140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

名古屋フィル#113メンデルスゾーン交響曲第4番フランク交響曲

2021-11-23 20:50:33 | 音楽
第495回定期演奏会〈小泉和裕のフランク〉
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 作品90『イタリア』
フランク:交響曲ニ短調

「交響曲二短調」は実質的にフランクの唯一の交響曲であり、
ベルリオーズの幻想交響曲と共にフランスを代表する交響曲と説明されていた。
フランスと交響曲、あるいはフランスと音楽と聞いてもあまりピンと来ない。
芸術の都はパリだが音楽の都はウィーンということになっている。
ピアノソナタは日記、弦楽四重奏曲は手紙、交響曲は論文と喩えられることもあるように
交響曲というのは割とお堅い音楽と言えるかもしれない。
緻密な設計を経て成立する堅牢な建築物のようでもあり、
ドイツが得意とする観念論的な哲学と類似の構造を持つものなのかもしれない。
私にはフランス的なものはドイツ、オーストリア的なものとものは相容れないという先入観がある。
フランスが得意とする絵画的なものと音楽的なものも相容れないのではないかと思っている。
視覚に対して展開される芸術と聴覚に対して展開される芸術は両立しないと思っている。
フランクの交響曲を聴いて、あまりフランスという感じはしない。
幻想交響曲の方がグロテスクで視覚的な要素が混じっていてフランスという感じがする。
フランスは音楽史において主要な役割を果たしていないのかもしれないが、
そんなことを言うと、じゃあ日本はどうなのかと逆に問い詰められてしまうのだろう。
クラシックの発展とほぼ関連のない日本人が交響曲を聴いてもわかるのか?
交響曲について語る資格を持ち合わせているのか?
言葉はカウンターとなって跳ね返って来る。

軽快で健康的で躍動感のあるリズム。深刻になろうとしてもなりきれない天性の朗らかさ。
ドイツ・ロマン派の代表的な作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの交響曲第4番は、
イタリア旅行から着想を得たということで「イタリア交響曲」と呼ばれている。
ベートーヴェン以降の作曲家が陥りがちなある種の束縛を逃れたところにいるようで
それでいてミケランジェロの掘り出した彫刻のように完成度が極めて高い。
この曲はドイツ的なのだろうか?

ひょっとして私は試されているのだろうか?
そんな感じがした。

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