140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

マーラー交響曲第9番

2009-04-30 07:21:26 | 音楽
私はこの曲を20世紀に作曲された曲の中で一番重要な曲と捉えている。
古典的な4楽章の構成をとってはいるが内容は古典的な交響曲とは全く異なる。

第1楽章は冥界の音楽のようでもあるし現世の人間が辿り着くことのできる聖地のようでもある。
ベートーヴェンの第九交響曲と同様に人の手による音楽とは思えない。
誰かがマーラーに書かせているようだ。
30分近くかかる演奏時間を意識させることなく曲は淡々と続いていく。

第2楽章は「ゆるやかなレントラー風のテンポで」と指定されている。
レントラーとはオーストリアの農民舞曲のことだ。
しかし舞曲にしては違和感のある旋律が続く。
踊っているのは誰だ?

第3楽章は「きわめて反抗的に」と指定されている。
何に対して反抗的なのだろうか?
人生における様々な不条理に対してか?
決して実現されることのない理想に対してか?
しかしよく考えてみれば反抗的でない人生に何か意味があるだろうか?
生きている限りは必ず何かしらの障害に突き当たる。

第4楽章は平穏な世界が語られ静かに消えていく。
私たちが誰にも知られることなく消えていくことをマーラーが哀れんでいるかのように。
そしてマーラーが完成した楽章はこれが最後になった。
マーラー自身も静かに消えていった。

マーラー交響曲大地の歌

2009-04-29 10:06:26 | 音楽
第1楽章 地上の悲愁を詠える酒席の歌
―李白の詩「悲歌行」に拠る―より抜粋

Dunkel ist das Leben, ist der Tod.
生は暗く、死もまた暗し。

Nicht hundert Jahre darfst du dich ergötzen
An all dem morschen Tande dieser Erde!
百歳とはゆるされぬ身で うつつに耽るとも
すべてはこの地上の儚きたわごとに興ずるのみ!

マーラーが9番目となるこの交響曲に番号を与えなかった理由は
ベートーヴェン・ブルックナーが第9交響曲までしか書けなかったことと
この交響曲自体が連作歌曲という従来の交響曲にない性格を持つためと考えられている。
結局マーラーは交響曲第9番を完成させたが第10番は完成させることができなかった。
そういう意味では結局は第9交響曲のジンクスは当たったことになる。

第8番では生を讃えていたかに見えるマーラーは
大地の歌では非常に厭世的な面を見せている。
そしてこの曲を初演することなくマーラーは世を去る。
初演は愛弟子のブルーノ・ワルターによって行われた。

今日は久しぶりにお酒を飲んでいる。
そして「大地の歌」を思い出した。
私たちが儚き存在であることを再確認する。
しかし再確認したところで生きていくしかないのだ。
たとえ、生が暗く死もまた暗くとも。

アップル税

2009-04-27 07:33:00 | Apple
マイクロソフトがまた
「消費者がWindows PCよりもMacを選んだ場合に支払う『アップル税』を声高に喧伝している。」
という。
Macの代わりにDellやHPの製品を買えば100ドルから300ドルのコストを削減できるというものだ。

Macが高いということぐらいMacユーザーはわかっており、それを承知の上で購入している。
それに「Windows PC」といっても様々だ。
一般的にDellやHPの製品よりはSONYの製品の方が高いが「VAIOには持つ喜び」がある。

そして最近ではDellから「Adamo」というノートPCが発表された。
これは「1枚のアルミニウムを削り出して成形した優れた質感と剛性を備えたシャーシ」が
採用されているという点でMacBookと同じハイエンドの製品であり、
価格はMacBookよりも高い205,000円からとなっている。
Dellにしても単に価格競争をしているわけではなく高付加価値製品も狙っているのだ。

私自身はWindowsユーザーであり、Macユーザーであり、最近はubuntuユーザーにもなった。
残念ながら熱狂的なWindowsユーザーでもないし、熱狂的なMacユーザーでもないし、
熱狂的なLinuxユーザーでもない。
動けば基本的に文句はないし、使い方によって必要とする機能も違ってくる。

ハードウェアを知らないマイクロソフトよりは
一般の消費者の方がよほど価格にうるさいと思う。
本当に大きなお世話だ。

しかし以前、経営危機に陥ったアップルを蘇らせたのは
CEOとして復帰したジョブズ氏と資金面で援助したマイクロソフト(ゲイツ氏)だ。
私は独禁法の観点からマイクロソフトはアップルを生かしておくのかと
思っていたのだが今は違うのかな?
ジョブズ氏は療養ゲイツ氏は慈善事業でもういないのでよくわからないが。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第15番

