だ。
僕が帰れば会議はできない。後先考えないのも鮮人の特徴だ。
以後、僕は彼を見たことがない。土人は排除されねばならない。
注1 イタリアのバイオリン製作集団、およびそのバイオリンをさす。若々しくはつらつとした音が得意。写真。
注2 イタリアのバイオリン職人ストラジが90年の生涯をかけて製作したバイオリン、現存は200台。やさしく引き込む音が得意である。弾く人にとってはストラジバリウス同士でもぜんぜん違うという。