日本庭園こぼれ話

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彫刻美で彩られた紀州東照宮---和歌山

2010-10-18 | 神社

前回の番所庭園から、バスで和歌山駅に戻る途中、立ち寄ったのが「紀州東照宮」です。風光明媚な和歌浦湾を望む高台にあります。

「権現前」でバスを降りると紀州東照宮がすぐ目の前。しかしバス停からは、同じく山の中腹にある和歌浦天満宮の方が目に入りやすく、ちょっとまごついてしまいました。

鬱蒼とした木立の中、青石を敷き詰めた参道を進むと、その先には、急勾配の石段が待っています。石段は108段。人間の煩悩の数を表すというこの数字は、仏教の教義に由来するもの。昔の神仏合祀の名残です。

「和歌浦には名所がござる、一に権現・・・」と歌われたという紀州東照宮は、元和7年(1621)、紀州初代藩主・徳川頼宣の創建。桃山時代の遺風を受けた江戸初期の代表的な建造物ということ。

「権現造り」の社殿は、有料(500円)ですが、巫女さんの案内で、左甚五郎の彫刻や、狩野探幽の襖絵など、外部に施された見事な装飾を、間近で眺めることができます。

(上: 青石貼りの参道が社殿前まで続いている)

建物の四面すべてが、極彩色の装飾で飾られ、龍、鶴亀、鷹、雉、緋鯉真鯉の他、牙の長い象や翼のある天女など、異国的なモチーフもあり、興味津々。

一枚のケヤキ材の表と裏で違う図柄を彫った精巧な作品は圧巻。彩色修理が継続的に行われているため、創建当時の姿が維持されているそうで、実に色鮮やか。「関西の日光」の名が頷けます。

しかし社殿内は、撮影禁止。この様子をお伝えすることができないのが残念です。

 

(上:極彩色に彩られた楼門から、前方を眺めれば、緑のトンネルの向こうに、和歌浦湾が光り輝いて見えました)

※アクセス: JR和歌山駅からバス新和歌浦行きで20分(または雑賀崎循環線)「権現前」下車すぐ

境内は拝観自由

 


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