月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

美味しいお誕生日会

2012-07-24 | 美味しいもの
日曜日は夫の誕生日(24日ですが)を祝うために、夜は二人で食事に出かけた。
普段、「ちょっと飲みに行こうよー」という感じではいけない値段のところ・・・。

いつもは一人5000円前後という感じなので、こういう特別な時の予算はその2倍。
夫よりはるかに貧乏な私にご馳走してもらうのは悪いと、「いいよ、いいよ~」と夫は遠慮していたが、年に一度のお誕生日くらいね

そこで、私が候補に挙げたのが、以下のお店。
・じき 宮ざわ
・YAOYA
・季里
・はた田
・二条椿

どこも夜は1人予算1万円前後。
私が諭吉を飛ばしても惜しくないと思える大好きなお店ばかりだ。

夫に選んでもらうと、「久しぶりにYAOYAに行きたい」というので決定!
私も他のお店は全部、今年入ってから既に行っていたので、YAOYAは久しぶりだからいいなぁと思っていた。気が合いますなぁ・・・

京都は出町柳にあるこの居酒屋。
そう、外観は「居酒屋」と言ったほうがいいと思う。
ただ一見しただけで「店主がめっちゃ酒好きやな」とわかってしまう。

↓外観




たまらんな~
そそられるわ(笑)

中もこじんまりしていて、カウンターが5席、小上がり、テーブル。15人も入れないだろう。
そして、見た目は普通の居酒屋なのに、値段は普通じゃない。
もし私が何の知識もなく、ふらっと入ってきたら、メニューを見て冷や汗が出るだろう。

まあ、野菜やお肉を使った料理や、酒のアテ系のものは500円~1000円くらいでもあるし、全体的に見れば決して高いものばかりではないのだが、魚料理の値段が結構すごくて。
本当に目利きでいいものを選りすぐって仕入れているんだろうけど、だいたい1品2000円~7000円くらい。

やっぱり庶民なので、1品に2000円とか3000円とかついていると、ドキドキする。
「あ、ノドグロ食べたい~!」と思って見たら、6800円だった
下手に見間違えて注文したりしたら、エライことになる!

そんなわけで、夫と緊張しながらメニューを選ぶ。
大将はめっちゃいい人で、ちゃんと我々のお財布を想像して「刺身やったら、どこどこの鯖、どこどこの岩牡蠣、焼きは鮎もあるし、秋刀魚もたたきでいいですよ」と比較的値段の安いものを提案してくれる。

ちなみに、私たちの後で常連っぽい「先生」と呼ばれるおっちゃんが部下と思われる女性3名を連れて入ってきたが、ぐじなどの高級魚を勧めていた。やっぱりね・・・
びりけんもそうだけど、こういう「高いけど美味しいものを置いている飲み屋」って、「先生」と呼ばれている人が常連になっているなぁと感じる。
たぶん、医者か弁護士ね。女性なら看護師さんも多い。
びりけんはそんなに高くないけど、北新地だし、メニューないし、なかなか20代の女性や、いつも1杯飲み屋でひっかけて帰っているサラリーマンにはちょっと厳しい値段だ。

で、結局、私たちは紀州の鯖をお造りでお願いした。
(先生たちは盛り合わせを頼んでいた!)


その前に、つき出しがあった。
生鰊の麹和えとオクラ。
あー、酒のアテやね


ビールで乾杯した後は、早速日本酒を。
ここは単にいい蔵のお酒を置いているだけでなく、その蔵に自分の店のオリジナルの酒を造ってもらっているものも多い。
つまり、「ここでしか飲めないお酒」。

私たちが「日本酒を・・・」というと、大将は本当に嬉しそうな顔をする。
そして、何本か並べて説明して、選ばせてくれるのだ。
最初はこちら。
福井の「花垣」と青森の「豊盃」。
どちらも好きな蔵だが、花垣はこちらのオリジナルラベルがついている!これが旨い!
チェイサー(日本酒で言えば、和らぎ水)のお水も当然、仕込み水。瓶ごと置いてくれる。


賀茂茄子田楽。
赤味噌と白味噌を半分ずつ。
京都ならではの茄子だ。身がホクホクとやわらかくジューシーで、味噌と絡めて食べると非常に美味しい。


お酒は、秋田の「一白水成」と兵庫の「奥丹波」。
奥丹波は初めて!
お米に「野条穂」を使っていた。独特のコクと甘みが出る。


ここはお肉もバツグンに旨い。
朝つぶしたばかりの鶏を使用。
せせりの焼き鳥を頼んだ。


お酒は、福島の「飛露喜」と岐阜県「三千桜」。
飛露喜は愛山を使用。爽やかな甘み。
三千桜も旨い。


鮎を焼いてもらった。
川魚大好き!今年は鮎も2回目だなぁ。
ワタを抜いて、横に「うるか」として付けてくれていた。
もちろん、頭からかっぷりと。


お酒は、再び「花垣」と滋賀の「不老泉」。
この花垣、めっちゃ美味しかったなー・・・うまみがたまらん。


秋刀魚のたたき

「たたき」というから、もっと炙ったものを想像していたら、ほぼお造り。(冷たいし)
やや拍子抜けしたが、生姜や葱を乗せて食べると秋刀魚の甘みが広がってめちゃ旨い。

さらに、その秋刀魚の骨を揚げ、ワタも焼いてくれた!!
私たちが頼んだ「1匹」はこうして何一つ残ることなく、お腹におさまったわけだ。
大将のこういう料理のやり方が好き。
何より、本体より(!)この揚げた骨が一番美味しかった!


最後に、デザート酒代わりに、もう1杯を二人で分けた。
岐阜の「小左衛門」の貴醸酒!!
このお店のオリジナルラベルが貼ってあるから、特別に造ってもらったんだろうなぁ。
甘くてデザートワインみたい。
ちなみに、貴醸酒というのは、お米を水で仕込むのではなく、お米をお酒で仕込んだもの。(これは水:酒=3:7と言っていた)
濃厚になるはずで、造っているところは珍しい。


いつもならこれでおしまいにするところだが、シメを!!
普段、シメのご飯や麺などをほとんど食べない私だが、ここに来るとこれを注文しないとせっかく来た甲斐がないと思っている。
一度食べて忘れられなくなった「焼きおにぎり」。
あー、残念、写真ブレブレ!


前は中に昆布が入っていたが、今回はちりめん山椒だった。
うまい~

夫は卵かけご飯!
醤油ではなく、塩昆布がついていて、卵をかけた後に乗せて食べるのだ。


見よ!この美しきオレンジ色の黄身を!!
卵の甘みと塩昆布の辛いのが混じりあってたまりません!!
日本に生まれてよかった!


お料理もお酒も美味しくて、大満足の食事会だった。
夫もとても喜んでくれた

お値段は・・・
どきどき・・・

18,910円也!

なんとか予算以内に収まって、ホッとした。
お財布に残った最後の諭吉さんお二人に別れを告げたが、不思議とここに来ると、惜しくないんだよなぁ・・・
もちろん、滅多に来ることはできないけど、帰り道は、
「やっぱりたまにはいいね!来てよかったね!」
「ほんま、美味しかったなぁ」
という言葉しか出てこない。

良いお誕生日になってよかった。
「おめでとう」ももちろん言うけれど、いつもなぜか「ありがとう」と言ってしまう。
生まれてきてくれて、ありがとう、と心から思う。
おかげでどんなに私は幸せな人生を送れているだろう。

だから、おめでとう。
そして、ありがとう