2009-04-22 07:14:36 | 音楽
第1楽章
浄化された世界
悲しみを伴いながらも落ち着いて澄んだ響き
激しい闘争の果てにやっと辿り着いた場所

第2楽章
静かにゆっくりと時が流れる田園にいるような
親しい人を迎え入れるような気分
そして祈るような高音

第3楽章
晩餐の後に一日の終りに捧げる感謝の気持ち
あるいはずっと一人で続ける祈り
時々現れる感謝に満ちた舞踏の煌き
長く静かに祈りは続けられる

第4楽章
優雅で踊るような調べ
急に訪れる試練

第5楽章
試練は何のためにあったのか問いただすが答は返ってこない
美しさと喜びと激しさを伴って問いただす
しかしそこにあるのは自分の姿
楽しみながら曲は閉じられる

CD検索

2009-04-19 07:34:38 | 音楽
HMV STOREのHPでCDを探す。
検索「シューマン」「クラシック」
主要アーティスト「シューマン」
スタイルで絞り込む「室内楽曲」
検索結果122件

室内楽曲ではピアノ五重奏曲と弦楽四重奏曲は知っているのでそれ以外の曲を探す。
ヴァイオリン・ソナタとピアノ三重奏曲などがあった。
でも知っている演奏家のものがない。
クレーメルとアルゲリッチがいた。
この人たちヴァイオリン・ソナタ全部録音しているのかな?

結局ヴァイオリン・ソナタもピアノ三重奏曲も全曲聴きたくなると思うので
「ヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番:ヴィドマン、ヴァーリョン」と
「ピアノ三重奏曲第1番~第3番/ピアノ四重奏曲/ピアノ五重奏曲:ボザール・トリオ他」を選んだ。
ピアノ五重奏曲はかぶってしまったが仕方がない。
よくあることだ。

次に、スタイルで絞り込むを「協奏曲」にする。
ピアノ協奏曲は知っているのでそれ以外を探す。
「協奏曲全集:アシュケナージ(p)ベル(vn)ハレル(vc)」がマルチバイ特価\1,205円で
お買い得なのでこれにする。
ピアノ協奏曲とチェロ協奏曲とヴァイオリン協奏曲の他に序曲なども入っているようだ。
ピアノ協奏曲はかぶってしまったが仕方がない。

結局2枚組みCD×2セット+1枚×1セットになった。
合計価格\4,700円ぐらい。やはり輸入盤は安い。というか輸入盤以外に選択肢ありません。
そういうわけで説明は外国語です。何を書いているのかさっぱりわかりません。

今や曲はダウンロードする時代かも知れませんがクラシックにはあてはまりません。
有名な交響曲ならあるかもしれませんが
レアな室内楽はCD購入しかないです。

それでも曲が聴けるというのはありがたいことです。
それも5千円以下でこれだけの曲が聴ける。
そういう面ではいい時代になったと思います。

世の中不況で私の勤めている会社は12連休なので
この機会にじっくり聴こうと思っています。

植物と寿命

2009-04-14 06:48:30 | 科学
動物と同じように植物にもいろいろな種類がある。
小さいものは植物プランクトン。
1年しか寿命のないものは1年草。
寿命が長いものもいる。千年杉・千年桜・メタセコイアなど・・・
これらの植物はどうしてそんなに長く生き続けることができるのだろうか?

動物が長く生き続けることができたら個体数が増えるが、
えさの量が一定であれば増えた個体数を維持できない。
むしろ増えすぎた動物がえさを食い尽くし、飢えによって個体数が減少する。
そのようにしてちょうど良い動物の数とえさの量が決まる。

一方、植物が長く行き続けて個体数が増えても
植物はえさを必要としないので動物のように個体数が減少することはない。
植物は光合成により、自ら必要なエネルギーを作り出すことができるのだ。
だから植物の増加を止める要因は特にないのかもしれない。

ずっと昔、生命がまだ単純な形態であった頃、
大量発生したシアノバクテリアが途方もない量の光合成を行った。
光合成は水と二酸化炭素と太陽光から酸素とエネルギーを得る化学反応である。
その結果、地球の大気は酸素が豊富な組成となった。
そして大気上空の酸素はオゾンとなり、
地表への紫外線の放射を食い止めることができるようになった。
まだ、陸上動物が登場する前のずっと昔の話だ。
ちょっと話がそれたな。

植物の寿命が長いと言っても長生きする植物とは言われない。
また、意識が戻らなくなった人を植物人間と呼んだりする。
意識のないもの、そもそも地表に這いつくばって移動することができないものを
私たちは「生きている」とみなしていないのだ。
もっと自律的な活動を「生きている」と考えているのだ。

