140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

名古屋フィル#129バルトーク ルーマニア舞曲/ヴァイオリン協奏曲第2番

2023-05-17 20:38:48 | 音楽
第512回定期演奏会〈継承されざる個性〉
バルトーク:ルーマニア舞曲 Sz.47a, BB 61
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112, BB 117
クセナキス:ノモス・ガンマ
ラヴェル:ボレロ

静かな夜にピアノ曲を聴いている。シューベルトの18番以降のピアノソナタやバルトークのミクロコスモスをかけることが多い。
演奏時間が長いので頻繁に操作をする必要がなく、静止した時間の中を流れ続けるメロディにゆったり身を委ねることができる。
iTunesの表示を見るとミクロコスモスは153曲あって総演奏時間は2時間27分、
シューベルトの18~21番は各々50分、41分、53分、57分になっていた。
バルトークは他にも小品を集めた作品集を持っていて、「子供のために」「ピアノの初歩」「ハンガリー農民歌」「ハンガリー舞曲」
「ルーマニア舞曲」「ピアノソナタ」といった作品を時々聴いている。こちらは総演奏時間が4時間45分だった。
今回のコンサートで演奏された「ルーマニア舞曲」も入っている。
いつもコンサートの前は演奏曲をYouTubeで探して予習しているが、今回は「あ、この曲か」と思った。
長いこと聴いているせいかピアノの方がしっくり来る。オーケストラはオーケストラで良いと思う。
シューベルトの後期のピアノソナタに比べると、バルトークのミクロコスモスや他の小品の知名度はそんなに高くないと思う。
でもなんとなく同じカテゴリーの作品と思って聴いている。素朴で静かに心に沁みて来る。
華やかさは一切排除され、一つ一つの音が静かに語り掛けて来る。
年齢を重ねるとそうした素朴な音楽の方が良いと感じるようになるらしい。
バルトークは作曲家であると共に音楽収集家で音楽教育にも熱心だったという事実も伝わって来るが、
それ以上のものが含まれている感じがする。
感動したとか、ブラボーとか言う前に、作曲家の人柄にじっと耳をすませるのも良いのではないかと思う。

ヴァイオリン協奏曲第2番も随分前から聴いている。難解なところがあるが、深くは考えずにそのまま聴いている。
でももしかしたら考えているかもしれない。
芸術家がわざわざ難解な部分に踏み込んでいるのだから、その意図を少しでも理解したいという気持ちはあると思う。
それは音楽に限った話ではなくて、本を読むのも同じ。
純粋理性批判とか、資本論とか、カラマーゾフの兄弟とか、そんな気持ちで読んでいたような気がする。
人の営みって、そういうものだと思う。

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