かどくら邦良@高崎市議会議員 ブログ

思いをブログに綴ります。

2012.9.8 「社会を変えるには」

2012-09-08 03:11:37 | インポート
        
            小熊英二 講談社現代新書2012年

「自分はないがしろにされている」と思っている人々を組織した方が、世の中を変えることができる。と認識させてくれた本が、小熊英二の「社会を変えるには」です。

日本において右肩上がりの経済が終焉し、社会的分配をどうするのかという制度設計が定まらない中で、経済・雇用が不安定化し、社会的混乱が拡大している。

政治が解決の道筋を示されない状況下で、国民の不満や不安が高まっている。「社会を変えて欲しい」これは、全ての人々の共通の思いだと考えます。

しかし、筆者は「変える」ことを『「誰かが変えてくれる」という意識が変わらない構造を生んでいる』と指摘している。

さらに『非正規雇用労働者と単身世帯が増加し、高学歴でもよい職に就けない人が多くなり「自分はないがしろにされている」と感じる人々が増えて』いる。

「公務員を削れ、生活保護受給者を甘やかすな、競争原理を導入しろ」といった声は、「自分がないがしろにされている」「他人の方が恵まれている」という怨嗟の声は、『「俺に分け前をよこせ」という叫びであるようです』とも言う。

この状況を打開して、社会を変えていくためには、「誰かに変えてもらうのではなく」、「われわれが変える」。つまり『「自分はないがしろにされている」という感覚を足場に動きをおこす。そこから対話と参加をうながし、社会構造を変え、「われわれ」を作る動きにつなげていくことです』と述べている。

小熊氏の、この問題意識は大変参考になりました。

現在の「橋下現象=維新の会」が、「自分がないがしろにされている」と思っている人々を組織していくのか、「われわれ」が人々を組織していくのか、日本社会の方向性を決めていく重大な岐路にさしかかっていると思います。

私の言う「われわれ」とは「多様性を認めあう社会、分かち合う共生社会」です。維新の会的なものは、それと真逆なものだと私は認識しています。

「社会を変える」闘いが、さらに続きます。

昨日は県議会、八ッ場ダム会議、陳情、労組大会、通夜。