メキシコの隅っこ

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カンペチェの城壁

2006-05-03 09:01:10 | 観光
カンペチェ州の州都カンペチェは、田舎ですが
一応ユネスコの世界文化遺産だとかで、いろいろお金ももらって、
町の整備に使っているようで、
いわゆる下町も、この辺よりずっと綺麗です。



ああ、でもそう言えば一、二年になりますか、
カンペチェ州は石油が出るのに石油会社ペメックスは国営なので、
その利益はすべてメキシコ政府の懐に吸い上げられてしまい、
カンペチェ州にはまるで残らない、
チアパス、オアハカについで貧しい州だ~~!
(チアパス、オアハカはインディオ文化が豊かで観光資源になってますが、カンペチェにはそれすらない!)
というので州知事だったか誰だったかが抗議して、
石油の利益の何割とやらを還元してもらうことになりました。
それ以来、私の住む町も、ああお金持ちになってきたなあ、とわかるほどに
道路や水道設備(まだしょっちゅう断水するわけですが)など、整ってきてます。



という言い訳はあるんですが、やはりカンペチェ市はちょっと特別。
文化遺産なので、一応古い部分も残してます。
町のど真ん中に城壁があったりして、



これはその内側、旧市街の壁です。
昔のカンペチェ市は、カリブ海の海賊によく襲われていたので、
町をぐるっと城壁で囲んでいた、その名残ですね。

城壁には、海に面した「海の門」Puerta del mar
内陸に面した「地の門」Puerta de la tierra があります。

これは、地の門。



今ではもちろん通行自由です。
二重扉になっていて、5mくらいあるトンネルを抜けると、
向こうはさらに城壁で囲まれた中庭になってます。

中庭の塀の銃眼から外を覗くと、



今は水のない堀の向こうに
アスファルトの道路や近代的な建物、大きなバスが走っていたりと、
旧市街とはまるで違う風景になってます。

その庭から門を振り返ると、



城壁は内側にある鐘楼が見えなくなるくらい分厚い。
そして、見張り塔があります。
門の奥には、以前紹介しました(っけ?)
五色豆みたいなパステルカラーの小さい家並み、石畳の道。

この道をまっすぐまっすぐ行くと、海の門。



門の向こうには微かに海が……見えますかね?

新市街から城壁を見ると、



こんな大砲が覗いていたりします。



以前住んでいたドイツの町は、中世のころはやはり城壁に囲まれていたそうで、
しかし、今ではその城壁はほとんどが取り払われ、
そこに車輌通行禁止のプロムナードを作っていました。
確か、ごくごく一部だけは壁を残していたと思います。
地図で見ると、昔は小さい町だったんだなあとわかるのが面白かったです。

カンペチェは地図を見なくても、歩き回るだけで当時の様子がわかる、
という意味では確かにユネスコも認める貴重な「遺産」ですね。
現実にそこに生活している人たちがどういうふうに思っているかは、そりゃわかりませんが……。

新市街には、普通のメキシコの田舎町と同じに、
賑やかでうるさくて汚ないメルカード(市場)や、ごく普通のスーパー、
大きな病院やビルもありますが、
旧市街ではそう言えばスーパーさえ見つけるのにすごく苦労しました。
古くて風情があるのも良し悪しかなあ(笑。