日本庭園こぼれ話

日本の歴史的庭園、街道、町並み。思いつくままに
Random Talks about Japanese Gardens

高尾山火渡り祭り(東京・八王子)

2019-02-27 | 神事

3月10日、日曜日、午後1時から、高尾山麓で、恒例の「火渡り祭」が開催されます。火渡り祭は、高尾山薬王院の伝統行事の1つということですが、何年か前に見学した際には、その勇壮さに驚いたものでした。

始まる40分前に着いた時には、すでに大勢の人が集まっていました。中に外国人が多いのにもびっくり。

時間になると、ホラ貝の音に先導されて山伏の行列が入場してきます。

日本各地からの山伏が集結して、儀式が始まりました。

小山になった木々に火が点けられると、ものすごい煙と炎。

一方、山伏たちは、ヴオーヴオーとホラ貝を吹き鳴らし、大きな声で呪文を唱えます。

それに応えるかのように、炎は勢いを増し、天高く燃え上がっていきます。

そして、火が下火になると、「火渡り」の始まりです。

山伏たちは、まだ燃えている火の中を、裸足で次々に渡って行きます。

そのあと、山伏たちに続いて、一般参加者も次々に渡り始めます。

こうして、次から次へと、火渡りは続いていきます

火渡りを待つ人々の列の長さに、この祭りの人気を知ったことでした。 

 

 

 

 

 

 

 

# 場所は高尾山自動車祈祷殿大広場。京王線「高尾山口駅」から徒歩5分

詳しくは、高尾山薬王院へ、お問い合わせください。

 

 


続・はけの森美術館 (東京・小金井市)

2019-02-17 | 日本庭園

以前、このブログの『「はけ」の道散策(2)』2016/11/26)の中でご紹介した「はけの森美術館」に関して、新しいニュースがありました。

「はけの森美術館」は、洋画家・中村研一の屋敷跡に建てられた美術館です。中村研一は、戦災で東京・代々木のアトリエを焼失した後、昭和20年に、この地に移り住み、亡くなるまでここで制作を続けたということ。

平成元年に「中村研一記念美術館」としてオープンし、その後平成16年(2004)に小金井市に寄贈され、平成18年(2006)、新たに「市立はけの森美術館」として開館されました。

(上: はけの森美術館)

そして美術館裏の緑地には、「旧中村邸主屋と茶室」が現存(下の写真)しているのですが、この2つの建物が、この度、国登録有形文化財に正式登録される見通しとなったと、ニュースにありました。小金井市の建造物では、初めての登録とのこと。(『東京新聞』より)

 

主屋は、以前は「はけの森カフェ」として利用されていたのですが、私が最後に訪れた2016年には、営業を休止していました。味わいある場所だったので残念に思っていたのですが、嬉しいことに、その後、2017年3月に再オープンしたとのことです。

これらの建物をを含む緑地は、現在「美術の森」として、無料公開されています。

美術館の隣に入口があり、

その先に緑地が広がっています。

緑地のメインスポットは、湧水。

東京都小金井市には、高低差15~20mの段丘崖(国分寺崖線)が東西に走り、この段丘崖の下部の砂礫層からは、昔から、清らかな地下水が豊富に湧き出し、土地の人は、この地形を「はけ」と呼んでいます。

この湧水が、園内の空気を浄化し、清々しい景色を創り出しています。

「東京の名湧水57選」の1つでもあります。

そして「美術の森」の向かいには、「はけの小路」と名付けられた遊歩道があります。

この小路沿いに流れる水路は、「美術の森」の湧水を水源としたもの。

近くを流れる野川に注ぐまでの、ほんの短い距離ですが、清らかなせせらぎが、風情を醸し出しています。

この地はまた、大岡昇平の小説『武蔵野夫人』の舞台になった場所としても知られています。

「はけの森美術館」は、ただいま、メンテナンスのため臨時休館中とのことですが、3月中旬には開館の予定。

新緑の美しい頃に出かけてみようと思っています。

※ 「美術の森」アクセス=武蔵小金井駅南口から徒歩15分。または循環バス「CoCoバス」他、バス便もあります。

詳しくは「はけの森美術館」の公式HPなどをご参照ください。