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闘病記 6/24回(竜宮城への旅が終わって)

2012-09-19 12:12:30 | エッセー「竜宮城への旅が終わって」

 

私は長崎実家の父を10年前に脳梗塞の後白血病で亡くし、3年前には弟を胃がんで亡くしているので、母は以来独り暮らしである。

 

長男としての私がこんな状態で救急病院に運び込まれたとなると、当然母が心配しているはずである。気を取り直して「手足は動くのでどこもおかしくない」という趣旨の電話を入れた。

 

母は「生きてさえいれば良いよ!!と気丈に言ってくれた。自分ではそんなに重症とは思わないから「正月明けたら退院出来るであろう」と言い、65年間で初めての入院だったので「良い休養期間になるだろう」ということと中国故事を取り上げて「今回我が身に起きたことは万事塞翁が馬だから全く心配しないで欲しい」とも言った。建前ではなく殆ど本音であった。

 

母親から「とにかく生きていて良かった!!」、「長生きしなさい!!ということを電話先から何回も同じ言葉をもらった。父を亡くし弟を亡くし、母には長男の私がこんな形で救急病院の世話になったことで申し訳ないと思い、母の言葉を素直に受け止めていた。しかし一方で、私にとってみれば車椅子生活は自由に自分の足で動けない訳で植物状態と一緒と思い「植物状態で生きる」とは今後の人生に全く意味を持たないとも頭の中で葛藤していた。長崎と横浜の距離の長さを改めて感じた。

 恒常的に高血圧気味だったことにより血圧降下剤の効果が出るまで数日要した。主治医の回診で「両手を真っ直ぐ伸ばしてみて!!」とか「人差し指をくっつけてごらん!!」と言われて対応するがほとんど出来ない自分に気が付いた。ただ手足の力は入らないが、以前と同じ様に動くのでマヒしている状態は全くなく、その内力は入ると思った。

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