人が大地に根を張り光合成が行えるようになったら長生きできるだろうか?
でも動けないって寂しいだろうね。
一生そこにいて出会いもないのだろうね。

流星ミラクル

2009-04-11 06:31:27 | 音楽
そうさ 舞い上がれ 流星(ほし)よ 一度だけ 輝いて ふたりを照らして
運命の空を 駆ける 一筋の光が ふたりを 変えていくよ
・・・いきものがかり"流星ミラクル"より・・・

この曲はガンダムSEED DESTINYの次に放映されたアニメの主題歌だった。
私が「いきものがかり」を聴いたのは、この時が初めてだ。
名前がいいよね。
私も小学生の時に「飼育部」にいたことがある。
ウサギやアヒルの世話をしていた。
でも「しいくぶ」じゃグループ名にならないな。

アルバムを通して聴くと、ずい分といろんな楽器が登場する。
ポップスなのかフォークなのかロックなのか弦もピアノも入っている。
何でもありで楽しい。

既成の枠に捉われないでやってるんだろうね。
しかし一方でとても日本的な部分があると感じられる。桜とか花火とか月とか。
そういうところに親しみを感じているんだろうね。

2009-04-09 06:54:27 | 科学
地球に最も近い天体
子供が始めに興味を持つ天体
月より大きな太陽系内の衛星はガニメデ・タイタン・カリスト・イオの四つだ。
しかしこれらの衛星は木星・土星といった非常に大きな惑星のまわりを回っている。
それに比べると地球と月は二重惑星と言ってもよいほどのペアらしい。

月の誕生についてはいろいろな説があるが、現在最も支持されている説は衝突仮説だ。
火星ぐらいの質量の天体が原始の地球に衝突し、
その激しい衝突によって、衝突した天体と地球から飛び出した物質が地球を回る軌道に乗り、
これらの物質が凝集して月になったというものだ。

月が出来た当時は地球との距離はいまよりもずっと短かった。
原始の地球には巨大な月が昇り、満ち欠けを繰り返していた。
地球に働く潮汐力は今より大きなもので海水を攪拌していただろう。
それが生命の誕生と関係を持つと考えている人もいる。
そしてこの潮汐力が作用していることによって月はエネルギーを失い、
地球から次第に遠ざかっている。

月が果たしている役割の中で一番重要なことは
地球の自転軸を安定させていることだという。
地軸が安定することによって気候の変動が抑えられるそうだ。

でも月っていいよね。
いつも月を見つけると何かホッとするよ。

ヴィオラ・ソナタ

2009-04-08 07:16:58 | 音楽
ショスタコーヴィチが残した室内楽曲は弦楽四重奏曲がほとんどで
後はヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ、ヴィオラ・ソナタが1曲ずつ
それにピアノ五重奏曲と二つのピアノ三重奏曲、
24の前奏曲とフーガといったピアノ作品だ。
ヴィオラ・ソナタは作曲家が亡くなる4日前の1975年8月5日に完成された
ショスタコーヴィチ最後の作品である。

彼の作品は聴いていてヘコむ曲がが多いが、その中でも特に暗くて謎めいている。
そしてこの曲の最大の特徴は
第3楽章にベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」の旋律が引用されていることにある。
「月光」を奏でるヴィオラは、始めは泣いているように聴こえるが、
最後には落ち着きを取り戻して静かに曲を閉じる。

彼はこの曲に満足して世を去ったのだろうか?
そのあたりのことはよくわからない。
私にできることは彼の残した交響曲や室内楽曲を何度も聴くことだけだ。

冥王星

2009-04-04 08:33:16 | 科学
私が子供だった頃、冥王星は一番遠くにある惑星だった。
火星に運河があると言ったパーシヴァル・ローウェルが計算によりその存在を予想し、
予想に従って観測を行ったクライド・トンボーによって1930年に発見された。
冥王星の名前PLutoには、ローウェルのイニシャルP.L.の意味も込められているそうだ。

しかし太陽系には、冥王星よりも質量が大きい衛星が実は7つもある。
ガニメデ・タイタン・カリスト・イオ・月・エウロパ・トリトンの7つである。
そして1992年に初めて冥王星と似た外縁天体が発見されて以来
そうした外縁天体が次々と発見され始めた。
特に2003年に発見されたエリスは冥王星よりもわずかに大きかった。

そして2006年に開かれた国際天文学連合総会で準惑星という分類が新設され、
冥王星は惑星の地位を剥奪されてエリス等と共に準惑星に分類されることになった。
発見から76年後のことである。

そうしないと第十番惑星・第十一番惑星・・・
といった感じできりがなくなってしまうから・・・
でも冥王星のない惑星の一覧を見ても何かしっくりこないんだよね。
子供の頃の記憶の方が強いので。
そういえば占星術やっている人、困っていないかな?