これまで、このブログでも何度かご紹介してきた新潟県弥彦村は、越後一宮・弥彦神社の門前町として発展してきました。
(上: 高く聳える杉並木に囲まれた弥彦神社参道)
弥彦神社の御祭神は、天照大神の曾孫にあたる「天香山命(アメノカグヤマノミコト)」で、万葉の昔から、人々の信仰を集めてきたと語り継がれています。
(上: 弥彦山を背景に建つ弥彦神社拝殿)
「佐渡弥彦米山国定公園」の一環として、観光地の要素は様々ありますが、今回ご紹介するのは、パワースポット。「おやひこさまから、スピリチュアルなパワーをもらおう」と、観光パンフレットのキャッチコピーにありました。
「パワースポットその1」は、もちろん弥彦神社。深い森に囲まれた神域は、荘厳な雰囲気に満ち、足を踏み入れただけで、パワーをもらえそうです。
(上: 境内の一画に並ぶ、天香山命の子孫が祀られている摂社)
境内には、「パワーストーン」(下の写真)もあります。宝物殿の前にある「火の玉石」というもの。地元では、「重い軽いの石」とも呼ばれるそうで、まず願い事を心に思い描き、石を持ち上げて軽く感じれば「成就」。重ければ、叶うことが「難しい」とか。
「パワースポットその2」は、弥彦神社の背後に聳える弥彦山山頂にある「御神廟」。奥の宮と呼ばれるこの地には、弥彦神社の御祭神と妃神が祀られれています。
標高634m(東京スカイツリーと同じ高さ)の弥彦山は弥彦村のシンボル。
その向こうに広がる日本海に面して、天香山命が上陸したと伝わる野積海岸があります。沖に見えるのは佐渡島。
登山はちょっと・・・という方には、ロープウエイがおすすめ。(車なら、スカイライン利用も・・・)
山の上からの眺めは、絶景。眼前に広がる日本海。水平線の向こうには佐渡島
振り返れば、広大な越後平野
「御神廟」までは、ロープウエイ山頂駅から、700mほど山道を歩きます。
途中には、急坂もありますが、全体的には平坦な道で、徒歩15分ほどで到着
御神廟には、弥彦神社の祭神「天香山命」と妃神が仲良くお2人で祀られているので、縁結びの名所としても知られているとか。
ここからの眺めも素晴らしいので、お参りの後は、目の保養をしてください。
そして「パワースポットその3」は、弥彦駅に近い公園の裏山にある「湯神社」。弥彦温泉発祥の地で、温泉の神として信仰されています。
弥彦駅に隣接して広がる公園の裏山にあり・・・
公園の高台にある広場から、本格的な参道が始まります。
一本道なので、迷うことはないと思いますが、最初は、並び立つ鳥居が目印
その後は、赤い幟が目印となります。
最後に石段を下ると、その先に湯神社が・・・
湯神社到着
湯神社は、別名を「石薬師様」といいます。神社にお供えされている「石」で、身体の悪い部分を撫でると治ると言われているからです。
地元では、湯神社よりも、石薬師様を縮めた「いっしゃくさま」という呼び名が最も親しまれているかもしれません。
参道周辺は樹木が多く、夏は蚊が多いので、訪れる時期としてのお勧めは春秋です。弥彦公園は、モミジの名所なので、特に秋は、紅葉も一緒に楽しめます。
「パワースポットその4」は、温泉街に点在する弥彦神社の末社です。
まずは「祓戸(はらえど)神社」。昔、弥彦への本街道入口にあたる位置にあり、不浄な物の怪の侵入を防ぎ、訪れる人の罪や汚れ、過ちを「祓い除く」と言われています。
実は、ここは子どもの頃の遊び場でした。当時は「パワースポット」という言葉は、聞いたことがありませんでしたが、知らない間に「スピリチュアル・パワー」を授かっていたかもしれませんね(笑)。
「住吉神社」は、水難からの加護を願い祀られたもの。ご神木のケヤキの巨樹は、樹齢800~1000年、高さ30m、幹周り8m。
巨大なタコが8本の足を広げたような枝振りを見せているところから「タコケヤキ」と呼ばれていますが、残念ながら、タコの足にあたる枝は、伸びすぎたためか、途中で切られてしまっていました。
それでも、幹の巨大さは、大蛸のイメージを彷彿させます。
余談ですが、「住吉神社」から「上諏訪神社」に行く途中には、「聖人清水」という湧水スポットがあります。
親鸞聖人の霊力で水が湧いたと伝わる泉で、今も渾々と水が湧いています。
「上諏訪神社」は、武勇に優れた神を祀り、災いを防ぎ、農耕の神としても信仰されているそうです。
ここにもケヤキの巨木が・・・
さらに、火防(ひぶせ)の神を祀る「火宮神社」と、上諏訪神社と同じ神を祀り、相撲にゆかりのある「下諏訪神社」が加わります。
(上:下諏訪神社)
これらのスポットは、いずれも人家が立ち並ぶ中にある小さな一画ですが、そこだけは結界の中にあるかのような、特別な空気感に包まれています。守護神のように聳え立つ巨木や、社を囲む木立が、そうした雰囲気の創出に一役買っているのかもしれません。
(上: 祓戸神社=樹木の存在が、スピリチュアルパワーを増幅させているかのよう)
そしてこの他に、弥彦神社の近くにある「宝光院」があり、合計6箇所が「パワースポット4」として数えられています。
宝光院の境内裏手に聳え立つのは、「婆々杉」という杉の巨木。樹齢1000年を超えるそうで、新潟県の天然記念物に指定されています。この「婆々杉」にまつわる伝説については、以前ご紹介しましたので、興味のある方は、本ブログの「婆々杉=巨木の話(1)(2021年9月10日)」の項をご一読ください。
※ パワースポットと弥彦観光の詳しい情報は、弥彦観光協会HPをご参照ください。