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亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

仕事の傾向(4)

2015-09-07 18:14:33 | 司法書士の日記

遺産分割の審判に対し,2週間以内に相続人の誰からも異議が出なかったことにより審判は確定しました。そして,審判の対象となったものはその割合により,対象とされなかったものは法定相続分により払戻請求をすることになります。

そこで,相続人の一人を代表相続人として今回相続分の払戻金入金専用口座を作成し,そこに全員の払戻金を一旦入金した上,相続分に応じた金額を各人の口座に振り込む方法を提案し,払戻手続きの当職への委任を呼びかけました。

ところが,3人から委任が得られません。内2人は相続分を要らないと言い,1人は自ら行うから委任しないというのです。

要らないと言う方には,相続分譲渡証書に署名・実印押印をしてもらえるかと聞いてみても,具体的手続に協力してくれずはっきりしません。相続分をいったん受取った後,贈与する方法もありますと提案しましたが,結局,本件相続には係わりたくないと言い始めました。

いつまでも待っていても仕方ないので,委任された方のみで払戻を行うことにしました。こうなると,金融機関により対応がまちまちです。

すんなり委任を受けた者の相続分を払い戻してくれる所もあれば,委任を行わなかった者に対し,「遺言や遺産分割協議の成立はない」ことの確認を求める文書を発送する所,代表相続人以外の全員に対して,万一紛争が発生した場合責任を持つ旨の文書の提出を求める所もありました。

遺産分割の調停があれば,全相続人に通知が行くはずで,仮に遺言や遺産分割協議の成立があったならばそのことを調停上主張すると思われます。にもかかわらず,それが主張されずに審判が確定したということは,遺言等が無かったと推定できるのではと思います。

は,金融機関の善管注意義務の問題だと思われるのですが,無いことが容易に推定されるのであれば,そのまま払戻に応じても,債権の準占有者に対する弁済と認められ,相続人に対し,ことさら責任を負う旨を確認する必要はないと思うのですが。

本件のように,相続人が各地に散らばっていて一堂に会することができない場合,結果的に書面のやりとりを何度も行うことになります。

意味の無い書類を徴求する金融機関より,最低限の法律的な問題をクリアして,後は請求者の便宜を図る姿勢の金融機関方が,優れた対応であると思いました。

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仕事の傾向(3)

2015-09-04 15:09:30 | 司法書士の日記

相続登記以外には,遺産分割による預貯金等の払戻請求手続を受任致しました。 ようやく手続を終え後は各相続人に対する配分を残すのみとなりましたが,これがなかなか大変でした。

叔母の相続でしたが,叔母の相続ということは,法定相続人は甥・姪ということになります。つまり兄弟相続であり被相続人の兄弟は全て死亡しているため甥・姪が代襲相続人になったという事案でした。

叔母の遺産に関しての紛争はなかったのですが,甥・姪達の実父の方の遺産分割の方がもめていて,もう10年以上経つのに未だ協議が終わっていないという状態でした。

叔母の遺産は数種類に渡るため,当初は相続人の一人が遺産分割協議により全ての遺産を単独相続して遺産の払戻しを行い,これを各人の法定相続分に応じ,代償金として支払う方法を考え各相続人の意向を伺いました。

すると一人から実家の相続をさておいて叔母の相続に着手するとは何事だ。私は叔母の分なんて要らないと主張する方がいらっしゃいました。実家と叔母の相続は別問題であるとどうしても認識しようとしません。

やむなく,遺産分割の調停を申し立てました。調停には申立人の他二人が出頭しましたが,その方は調停の場でも,申立事案ではなく実家の相続についての主張をする始末で,当然調停成立に至らず審判に移行しました。

審判は,死亡により当然に分割相続される預金等金銭債権については相続人全員の同意が無いと対象とすることができませんので,それらを除く保険,株式等につきなされました。

そして,審判は,誰からも異議が出ずに確定し,その後は相続分に応じた払戻手続きになるのですが,これが大変でした。

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仕事の傾向(2)

