月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

仕事のモチベーション

2012-07-02 | 生活
昨日の日曜日も夫は仕事で夜中まで帰らなかった。
結婚当初は、一緒に暮らしているのに夜ご飯も一緒に食べられないし、1日に話すのは朝と夜中を合計しても30分程度という、こんな生活に疑問を感じていた。
だけど、今はあまり気にならなくなった。
とりあえず、自分が満足するところまでとことんやってくれ~い、と思っている。
自分だって20代や30代前半はずっとそんな生活だった。
彼が「もう嫌だ」と言い出したら別だが、一言もそういわない限り、私から言うべき話ではないと思うようになった。

土曜の夕方は、夫と京橋で待ち合わせて(夫は土曜も会社に行っていた)ご飯を食べに行った。
夫の昇格祝いだ。

夫が会社のお酒好きの上司におすすめしてもらったお店ということで、楽しみにして行った。
会う前に大阪で降りて、ポール・スミスで靴下を2足買っておいた。私からのささやかなお祝いだ。

お店はとてもよかった。
お造りが目玉で、これでたったの1280円!!


とうもろこしとアスパラのかき揚げ。
とうもろこしが甘くて絶妙!!


賀茂茄子ときのこと鶏肉の味噌チーズ焼き。
うまい。


水茄子とクリームチーズの生ハム巻き。トマトとオリーブオイルを添えて。
生ハムの塩味と水茄子がこれまたいい感じ!センスある1品。


日本酒もいいのが揃っていた。
白楽星、獺祭、羽根屋、安芸虎などなど。ビールも合わせて結構飲んだ。
1つ1つのボリュームがあるし、突き出しも4種類あったりして、かなりお腹いっぱいになった。
これで1人5000円程度。コスパいいなぁ。
かなり満足した

その後、バーに寄って、バーボンを飲みながらお互いに「結婚してよかったと思うこと」を言い合った。(←バカップル)
夫は、「こんなに毎日遅く帰ってきてもそれを理解してくれているのが嬉しい」と言った。
私は、「どんなに忙しくても家で愚痴を言わないのが嬉しい」と言った。

他にもいろいろ挙げたけれど、結論として「結婚してよかったな」ということになった。(←バカップル)
久しぶりに二人で美味しいものを食べに行って、リラックスして楽しい時間を過ごした。

昨日の昼間は、書籍の取材に行った。
これで2回目。
3時間びっしり話を聞いてメモをとった。

やっぱり2時間くらいがちょうどいいかもしれない。3時間はきつい。
同業者はともかく、普通は人の話を集中して3時間聞きながら全てメモをとるなんんてこと、あまり経験がないと思う。
これはかなり疲れる。
2時間半くらい経つと、集中力が切れるのを自分で感じる。
面白いよなぁ、相手が話していることが理解できなくなってくる、その瞬間がわかる。
それから、単純に手が動きにくくなってくる。
私は人の話を聞きながら同じスピードでメモできるという特技をもっているが、さすがに2時間過ぎると手がしびれてくる。

さて。
これは本当に本になるのかな?
半信半疑でがんばってやっているけれど、取材相手のKさんと今日お会いしたのは3度目。
ようやく彼に対して好意を持てるようになった。

こう言うと、まるで最初の2回は好意がなかったようだけど、そういうわけではない。
ただ、最初の顔合わせも1回目の取材も、二人きりではなかったのだ。もう一人いた。
最初から感じていたことだけど、Kさんはすごくサービス精神が旺盛で、人がいると「はりきって」しまう。
それで、なんだかこの人の真意に触れられないような、そんな感覚をもっていた。

でも、初めて二人になったら、Kさんの本質みたいなものがちゃんと見えた。
とてもやりやすかった。
思いもわかった。
なんとかカタチにしてあげたいと本気で思った。

「無償でやっている」と人に言うと、「え?なんで?」といわれる。
Kさん自身にも毎回「本当にいいんですか?」といわれる。

全然、いいけど?
何か問題でも?

