今回は詩吟から離れて、
今年バスの中で経験したことを「失語症の認知度を高めたい」として纏めてみました。
横浜の路線バスに始発から乗車、ほぼ満席であった。
私は身障者手帳2級所有者であるが、あえて優先席には座らず、
後方普通席に座るのが常である。
左片麻痺の為、右側二人席通路側がベストポジションである。
発車数分後、
相席同士男性二人(A氏:50歳台、B氏:70歳台)が言い争う声が聞こえた。
はっきり聞こえたことは次の会話。
A氏:「私はしゃべれません」
B氏:「あんた!!しゃべってるじゃないか。あんたが聞いたんだぜ。
俺を馬鹿にするのか」
彼らの席は私の後方で振り返ると、
通路側A氏の首からヘルプマークと名札が下がっているのが見えた。
その名札には、『私は失語症です』と記載されているのが解った。
私は10年前、脳卒中による後遺症を負い、呂律が回らない、
高音が出ないと症状を訴え、発声訓練に取り組み、
失語症セミナーも受講し、その後当事者と一緒に訓練する経験もした。
私は受講する迄、失語症のイメージは『話せない人』と思っていたが、
受講後『相手の言葉を理解し難い、
しゃべろうと思っても声を出し難い人』と理解した。
だから『失語症』名札を見た時、トラブルの原因は大まかに理解できた。
以下は次回後編に続きます。