日本庭園こぼれ話

日本の歴史的庭園、街道、町並み。思いつくままに
Random Talks about Japanese Gardens

七福神めぐり・・・東京都多摩地区(7)原町田七福神(改編)

2022-12-28 | 七福神めぐり

「原町田七福神」は、市の観光ガイドによれば、町田市制50周年を記念して、たてられたとのこと。町田駅周辺の寺社や商店街にあり、すべて回っても3㎞という短い距離で、お正月だけでなく、1年を通して楽しむことができるというのが特徴です。

しかし、やはり初詣ということで、1月3日に出かけました。

まず最初に目指したのが「大黒天」。地図によれば、駅前の「カリヨン広場」にあるので、すぐ分かると思ったのが、大間違い。駅からの通路が複雑なので、ようやく辿りつきました。しかし、「カリヨン広場」に着いたのに、大黒天が見当たりません。

広場を隅から隅まで見渡して・・・ありました!思っていたより小さな像だったので、目に入らなかったのでした。

      

解説によれば、「大黒天は、五穀豊穣の神。インドの民族宗教では”シバ神”の異名で、万物創造の最高神。中国で”大黒天”となり、日本では、”大国主命”と習合し、民間信仰に浸透して”恵比寿神”と共に祀られるようになった」ということ。

次に向かったのは、「弁財天」の母智丘(もちお)神社。

「茅の輪くぐり」を体験できました。「一礼し、くぐって左回り。次はくぐって右回り・・・」と作法があるんですね。

 

「弁財天は、芸術財福の神。元来は、河川を神格化したものですが、音楽・弁舌・福智・延寿・除災・戦勝の女神として”弁才天”と記され、インドでは”吉祥天”と共に最も崇拝される女神でした。後世になり、”吉祥天”と混同し”弁財天”と記され、弁才を有して琵琶を奏でて仏徳を流布・・・」とのこと。

ところで、七福神巡りでは、各寺社で七福神色紙にスタンプを押しいただくのが定番ですが、この「原町田七福神」巡りでは、境内にスタンプが置いてあり、自分で押すのでした。

そして、先ほどの「大黒天」と、これから向かう「福禄寿」の2神は、寺社ではなく、広場と街路に安置されているので、スタンプは通常、駅に近い商店街・中央通りにある「ツーリストギャラリー」に置いてあるそうです。ただ、年末年始はそこが休業なので、その代わりとして、ここ「母智丘神社」に、2神のスタンプが置いてあります。(色紙もここで購入しました)

次は、浄運寺の「毘沙門天」。

「毘沙門天は、仏教守護神四天王の一人で、常に仏の道を護り説法を聞く故に、”多聞天”とも言われます。なお、”戦の神”として、武将に崇拝されました」

 

 

 

拝殿の前に置かれた石は、一心に願いながら、この石に触れると、縁結び、子宝、子守護にご加護あるとのこと。

しかし、肝心の毘沙門天像が、境内に見当たらず「???」。スタンプはあるのに?不思議に思いながら、もう一度、門の外まで逆戻り。

毘沙門天は門と合体していました!

”戦の神”の名にふさわしく、外敵とコロナからお寺を守るかのように・・・。

2023年には、マスクがはずされているでしょうか?

 

下の写真は、浄運寺境内に据えられた「昭和大鬼」と題する大きな鬼瓦です。

 

浄運寺の門が面する、中央通りを進むと「ぽっぽ町田」。このビル内にツーリストギャラリーがあります。

(下: 建物前の広場から、商業施設が並ぶ中央通りを眺める)

 

 

 

中央通りをさらに行くと、商工会議所のとなりに、街路に面して「福禄寿」の像が、にこやかに微笑んでいます。

台座の説明には「福禄寿は、福(繁栄)・禄(財産)・寿(長寿)の三徳を備え、中国では”南極星”の化身で”南極老人”と言われます。七福神の”寿老人”と同体、異名の神とされることもあります」と書かれていました。

七福神めぐりも、残すところ、あと三神。次は、勝楽寺の「寿老人」です。

「寿老人は、不老長寿の神。中国・宋の人で、老子(ろうし)の化身と言われます。最初はインドの女神”吉祥天”で、中国における想像上の動物”猩々(しょうじょう)”が祀られた時もあると伝わる」と、ここでも、「へー!」という解説が・・・

 

 

 

次は陸橋を渡り、線路を超えて「町田天満宮」へ。ここに祀られているのは「恵比寿神」。ここまでの寺社では、ほとんど人がいなかったのですが、天満宮では参拝客が長蛇の列を作っていました。

幸い、恵比寿神は別のところに祀られていたので、並ばなくてすみましたが・・・。

「恵比寿神は、商売繁盛の神。イザギミノミコト・イザナミノミコトの第三子と言われるところから、”夷三郎(えびすさぶろう)”とも呼ばれます」とのこと。

最後の七福神は「宋保院」の「布袋尊」。

逆光で、写真がうまく撮れませんでしたが、山門の両側には、立派な仁王様がお寺を守っています。

それで「布袋尊」は?というと、その脇の築地塀の前で笑っていました

 

 

 

 

 

 

 

 

なんといっても、この大きなお腹と、豪快な笑い顔が、福を呼んでくれそう。

「布袋尊は、家庭円満の神。中国・唐代、無邪気で無欲な心の豊かさを諭す禅僧”布袋和尚(ほていおしょう)”を神格化したものと言われますが、”弥勒菩薩”の化身とも言われます」とのこと。

これで、今年の七福神めぐりは終了。と、帰ろうとして、「あ、スタンプ」と思い出し、像の回りを見ましたが、スタンプがありません。ここでも???改めて山門を入り見回すと、参道の途中に「受付」の札。スタンプはその先の建物の前にありました!

今回は、いつもと勝手の違う七福神めぐりで、とまどうこともありましたが、これで無事終了。

今年が少しでも、より良い年になりますように!

 

* 七福神のご利益、解説は、像の台座に書かれている説明と、「原町田七福神めぐり」のパンフレットの記述を転載させていただきました。各地の七福神めぐりをしてきましたが、七福神の背景、ご利益の奥が深いことを実感しています。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