これが生活の全部で1円も入ってこないなら別だ。
でも、私は別に仕事をちゃんとしていて、そこで十分な報酬は得ている。
それ以外で、自分がやりたいと思ってやっていること。
趣味のようなものでもあるし、今後の営業ツール作成でもあると思っている。
とりあえず、自分の能力が人の役に立てるなら、それだけでもかまわない。

もう6時間分取材したけれど、まだ1文字も書いていないのだ。
これを文字にしていくのかと思うとドキドキする。
なんと楽しい作業が待ち構えていることか!!

今日、Kさんに、「モチベーションって、どうやって作ってるんですか?」と聞かれた。
2つある、と言った。
1つは、単純に「書く」という作業をすることが楽しい。
もう1つは、クライアントや編集者、もしくは取材対象者に「あなたに頼んでよかった」「思っていた以上のものができた」「こんなふうに書いてくださってありがとう」と言われること。

「なるほど」とKさんは言った。
「人対人の仕事でもあるし、職人でもあるんですね」と。

そうなんだよなぁ、この仕事の面白さって。
Kさんはずっと若年層求職者の支援施設のシステム作り運営をしてきて、採用や人材教育の知識と経験が豊富だ。
今もいろんな企業で新人研修を行っている。
研修を受けるまで離職率が高かった企業が、Kさんの研修を受けるとほぼ全員続くようになるという。
そういう目に見える結果が「やりがい」の一つ、モチベーションになると言っていた。
私はあまり数字で結果が出るような仕事はしたことがないので、結果がはっきり数字でわかる仕事も面白そうだなと思った。
あ、塾で生徒の成績がそうか。シビアな分、やりがいは大きかった。

土曜、夫ともう1つ仕事のことで、こんな話をしていた。
大きなクライアントの仕事をするのは確かにやりがいがある。
だけど、そういう仕事はいろんな人の想いが入りすぎるし、自分の思い通りにはいかないジレンマもある。
もっと小さな企業や個人の依頼を受ければ、自分の想いが直接カタチになり、直接喜ばれる、役に立っているという感覚を得ることができる。
果たしてどちらがいいか?

どっちもそれなりの良さがある。
だけど、私は年々、小さなものへ、個人へと気持ちが向かっている。
実際には大きなクライアントのものが多くなっているのだけれど。

私は、人の代弁者でいたい。
自分では書けない人の想いを、代わりに書いてあげたい。
それが私のやりたいことなのだ。
有名なライターになりたいとも思わないし、有名な雑誌に書きたいとも思わない。

なんとも野心のないライターである。

でも、自分が楽しいと思うことをしたいから、突き詰めてみれば、結局そうなった。
(まあ、生活があるので、結局は何でも屋で、どんな仕事でも受けるけれど)

それと、自分のスタイルというのがある。
私は難解な文章が好きじゃない。できるだけわかりやすい言葉で、読みやすい文章で、誰にでも読めるように書きたいといつも思っている。
もちろん、専門誌などを書く時は、それなりに難しいことも書くし、専門用語も使うが。

この間、かどやと飲みに行った帰り、私が書いた記事が載っている奈良の雑誌をかどやにあげた。
そうしたら、家に帰るとメールが来た。
酔っ払って帰ったのに、すぐ読んでくれたらしい。

「義務教育だけの知識でもわかりやすく読みやすい文章にさすがさんちゃん!とアッパレです。涙が溢れるぐらい愛しい文章でした」

と書いてあった。
うれしかった。
とにかくうれしかった。私のほうが涙が溢れた。

この数ヶ月、仕事上のある人のことで私は心を悩ませていた。
だけど、ようやく踏ん切りがついて、そのことをもんちゃんにメールで報告したら、
「その人はいい芽を切って、悪い芽だけを残して・・・ってことを繰り返していく感じなんやろね。」
と返事に書いてあって、これまたスカッとした。

そして、私自身も、いいものと悪いものを判断しないといけないな、と思った。
人生にはできるだけいいものだけを取り入れていきたい。

「いいもの」とは、自分にとってだ。
誰にでも通用しないだろうし、普遍的なものでもない。
食べ物でも音楽でも文章でも人間関係でも、自分にとっていいものをきちんと判別して取り入れていきたいと思った。
そういう目と、感性と、時には選ぶ勇気とを持っておかないといけないな。