2015-09-01 15:23:27 | 司法書士の日記

高齢化社会なので相続の登記が多くなりがちですが,特筆すべきはなかでも兄弟相続が多いことです。

最近記憶しているものでは,二人兄弟のため法定相続になったものが3件。遺言をしてあったものが2件。この場合遺産分割協議を要しないので,両親の出生までの戸籍の収集により登記が可能になります。

独身ゆえか分かりませんが,ほとんどが私より若くして亡くなっています。何れも男性であって,戸籍の記載は何日頃推定死亡とか,何日何時頃死亡と記載されています。

戸籍は,親族等利害関係人しか閲覧できないから良いとしても,不動産登記の原因日に推定と記載されては,孤独死であることが判明してしまいます。そこまでする必要があるのでしょうか?年月日までは記載するとしても推定の文字は不要だと思います。

中には自死もあると推定されます。病気だとしても,還暦前に病院外で亡くなるのは,不規則な生活をしていて心筋梗塞とか脳卒中によって救急車も呼べずに亡くなったことが想像されます。さびしく辛い人生だったのではと思ってしまします。

私も,仕事や家族に対する生き甲斐を失えば,お酒を飲んだり,勝手気ままな不摂生の生活を送りがちになり,寿命を縮めたかもしれません。

人にとって生き甲斐が最も大切なもの。生き甲斐を保つには,仕事や友人の存在等優良な人間関係が不可欠だと思います。

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仕事の傾向(1)

2015-08-25 16:35:13 | 司法書士の日記

ブログの更新間隔がとてつもなく長い期間空いてしまいました。多少の業務の忙しさもあるのですが,要は書こうとする気力の問題ではないかと思います。

さて,事務所の最近の仕事の傾向としては,相続,後見関連が多いです。亡くなる人や,自分で財産管理等をして単独で生活していくことが容易ではない人が確実に増えています。

相続登記を始めとして,親族からの後見人選任申立さらには相続財産管理人選任申立等です。

何れの仕事も添付書類である戸籍や住民票を取得しなければならないことがほとんどです。戸籍の請求など一般の方にとっては,生涯数回あるかないかの事務ではないでしょうか。

当事務所は,日常的に戸籍等の郵送請求を行っていますので,当事者に苦労して取得してもらっても結局不足している場合を考慮して,事務所が進んで代理して取得する事務を行っています。その方が迅速で確実であることは言うまでもありません。

次回からは,事件ごとにお話しします。

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地域包括ケアシステム会議(2)

2015-05-27 17:49:29 | 司法書士の日記

会議の趣旨は,独居の要介護者を対象として起こる様々なことに,どのように対処していけば良いのかという事例問題です。資産のある人は専門家に依頼する等の方法が採れるが,資産の乏しい人は方策が極端に限られてきてしまい,要は資力の問題であって大変悩ましい問題なのです。

今回の事例の対象者も,一人暮らしで他人との係わりを拒み,親族も葬儀・埋葬さえ拒絶するような状況にありました。彼は,生きる目的を失いお酒に溺れつつある人のようで,ケアマネージャー(以下「ケアマネ」という)は,このような方を励まし,見守り,時に必要な医療を受けさせるため医療機関との連絡を取ったりすることが少なくありません。

そんな中,入院が必要になる程重篤な病気になったとき,身元保証人引受の問題が生じます。ケアマネの中には,入院費滞納のリスクを承知で,身元引受人になる方もいるようです。

このような,実態をマスコミは報道しません。ケアマネの横領行為は,すぐさま報道するのに。そのような人はごく一部で,ほとんどの方が困った人を救いたいとの人間愛を持っています。会議に出席してそれがひしひしと伝わってきます。法律の冷徹な判断・処理とは別の世界です。

生活保護を受けている人は,医療扶助により入院できますが,生活保護を受けていない人は,身元保証人問題で,オミットされてしまう恐れがあります。この事例において,ケアマネ自身では,どうすることもできません。行政の何らかの施策に頼るほかはありません。

根が優しい人ばかりなので,その時はやるせない気持ちになるでしょう。社会の底辺ともいうべき状態で生活している人を相手にするのは,精神的にとても大変なことだと思います。

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