本尊に釈迦如来と阿弥陀如来の「二尊」を祀ることから、その名が付いた「二尊院」は、9世紀半ばの平安時代、嵯峨天皇の勅願により、慈覚大師が開山したと伝わる名刹です。
小倉山の東麓に位置し、格式の高さを伺わせる豪壮な総門は、かの豪商・角倉了以が、伏見城の薬医門を移築したというものです。総門の先には、「紅葉(もみじ)の馬場」と呼ばれるほど、広くて長い参道が延びています。
(上: 「紅葉の馬場」の名にふさわしい広く長い参道)
また、小倉山の丸い稜線が背後に覗く伸びやかな本堂。その前面には、白砂が敷き詰められ、いくつか低い竹垣で丸く囲った中に、苔と形の良い松などの古木がバランス良く配されて、境内全体が清新な空気で満たされているかのようです。
(上: 小倉山を背にした境内は、白砂と緑のコントラストが清々しい)
5分、10分歩いただけで、次々に風雅な寺院に行き当たる嵯峨野散策。次は「祇王寺」です。