日本からの女性客が多い。日本人も中国人も、旅はお土産を買うためのオマケであり、旅行中は酒に酔った様に嬌声をあげつづける。
ペニンシュラは、イギリス統治時代からずっと、入り口の車寄せにうごめく東洋のサル達を睥睨してきた。一時は島に住む山猿が勢いに任せここを東洋ホテルと改名し内装も下品にしてしまった。
45年の8月からは元の上品な姿に戻り、日本のブスメスザルが来たときを除いては、平穏な日々が続く。
the peninsura.港の富の象徴だ。香港人は大人だ。これはイギリス人が良くしつけたからに違いない。ボーイが話しかけることは無いが、こちらが話すと最低限の話を返し、ポイントになるジョークをよく理解する。ウインクや親指を使い静寂を破らないような方法で返す。
地下がまた最高だ。階段を降りた角にご存知、CHOCOLATE SHOP がある。免税店で買ってはいけない。熱で溶け出した朝鮮飴をチョコレートと錯覚している人が多い。ビールと同じくCHOCOLATEはキンキンに冷えているものだ。
日本は最近、どこもリサイクルショップの様に商品を山積するところが増えた。よい店はあらかじめ売れないものは排除している。OUT LETにいくと、よく言って客層が広い、ふつうに言って着るものの無い雑民が田舎から大挙して押し寄せる。まるで中国人だ。
理念の無い中国人どもの爆買い盲流と同じだ。商売人にも理念はなく儲かれば何でもして店はリサイクルショップのCaosになる。
それが日本である。
セーターの店にはせいぜい20着。
それがペニンシュラである。チョコレートの3軒となりはセーター屋だ。なんでもそろうAEONも、たしかにいいだろう。一方で、そろわない贅沢が分かるには年齢と教養がいる。
ホテルの裏は公園になっている。九州には本が読める公園はない。読んでる人もいるだろうが、表面をなでる様に読むから読んだ気になるだけだ。
ただ音がしないのと、気を使って静かにしているときの静けさとは違う。本にあきたらFirst Floorに戻り紅茶を飲もう。
日本では排気ガスにまみれてわざわざ外で紙コップのコーヒーまがいを飲むのがはやるそうだが、かわいそうだ。
2時30分にホテルに戻ろう。3時、ウエイトレスがショートケーキのワゴンを押して来る。ボーイがA4の大きさの黒板を掲げカランカランとりんを鳴らしテーブルをめぐり電話があったことを知らせる。スマホだって?ばか。そりゃ時間の無い商売人のためのものだ。あるいは、Lineで繋がってないと不安な無教養貧乏のためにある。
上流階級は急がない。戦争が起きても、「私の話を最後まで聞きなさい。逃げるのはその後だ。」という。
実際香港は、阿鼻叫喚の坩堝のところもある。しかし、ペニンシュラは僕のためにある。低俗な紅白歌合戦が毎日あっているような日本を離れ、上品さと教養で強いバリアを張ったペニンシュラは僕の宝物である。
弾丸ツアーの人をペニンシュラは嫌う。1 Week以上泊まると80%程度の割引があるので福岡のホテルと変わらない。ただし靴に泥をつけたある県の人が紛れ込むと本人は気づかぬが恥をかく。
short cake 400円