日本庭園こぼれ話

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七福神めぐり・・・東京都多摩地区(6)武蔵五日市七福神(改編)

2022-12-26 | 七福神めぐり

武蔵五日市(むさしいつかいち)は、あきる野市(あきるのし)の中央に位置する地区です。東京都心から西へ1時間あまり。JR五日市線の終点「武蔵五日市駅」が今回の七福神めぐりの出発点です。

「武蔵五日市七福神」は、清流で知られる秋川流域の里山に点在しています。

駅前に七福神めぐりの案内所があり、そこで巡拝地図をもらって出発。(七福神記念色紙は各寺院の他、この案内所でも買うことができます)

 

最初に向かったのは「正光寺」。駅を背に、まっすぐ10分ほど歩くと到着。「弁財天」をお祀りしています。

境内では、柚子湯のサービスを受け、体が温まりました。そして、嬉しいことに、こうした「おもてなし」は、ここだけではなく、各所で受けることができたのでした。

 

次は「大黒天」を祀る「大悲願寺」へ。大通りから分かれて、のどかな風景の中を歩くこと約15分。

(上:見事な石垣が続く住宅街)

(上:上り坂。ふと振り返ると美しい山々の姿が)

上の写真のところから踏切を渡ると、目に入るのが、長く続く白漆喰の築地塀。いかにも由緒ある寺院の趣です。

豪壮な仁王門をくぐって中へ。

大悲願寺は、鎌倉時代の開山と伝わる古刹。観音堂を飾る極楽図の彫刻も見事です。

 

ここからは、また駅まで戻り、今度は駅を背に、右手の道を5分ほど行くと、「恵比寿天」の「下町地蔵堂」です。(下の写真)

そこからさらに直進し、約10分で「番場地蔵堂」。お祀りしているのは「毘沙門天」です。

(上:美しい眺めを背景にした番場地蔵堂)

お参りを済ませて、ふと下の方に目をやると、大きくて優美な屋根のラインが印象的な堂宇が目に飛び込んできました。

そこが次の目的地「玉林寺」。「福禄寿」のお寺です。写真左下の階段を下りて裏手から境内に入ります。

(上:屋根の曲線が美しい玉林寺本堂)

 

(上:境内の枯山水庭園)

(上:清浄な空気に満たされた境内)

(上:ここでは甘酒のおもてなし)

上の写真は、玉林寺の仁王門。門前には柚子がたくさん入った箱が置かれ、「境内になった柚子です。ご自由にお持ち帰りください」の貼り紙が・・・。「福だるま」のお守りもいただきました。

 

と、ここまでは、寺院間の距離も短く、道沿いや要所要所に「七福神」の幟がはためき、迷うこともなく、とんとん拍子に進んだ七福神巡りでしたが、これからが大変でした。

次に向かうのは「布袋尊」を祀る「光厳寺」。「玉林寺」から直進し、行程の半ばほどで、これまで辿ってきた檜原街道から脇道に入り、田園風景の中を歩いて30分ほどの道のりです。

このあたりは、湧き水の豊富な土地だそうで、小さな祠は、水の神様を祀っているのでしょうか。

脇道に入ると、七福神の幟が姿を消し、地図と小さな道しるべが頼り。のどかな風景を楽しみながらも、先行きが少々不安に・・・。前方に、七福神色紙の入った袋を下げた人を見つけ、なんとか辿り着きました。

光厳寺」は、室町幕府の初代・足利尊氏が開基と伝わる由緒ある禅寺です。

山門をくぐると、おおらかな笑顔の「布袋さま」が迎えてくれました。

光厳寺の寺域には、サクラの古木が多いのですが、特にヤマザクラの巨木に注目。

このヤマザクラは、幹周りが5.3m、枝張りは、東西25m、南北18m、樹齢400年以上というもので、都内のヤマザクラとしては一番大きな老巨樹だそうです。

「光厳寺」から最後の「徳雲院」への道は、さらに道標もなく、参拝の人も見当たらず、正しい道筋を辿っているのか不安になり、何度も道を尋ねて、ようやく到着。(皆さん、とても親切に対応してくださいました。ありがとうございました。)

上の写真が徳雲院の入口。道路から階段を下った川原にあるので、通り過ぎないように要注意です。

地図には25分と書かれた道のりでしたが、ずいぶん遠く感じられたことでした。巡拝用に用意された地図は、かなり詳しいものだったのですが、なにしろ町並みから離れると目印が無く、距離感もつかめないので、やはり要所には、道標や「七福神幟」が欲しいものです。

ともかくも、ここで最後の七福神「寿老人」に参拝(下の写真)。七つ目の御朱印を捺していただき、七福神詣では終わりとなりました。こちらでは「七福神あられ」をいただきました。

「徳雲院」は、戦国時代の開山と伝わる禅寺。明るい境内には、ウメの古木がたくさんあり、花の季節は、さぞ見事なことでしょう。

満足感に浸り、戻ろうとした時に、「川原に下りてみてください。きれいな水が流れていますよ」と、ご住職に勧められ、行ってみると、そこには清流が。澄んだ水の流れに、さらに心を洗われた気持ちになりました。

 

そして、おまけの話として・・・

「徳雲院」のすぐ近くに、「瀬音の湯」という温泉があります。そこで疲れた体を休めるのもいいかもしれません。温泉は有料ですが、足湯は無料です。(下の写真)

帰りは、「瀬音の湯」の裏手の遊歩道から、吊り橋を渡って、十里木バス停へ。(「瀬音の湯」発のバスもありますが、本数は少ないです)

 

武蔵五日市駅へは、バスで10分ほど。

所要時間約3時間半。温かいおもてなしムードが心に染みた七福神めぐりでした。

 

* 本文は、最新の情報ではありません。お出かけの際は、公式HPなどでご確認ください。

 

 


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